コナンの観てきた!クチコミ一覧

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幸福論

幸福論

wonder×works

新宿シアタートップス(東京都)

2023/03/15 (水) ~ 2023/03/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

客席のA列を無くし そのスペースにまで達している舞台セット
まるで舞台と客席が地続きとなった仕様に期待は高まってくるし、始まってみればそれこそ期待通りの演出が

核廃棄物処分誘致に反対の立場をとる医師の自宅の一角が舞台
この町全体からしてみれば反対派の局部的定点観測というカタチになるのだけれど、地に足のついた演技、普段の生活ベースから徐々に高まっていく緊張感からは舞台上には登場していない町民たちの思惑までもが見えてくるようでした

自分の生活圏において核廃棄物処分地という存在は縁遠く、今回の公演に触れていなければ、こんなにも深く考える機会は無かったと思う
核廃棄物という底知れない脅威以前に、一筋縄ではいかない人間関係が一番怖いのではないかと思ってみたり、例えばの自分を舞台中に投影してみたり、かなり深く入り込んでしまう公演
小さな町が背負ったのは、この国の幸せ
本当にそれで良いのか・・・
劇中で語られたこの問題の核心が忘れられない
帰り道には登場人物達の様々なしがらみから離れる事ができて、一旦核の脅威から離れる事ができてホッとしている自分に気付いてしまいました
本当にそれで良いのだろうか・・・是非多くの人に観て欲しいです

マギーの博物館

マギーの博物館

劇団俳小

サンモールスタジオ(東京都)

2023/03/03 (金) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

強い生命力が漲っているだけに壮絶な爪痕を残してくれる公演
海岸に位置する炭鉱の町
貧困から逃れるため移り住んだとはいえ、この土地には生きていく術の選択肢があまりに少なすぎる
これではどうやっても豊かになれそうもない
そんなジレンマが常に付きまとって、それでも必死に足掻いて生きている姿から片時も目が離せませんでした

男にモテないけれど明るく気丈なマギー(どうにか幸せになって欲しいと思わせる魅力に溢れている)
マギーと一緒に暮らすのは
旦那と長男を炭鉱で失い生きる気力を失っている母(元々が根明な女性だったらしく、その片鱗に救われます)
強い労働組合を目指す弟(真面目でそれ以上に不器用な男を好演)
長年の探鉱作業で塵肺を患うじっちゃん(寝たきりなので常に部屋の一角に鎮座しているシンボル的存在)
そんな生活の中、マギーと恋に落ちる心優しいニール(体格良く頼もしいのだけれど不安を予見させる一面もあり)
やがて二人は海が見渡せる小高い丘に新たに家を建てる事を誓い合う・・・
あらすじに書かれた登場人物がそのまま具現化されていて、演劇の生々しさがダイレクトに伝わってくる、それ故に強烈に響いてくる公演でありました

点と線のオブリビオン

点と線のオブリビオン

9-States

駅前劇場(東京都)

2023/02/22 (水) ~ 2023/02/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

酒蔵を営む家庭のごく日常的風景なのだけれど、んlん、妙に面白いこの感じは一体
拙い分析眼で観ていると これは会話の繋ぎ方が巧いからだね と納得
観客は自然と自分流にカット割りをしながら舞台を観ているわけで、その目線の誘導のさせ方がめっちゃ巧い
だから視線を動かすのが楽しくなってくる
加えて何気ないのに良く吟味された言葉で構成されているものだから心地よく観ていられる
転換時に映し出されるモニターの言葉は 問い掛け、模索、指標が示されていて増々“言葉の力”を感じることができるのでした

家族(身内)だからこそ遠慮無い言葉になってしまったり
拾われの身(加えて記憶喪失)という心もとなさから一歩引いてしまう言葉になってしまったり
もどかしい中にも切っても切れない絆の強さが沁みてきます
失われた真実の事件性の高さにビックリしましたが大人同士のにらみ合いのシーンには思わずゾクリ
ひとつで二度美味しいドラマになっていました

じりりた

じりりた

明後日

新宿シアタートップス(東京都)

2023/02/22 (水) ~ 2023/03/01 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

老人ホームで生まれた友情
施設における人生の最終章であっても彼等の時間は息づいていて
その時間が可笑しくて哀しくて、無性に泣きたくなってきます

これまでもめっちゃ面白い脚本を書き上げてこられたニシオカ・ト・ニールさんの作品
ひょうひょうとした酒井敏也さん&武骨な渡辺哲さん それぞれの持ち味が最大限に生かされていてサイコーに面白い
あまりに自然なものだからもうそのまんまじゃないか「あてがき」最強!と思って観ていたのですが
アフタートークで登壇したお二人の素の姿はまたちょっと違っていて、そうかーやっぱり演出の力、演技の力って相当凄いってことなのだと改めて実感
脇を固めていた施設の職員、息子役の俳優さん達もそれぞれにナチュラルで、二人のおじいちゃんをより一層輝かせ且つ内容を豊かなものにしてくれていました

マッチ売りの少女

マッチ売りの少女

下北沢演劇祭実行委員会

シアター711(東京都)

2023/02/23 (木) ~ 2023/02/26 (日)公演終了

実演鑑賞

キッチリしたストーリーの形態をとらないのがPANCETTA流
老若男女のマッチ売りの少女が10人(少女の概念はガン無視ということですね)
各々の願望が浮かんでは消え
おそらく制作過程で生まれたであろう豊富なインスピレーション
「演劇の街」をつくった男 本多一夫氏の役柄(立ち位置)が妙に面白く
更に拡がっていくインスピレーション
う~ん何ともカオスな感覚

お楽しみ会的な素人感とプロによるアート感が渾然一体
そこにすっごい熱量が加わって もう独特の世界観となっていくのでした

咎人の刻印

咎人の刻印

High-position

紀伊國屋ホール(東京都)

2023/02/16 (木) ~ 2023/02/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

令和の切り裂きジャックと吸血鬼との出逢い、やがて火花散らし合う異能の者達
キ上の空論 中島庸介さんが脚本・演出であったのが心強かった
耽美の迷宮に置いてきぼりにされる事もなくその世界観を着々と楽しむことができました
ゾンビ映画にも通じる哀しい残酷味、刑事役のヤングダンディーっぷりに可笑し味が含まれていた事も見逃すまい

ただ馴染めなかったのが主人公の設定
連続殺人犯と心揺れ動く綺麗な青年との両立が自分的にはどうもしっくりこない
ファンの人から「そこがポイントだよ、ダメじゃん」と言われそう、ガ~ン

なるほど「咎人の刻印」は シリーズものだったのですね
目一杯盛り上がった後でのお楽しみはこれからだ!感が上手い

入管収容所

入管収容所

TRASHMASTERS

すみだパークシアター倉(東京都)

2023/02/17 (金) ~ 2023/02/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

日本で暮らす限り緊急医療体制に関しては信頼度が高く、それは日本で暮らす外国人にも同等であると今まで思っていたのだけれど
普段馴染みの無い「入管収容所」
個人的には 不法滞在者=悪い人 という先行イメージから改めなくてはいけないと思いました
実際の被害者家族の方々(アフタートークにて)がそれでも日本人の事は好きですといった旨を話されていたのにはちょっと救われる思いがしました

公演時間は2時間40分
相当なる調査と考察から成り立った公演である事は想像に難くない
こういう事件が閉鎖された空間で起こっているのだと、そして何が問題として残っているのかと
どんな伝達手段よりダイレクトに伝えてくれるニュアンスや息づかい
それが生舞台の凄いところでありながら反面、観劇した人にしか直に伝わらないというのが何ともはがゆい
せめて一席たりとも空きが無いよう、一人でも多くの人が目撃できるよう願うばかりです

OH! MY GOD!〜2023

OH! MY GOD!〜2023

パン・プランニング

博品館劇場(東京都)

2023/02/10 (金) ~ 2023/02/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

昭和の雰囲気が何とも楽しく地上波ギリアウトかな どうかなという毒加減も絶妙
手を変え品を変え散々笑いつくしたというのに後に何も残っていないというのもある意味贅沢な娯楽だったなと
超くだらない部分が好物か否かでハマり具合が変わりそう
友人同士とかで観に行って高揚した気分のままワイワイお茶して帰る
これがベストな観劇スタイルじゃないかと思える公演でした

ハンドル握って

ハンドル握って

 StageClimbers

新宿眼科画廊(東京都)

2023/02/11 (土) ~ 2023/02/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

劇団が描く劇団員のお話し、演じられるリアリティーがハンパない(いや、リアル以上と言っていいかも)
この公演、演劇関係者が観た場合どれだけ深く染み入ってくるのだろうか想像に難くない
そして演劇好きな私にとっても、ここで描かれる世界はもうひたすらに感慨深く片時も目が離せませんでした
大劇場の豪華な美術で誰もが知る役者さんの演技を生で観るのも確かに贅沢だけれど
限られた空間で巧い役者さんの表現力をそれこそ隅々まで堪能できるなんて、こんな贅沢な事ってあるだろうかと改めて感じさせてもらいました
構成や台詞、かなり面白く仕組まれた脚本でしたが、役者さん達が演技という魔法でその面白味を更に倍増させていたと思います

ジリジリした心理描写で一気に引き込まれてしまう1パート目
それと被さるように別場所で起こっている出来事を描いた2パート目
何だか目の間で展開している素敵空間の邪魔になっちゃいけないと思えて必死になって笑いを噛み殺しながら観るという至福
全てが集結していくような3パート目で現実の厳しさを思い知らされましたが彼等の心のひだ、そして底力までもがしっかり伝わってきました

生活と革命

生活と革命

マチルダアパルトマン

OFF OFFシアター(東京都)

2023/02/08 (水) ~ 2023/02/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

110分で5つの短編なので一作品あたり20分強という事か
20分、結構見応えあります!
それでもってこの5つが揃いも揃って面白いのだからかなりのお得感だと思う

切り口が全く異なる5編なので、どれが一番とか決められないけれど、どれもこれも人間描写が絶品
何と言うか日常の中にありそうな題材で、よくもこんなに面白い状況や関係性を描けられるものだと感心してしまう
(1編だけスキャンダラスな設定があったけれど、それすら日常の延長線上との混沌で楽しめる)
良い事ばっかりなので一応悪いところもあれば書こうと思っても、う~ん無いなぁ
引き出しが多いって強いね
あとマチルダアパルトマンらしいポヨ~ンとした感じも健在
この感じ 余計な力が抜けてとても好き

トムラウシ

トムラウシ

株式会社Ask

自由劇場(東京都)

2023/02/04 (土) ~ 2023/02/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

圧倒的な世界観にてっきり人気マンガが原作の公演かと思いきや、なんと完全オリジナル作品
強者(政治)が弱者(一国民)に押し付ける理不尽
マンガ的とはいえ現在ある政治情勢・構図の延長線上にイメージできてしまう部分もあって何とも空恐ろしい設定
怖いながら巧い塩梅にコミカルさや楽しめる要素が盛り込まれ、とても乗っかりやすいエンターテイメント作品になっていました

何より登場人物達の心情描写が丁寧なのが良い
理不尽に投獄された男達の自問自答とは裏腹に、主人公のファンである女性の揺るぎないストーカー気質がめっちゃ面白い
そして筋肉隆々、リアル超人ハルクとも言うべき角田信朗さんの迫力といったら
こっこりゃ絶対に勝てない…と思わせる凄味が物語に説得力を持たせていました
この役はWキャストで明後日からは宮迫博幸さんにバトンタッチ
とても重要な役どころ故どんなふうにキャラクターが変わるのか非常に気になるところです
日替わりゲストは小出恵介さん
賑やかしでも面白ければいいよね。と思っていたらなるほどストーリー的にもそう繋がっていくわけか
最初から最後まで見どころだらけ お腹いっぱい、大満足です

once upon a time in海雲台

once upon a time in海雲台

MUSICAL『 once upon a time in海雲台』製作委員会

浅草九劇(東京都)

2023/01/10 (火) ~ 2023/01/16 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

あまりに不器用すぎて、何とも歯がゆいラブストーリーにだんだん涙腺がゆるんでいく
新春のうららかな日にぴったりな親近感ミュージカルでした
韓流ドラマって何というかもどかしい感じが苦手で今までしっかり見た事はなかったけれど、本作のもどかしさなら全然OK
程よくコミカルなのも良かった
若いお客さんも多かったので、スマホやSNSが無かったこの時代(1992年)の恋愛模様をどんなふうに感じながら観ていたのか気になるところです

俺は誰だ?

俺は誰だ?

Offbeat Studio

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2023/01/25 (水) ~ 2023/01/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

冴えないサラリーマンに魔界の案内人が差し向けてくる風変わりな面々
どの面々も奇抜なんだけれど誰もがしっかり芯のある存在感(演技力も確か)
そんな色んな個性から成る世界観が次々と楽しめる仕掛け、これって「星の王子さま」的面白さというか(もちろん旅人は王子さまではなく、冴えないサラリーマン!)
出会いのひとつひとつに やるせなさが含まれて妙に良い感じでした

魔界の案内人と冴えないサラリーマンとの掛け合いも格別に絶妙
凄味さえある「怖」が時々「笑」に転がっていく様は特に

そして最初から最後まで出ずっぱり、冴えないサラリーマン役の曽世海司さん
冴えない とはいえ愛すべきキャラクターを大大熱演
不思議な経験を経た彼が自身の運命をどっちに進めていくのか
最後の決断に固唾を飲んで見入ってしまいました

明日の幸福

明日の幸福

diamond-Z

日本橋公会堂ホール「日本橋劇場」(東京都)

2023/01/20 (金) ~ 2023/01/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

中央区立日本橋公会堂、実際の最寄り駅は水天宮前だけれど凄く広くて立派な劇場
主催さんなのか制作さんなのか分かりませんが、こんな場所を押さえられるなんてめっちゃ優秀
とはいえ中身が伴っていなければ台無しなのですが・・・これがもう、とても良かった!

昭和30年代の古き良き空気感といい、役者さんの醸し出す風格や可笑し味といい、面白さがごくごく自然に溢れ出ていて立派な劇場に全然負けていない
善男善女の三世帯家族、権威あるお祖父さんの父親絶対主義的なところも観客席から観ているぶんには何だか微笑ましい。
互いの気持ちをちゃんと思いやれる(特に女性同士)素敵な三世帯家族なのだけれど、それでもちょっとした隙間から「悪意の芽」が育ってしまうところなんかはとても興味深いと思えました

劇場の雰囲気、役者さん達の魅力、物語の面白さ等すべての歯車が上手く合致して老若男女、全ての観客が心地良く楽しめる公演になっていたと思います

Go Let It Out

Go Let It Out

演劇企画アクタージュ

荻窪小劇場(東京都)

2023/01/19 (木) ~ 2023/01/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

奇妙な味のするサスペンス(サスペンスと言い切って良いのか、サスペンス風味?)
その先に何があるのか手探っていくのだけれど、暫くすると煙幕を張られた様に目先がぼやけていき、
それでもまた手探って
見えそうなんだけれど隠されちゃっている感じ、これは狙ってますね、確信犯
あえて分かりやすい万人受けを狙わずに、手探りに進んでいく(その手探り感も一緒に楽しむ)作風はおそらくアクタージュさんの新機軸

そして久しぶりにディスタンス感を取っ払ってくれた舞台というか、小演劇ならではの気迫を存分に堪能できる演出になっていて、もう感無量
今一体何を見せられているの(笑)…なシーンの唖然も、全部全部ひっくるめて生々しくライブでプライスレスな観劇体験
ここにいる本当に限られた人だけの体験だから尚更の贅沢感
全ては劇団さん、そして劇場さんによる安全管理があってこそ
生の醍醐味を「安心」と両立して楽しめるということ
その幸せを改めて噛みしめる事ができました、心から感謝!

笑う門には福来・る祭 明治座でどうな・る家康

笑う門には福来・る祭 明治座でどうな・る家康

明治座

明治座(東京都)

2022/12/23 (金) ~ 2022/12/26 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

徳川家康は「タヌキオヤジ」のイメージしかありませんでしたが本公演で描かれるはめっちゃヒーロー
家康の歩んできた人生振り返り、当然波乱に富んでいて面白い
緩く笑わせる部分と緊迫の人間ドラマ、キレッキレの殺陣といった引き締まった部分、ショータイムも織り交ざって、これは無限に観ていられる
服部半蔵を演じた宮下雄也さんの笑いに関するリーダーシップとシリアスなシーンとのふり幅が凄い
昔から記憶している役者さんも自虐的なポジションでありながらめっちゃ活躍していたなぁと

浅野ゆう子さんの寧々と南海キャンディーズしずちゃんの瀬名、それぞれの持ち味が活かされまくって素晴らしかった
その一方で原田龍二さんが埋もれていた気がしたのは自分だけ?そこは残念

第二部はチーム対抗ショータイム合戦、とことん楽しませてくれました 満腹です

この世界がおわる前に。

この世界がおわる前に。

アンティークス

シアター711(東京都)

2022/12/21 (水) ~ 2022/12/27 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

死に向かっての物語ではありましたが、登場人物に絵本や小説といった物語を紡ぎ出す才能がある事によって世界観が何重にも広がっていくという とても独創的な内容になっていました

不意にやって来る「おわり」
人生の走馬灯 ともまた違って、現在と過去、現実と創造が交錯しながら「おわり」についての思いが巡り巡っていきます

それ故 テンポ良くシーンのシフトチェンジも多い演出となっていましたが、このシーンからシーンへ気持ちの乗り換えやすさといったら
何かテクニカル面でポイントがあるのでしょうが、いくつもの軌道パターンを快適に乗りこなせているような爽快感ある舞台でした

ネタバレBOX

「いじめ」というもう一つのキーワード
「おわり」はいつか必ずやって来るものだとしても
せめて「いじめ」だけは生み出さない様にしないと、切なすぎます

満足感で満たされていて全くおかしくない公演でしたが、どうしてもしっくりこなかった部分が
それは主人公男性が離婚に至った理由
どう見ても浮気をする様な人じゃなかった
彼の言い分より、どうしていい加減な他者の嘘を信じてしまったのか
その当時における元妻と娘さんの家族(夫・父親)を見る目の無さがどうにも信じられなかったのでした

沼部、陸へ上がる

沼部、陸へ上がる

ラボチ

シアター711(東京都)

2022/12/16 (金) ~ 2022/12/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

仲良し3人組が新種イモリを発見して一躍有名人に
確かに「めざましテレビ」とかこういう話題取り上げそう
週刊誌で「イケメン3人組が」の見出しに最初笑っちゃったものの、だんだんそれらしく見えてくる・・・
昔そういえば「羞恥心」っていう3人組がいたなぁ~と頭をよぎりましたが深い意味はありません

とにかく「こいつら面白そうじゃん、今度使ってみようか」なんて注目を集めてしまうマスコミのツボみたいなものは確かにありそう
いきなり人気者になってしまったド素人中の素人、その渦中 三十路男性達がどんな様子となるか、まるで見てきたかのように良くできた描写力
三者三様、細部にわたって見事でした

42歳となった今になって振り返る(それなりに)人気絶頂だった12年前
差し込む光に手を伸ばしながらも躰はズブズブ沈んでいく感覚「堕ちていくのもそれはそれで良いかも」となりそうな感情のうねりがヤバかったです

ひめごと

ひめごと

劇団大樹

小劇場てあとるらぽう(東京都)

2022/12/14 (水) ~ 2022/12/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

写実的セット(リアル)の中に散りばめられた美の数々(特に柿の木の圧倒感)
ドラマと共鳴する韓国伝統の弦の音色(形は琴に似ている)
そして舞台美術には「能舞台」をモチーフに とありましたが、最近 能の世界を拝見したばかりだったので、すごく理解できてこれまた興味深く見惚れてしまう要素
ゆったりした美しいリズム、舞台が現実(客席)とはまるで別空間でありながら、それでいてしっかり存在していたのは、役者さんの確かな演技力に加えてこうした「能舞台」のテクニックや色んな美意識が仕掛けられているからだと
まるで物語の中に「ひめごと」が隠されているのと呼応し合っているかの様で
それ故不思議に味わい深く染み入ってくる作品でした

物語が丁寧に紡がれていく中、もうお母さんがとんでもなく「ひめごと」を持っていそうで、「あっ そうか、もしや」と、こちらの想像も登場人物と一緒になって膨らんでいき・・・

これはもう役者さん5人とは思えないくらいの広がり、そして人の見え方の移ろいと言ったら
ミステリーな風味もしてネタバレ厳禁ですが、とても上質な終わり方だと思いました

美々須ヶ丘

美々須ヶ丘

fukui劇

劇場HOPE(東京都)

2022/12/14 (水) ~ 2022/12/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ミミズフライヤーそのものなグロシーンこそなかったものの、それに匹敵する異色作で間違いはなかった
小さな会社内のコミュニティー、そのリアルにしてやらし~い部分を更に濃縮還元した描写に思わず笑ってしまったのは、言葉のチョイスや演出の巧さに加えて役者陣がイケてるルックスだというのもあったかも
どんなにイケてても性格がこれじゃ台無しじゃん みたいな
逆にこんな毒キャラを演じ切った役者さんたち、凄いと思う

しかもそれだけにとどまらず後半の展開が・・・
まるで二重人格作品
うっかり石をどかしてみたら毒虫がゴソゴソ蠢いていた感じというか
いや「やっぱりいたか!」と予感していたかも
刺激的な作品を欲している方にお勧め!

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