コナンの観てきた!クチコミ一覧

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ゴンドラ

ゴンドラ

マチルダアパルトマン

下北沢 スターダスト(東京都)

2022/06/15 (水) ~ 2022/06/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

白いゴンドラを観劇。
キャスティングは全4パターンあるみたいですが、観劇後、このキャスティング以外にこの世界が存在するの?って思うくらい、しっくりくる完成度。
おそらくどのパターンを観劇してもそう思わせるのでしょう。

「どこかの誰かの生活を覗き見るように・・・」の謳い文句通り、親しみやすく思わず食いついてしまう生活風景を目の前に、どこの劇団かといえば、やはりマチルダアパルトマン!とも言うべきエッセンスが良い塩梅の隠し味。

舞台に見えるのはリビング一部屋だけ、なのに下手奥には寝たきりの父親部屋があり、上手奥には風呂場や玄関が確かに存在する(と思わせる手腕)
更に、今見ているは3人それぞれの「現在」なのに、それはちょっとしょっぱい歴史を経て生きてきた「現在」
彼等の人生の道のりが、さり気なくも確かに存在して見えるのでした。

東京から地元に戻って何もしていない男にとって、介護ヘルパーさんと妹さんだけが出入りするこのスペースが今の全宇宙なのかと思うと何だか切なくて不思議な感じ。
この部屋での営みもゴンドラの様にゆっくりと風景を変えていくのですね。

すべてセリフのはずだった

すべてセリフのはずだった

劇団フルタ丸

駅前劇場(東京都)

2022/06/15 (水) ~ 2022/06/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

下北沢で父親捜しをしている噂の4人異母姉妹。
元々他人同然だったのに同じ目的の為、ひとつ屋根の下。
観進めて行くほどに彼女達ひとりひとり、枝葉が伸びていくように個性が見え始め、その伸びた枝葉がお互いこすり合って波紋を生み出していく感じがとても面白い。
その中にもう1人、波及効果抜群の男枝葉も参入するのだけれど、そこはネタバレ自粛。

そんな彼女達に目を付けたのが映像制作会社。
人物描写のみならず職場モノとしてもかなり面白い。
個人的にフジテレビの『ザ・ノンフィクション』というドキュメンタリー番組が好きで、こんな生々しい映像を一体どうやって…という好奇心が、まるで見てきたかの様な描写で満たされていきます(笑)
ドキュメンタリーってホントこんな感じもアリだろうなぁというリアルから、後半は彼等彼女等全員がもつれ合ってできていく特有の流れ、ちょっと怖いとも、滑稽とも取れる流れへと突き進んでいくのでした。

20周年、凄くスマートに成熟している印象の劇団フルタ丸さんですが、フルタ氏ご本人の挨拶文には、「どう考えても不格好な20年」と書かれていました。
であれば、不格好だからこそ滲み出てくる絶妙な旨味っていう事なのかと思えてきます。
コロナ禍(まだ終わってはいませんが)を乗り越えての20周年おめでとうございます。

演劇ドラフトグランプリ

演劇ドラフトグランプリ

シアターコンプレックス

日本武道館(東京都)

2022/06/14 (火) ~ 2022/06/14 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

人気ロックミュージシャンのコンサートに行って以来の日本武道館。
まさか演劇バトルというカタチでこの会場を訪れる日が来るなんて。

全てはこの日のために、競い合う4チームの気合・演技レベル、ほぼ互角だったのでは
それでも2,5次元舞台の様式美が際立つ作品が多かった中、ストレートプレイ的というか物語の骨格が一番しっかりしていると思えたチームが優勝。
自分も投票したチームだったので「感性が一致したな」とちょっと嬉しい。

それにしてもスケールのでかい企画を実現させたものだと思う。
審査員席にモーリー・ロバートソン氏とクロミちゃん(サンリオのキャラクター)が並んで座っていて、ちょっとしたカオス。

下谷万年町物語

下谷万年町物語

新宿梁山泊

花園神社(東京都)

2022/05/12 (木) ~ 2022/06/25 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

こちらのテントでの体験実績が身体に刷り込まれているので、もう観に行く前から血が騒ぎまくり、昨日、最高のコンディションと環境にて観劇。
アングラの最高峰、アドレナリン出まくりの全3幕。
出来れば4幕でも5幕でも、どこまでも観ていたかったくらい。
かつて上野近辺にあったという貧民窟、下谷万年町。
ギラギラドロドロの業まみれ、その圧倒的な生命力、飛び散る水しぶき、腐敗の中に咲き誇る華、その現実離れした美しさに、手を替え品を替えのド迫力の連続に、ただただ唖然とするばかり。

豪華な役者陣、どこを切り取っても見どころには事欠かない中、六平直政氏の登場でこの上更に上のステージがあるのかと、
もはや怪優を越えての怪物、素晴らしすぎる!お願いですから夢に出てこないで(笑)
この回では某大御所女優さんが観客として自然に楽しんでおられ、何気に六平氏へのリアクションが最高。
どちらも舞台芸術大好きな、根っからの役者さんなのだなぁと、こちらにも思わず笑ってしまう。
何より観客全員で一緒に楽しんでいる一体感が最高。

花園神社境内 特設紫テントは、やっぱりどんな高級な劇場よりず~っと贅沢に溢れた舞台空間でありました。

舞台・破天荒フェニックス〜いつだって始まっている〜

舞台・破天荒フェニックス〜いつだって始まっている〜

劇団TEAM-ODAC

シアターサンモール(東京都)

2022/06/01 (水) ~ 2022/06/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

実在するメガネチェーン店の実話で成り立ったストーリーというのが凄い。
企業の命運をかけて一気に駆け抜けていくコメディー版日曜劇場!?
しかも追い詰められるほどに笑いも増幅していくという
もう次々とトラブルが絶えないものだからあっという間に感じたけれど、2時間20分もあったのですね、道理での満腹、満足感!

まさに破天荒、大した社長だと思う。
でももし彼が身内だったら脳の血管がブチ切れて絶対倒れてます(笑)

パスキュア

パスキュア

GROUP THEATRE

浅草九劇(東京都)

2022/06/01 (水) ~ 2022/06/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

サックスの演奏をこんな近くで観られる機会など滅多にない。
めっちゃカッコよかった。

舞台を三方向で囲んだ一体感型のステージ。
まるで同じ空間(病室)を共有して彼等の言動を間近に見聞きしている感覚。
リアル、でも演劇というフィルターを通しているからこそ素直にそのリアルを見つめる事ができる。

余命僅か らしからぬ患者さんの図太さに苦笑したり、おい大丈夫か?と覗きこんだり、基本的には重苦しさなんかよりも勝る猥雑な日々
それでもやっぱり観終わった直後は・・・ちょっと言葉が出てこない。
直球だからこそ響く思いの丈(たけ)、特に若い方々に、より強く響きますように。

贅沢と幸福

贅沢と幸福

オパンポン創造社

調布市せんがわ劇場(東京都)

2022/05/27 (金) ~ 2022/05/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

遂に、遂にやって来たオパンポン創造社の長編新作。
事前情報はなるべく入れず、特に体調は念入りに整えて行くべし。と思ったのはこれまでの観劇歴の勘と言うべきか。
案の定、スキャンダラス、濃厚ドロドロなやつキターーー

決して均整とれたバランス美ではないけれど、抜きん出た凄味というか、とんでもない生舞台を観てきた‼という興奮に酔いしれる。

作品の重厚感、ドラマチックな場面転換が凄く映画っぽい。
ヤバい方へと突き進む演者の方に全意識が向いていたので上手く言えないけれど、シーンの転換が映像のカット割りみたいに滅茶苦茶工夫されていた(特に照明が印象的)
ただ映像と違って演劇は役者さん達が毎回毎回生で演じなければならないわけで、こんなハードで繊細な内容を良くやり切ったと思う。


ネタバレBOX

追い詰められる登場人物、観ている側もどんどん苦しくなっていく中、野村有志さんだけが唯一無責任な立ち位置、部外者的ほっと一息感であり、“演劇”らしい役どころでもあった。
リバーシブルリバー

リバーシブルリバー

24/7lavo

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2022/05/26 (木) ~ 2022/05/31 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

突如、思いと真逆の言葉を発する症状に陥ってしまった青年。
このシンプルに笑えるワンシチュエーションコメディーで突っ走るか、いや、きっともう何ランクか上を企んでいる。と思って観ていたらやっぱり!
中々良い雰囲気で賑わっていたシェアハウスの光景が、全く違った見え方で幕を迎えていました、深い!

言葉の変換作業も最初こそのんきに笑って観ていたものの
普段の会話の中で(特に言いにくい内容では)似た事が起こっているんじゃないかと、
自分自身も無意識に加工した言葉を発している事ってあるんじゃないかと、言葉の迷宮にどこか背筋が寒くなってくるのでした・・・こんなふうに思わせるのもきっと計算ずく。

学生達のシェアハウス、最初から最後までとにかくめったくそ面白かった
24/7lavo主催の池田さん(演出)&やみ・あがりシアター主催の笠浦さん(脚本)の相性が見事バッチリハマっているのが実感できて余計面白い。
是非またのコラボを期待しています。

ネタバレBOX

最初は慌てふためく主人公とシェアハウスの面々のナチュラル演技から生まれるシンプルで分かりやすい笑い。
これが怪女マアコ先輩の出現でガッツリ強烈な笑いとなって空気が一変
きっとここが境目だったのでしょう、いつの間にか登場人物達の裏側から垣間見えるエグさにも笑っている事に気がつくのでした。
BLATHER

BLATHER

劇団ノーティーボーイズ

駅前劇場(東京都)

2022/05/24 (火) ~ 2022/05/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

森脇和成さん(元猿岩石)が美女から大モテ、で大活躍。
更に出演者全員が手を変え品を変え個人武器をぶっ放してくるものだから笑いの大洪水が起きていました。
ノーティーボーイズ座長さん(めちゃキャラが濃い)が大人しく見えてしまうくらいに全員が凄い。
それで総勢15名だからかなり凄い(笑)

どこか懐かしい感じのする笑い。
まあ この笑いは鉄板ですね。
ストーリー的にもハラハラドキドキあり、つまりは鉄板の面白さでした。

せんがわ劇場演劇コンクール

せんがわ劇場演劇コンクール

せんがわ劇場

調布市せんがわ劇場(東京都)

2022/05/21 (土) ~ 2022/05/22 (日)公演終了

実演鑑賞

40分弱とは思えないくらい充実した内容の作品群。
帰宅後、ライブ配信でも論評が視聴でき、別の目線からじっくり噛みしめる事ができました。

初日1公演目から好スタート、成夏火さん。
演技力の点では些か不利だったかなぁと思いつつ、仙川住民じゃなくても自然と笑ってしまうご当地ネタの数々、憎めない面々。
そして今回のせんがわ劇場演劇コンクールそのものが舞台という発想力!
5月21日13時30分~、この時、このせんがわ劇場でしか成立しない世界観、作品の一員である一観客となって最高に楽しめました。
これからがとても楽しみな劇団さん。

優勝された階(缶々の階)さんの作品も劇団モノ。
「劇に登場しなかった登場人物と、その役を演じるはずだった俳優の物語。」
度々やむない理由で舞台の中止が発表されている昨今。
本来なら今日、この劇場でこの公演をやっていたはずなのに。
時々それがあまりに理不尽に思えて不思議な感覚となって降りてくるのですが、それとよく似た感覚へと誘ってくれる作品。
二人芝居での優勝、お見事でした。

孤という毒

孤という毒

獏天

サンガイノリバティ(東京都)

2022/05/14 (土) ~ 2022/05/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

50歳にしての一人芝居挑戦。
もともと華があって何事にも物怖じしないイケオジ…であったとしても、これだけ自然に楽しませてくれるというのは、やっぱり凄い。
サンガイノリバティという劇場の構造・雰囲気と、主人公の仕事場である雑居ビルの一室感が見事に一致。

「心の窓口」自殺志願者を思いとどまらせる仕事。
どの電話も会話のキャッチボールとしては変化球だらけ。
この主人公、最初のうちはマニュアルに近い感じの電話対応なのだけれど、説得に熱が入ってくると自分の身の上を吐露する傾向アリ(笑)
その熱量でグイグイ引き込んでくれるわけですが、電話の合間に見せる哀愁混じりの人間臭さも良かった。

ネタバレBOX

昼の部ではどうされているのでしょうか、カーテンオープン、見慣れた下北沢の夜景がバックに広がった超最高の舞台美術!
何とも絵になる舞台でした。

リターン THE RETURN

リターン THE RETURN

ウォーキング・スタッフ

小劇場B1(東京都)

2022/05/14 (土) ~ 2022/05/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

電車の車両内を吊革、シート以外は骨組みだけで表現したセット。
仕切りなど一切無く実際にはすごくオープンな舞台空間なのに、車両という箱の中、密閉感を巧く醸し出している。
どうやって振動させているのか分からないけれど、電車の動きに合わせて全体が揺れたりするものだから更に強まる車両感。

最終便、最初に乗り込んできたのは若い男性二人。
前科者でかなりガラが悪い。
これは激ヤバ空間だなぁと、感じているうちに次の停車駅
乗り込んできたのは若い女性一人。
まずっ!これはもう火を見るよりも明らかな展開!?

電車が走っている間は逃げ場無しの密閉空間。
停車駅ごとに一瞬出入口が解放、場合によっては乗車客も入ってくるというドキドキポイントが活きている。

劇団俳小さんの『リムーバリスト-引っ越し屋-』も記憶に新しいが、かつてのオーストラリアはこんなにも荒んでいたのかと。
一発触発、固唾を飲んで遂に終着駅・・・う~ん、やるせないというか何かモヤモヤする終わり方。

『焔 〜おとなのおんなはどこへゆく〜』

『焔 〜おとなのおんなはどこへゆく〜』

下北澤姉妹社

駅前劇場(東京都)

2022/05/11 (水) ~ 2022/05/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

アラフィフ、女友達3人組。
生活ランクの幅はタワマン上層階セレブから都営住宅家賃減免対象者まで
これだけライフスタイルの異なる女性3人が学生時代からの長きに渡ってどういう友情を育んできたのかは謎ではありますが、悩み事が友情の肥やしとなってきたのか滲み出るものもイイ感じに仲が良さげ、もう傍観しているだけでも楽しい。
仲良さげの中にも各々、地雷があるようで、盛り上がった勢いでの微妙なヒリヒリ感がめっぽう面白い。
パーティールーム、徐々に人が集まりだし旦那衆や弁護士までが一堂に会して、厄介な飛び火が目まぐるしく駆け回っていく感じ・・・そんな流れがもの凄くツボでした。

積み重なり合って後半になるほど案件過多になっていった印象
そこまでサービスしなくても旨味を引き出せる力量、魅力は充分あるのに、ちょっと勿体ない。なんて思いながらも、結局めちゃ面白かった!です。

女性の方が遥かに「幸福」に対しての捉え方が複雑で面倒であるという事
自身で優先すべきモノをその手に入れながら、どうしても他者の尺度でいう「幸せ」と照らし合わせてしまうサガ。
繊細とも言えるけれど途方もなく業が深い‼・・・いや男も業深いです、ごめんなさい
少なくとも浮気の罪深さは男女関係無しという事で
(しかし浮気男を懲らしめる!と言って結束するのは女性独特)

ネタバレBOX

記者をしている旦那が己の使命を力説している姿(早々に興味を示さなくなっていく奥さん、そしてそれをわざわざ解説する娘さん(笑)も含めて)が印象的。
旦那衆サイドは各自それなりに充実しています感がコントラストとして面白い(彼等も深掘りするとどうなのか分からないところですが)

家族以外の登場人物。
コンセルジュ役の関口秀美さん
美人なのは良しとして、こんなお色気駄々洩れコンセルジュはタワマンの奥様方達が絶対許さんだろ、ありえ~ん!(笑)と思いながらも、彼女の妖艶の力がこの異常な一夜を引き起こしたとも思え、非常に重要なポジション。

弁護士役の高畑裕太さん
数年前、観劇した主役予定公演での降板、残念であった過去あり。
しかし今回、もう冒頭からめちゃくちゃ全力で役を演じている姿を拝見できて感慨深かった。
観て良かった理由の大きなひとつとなりました。

ベイビ- ドン クライ 

ベイビ- ドン クライ 

東京ハイビーム

「劇」小劇場(東京都)

2022/05/10 (火) ~ 2022/05/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

恋愛モノといっていいのか?全力で笑わせにかかってくるサダオシリーズ恐るべし(笑)
シリーズ続編という事で先ずは前回までのダイジェストを演ってくれた、超親切。
恋愛相関図的にはサダオ&ブービーとの間にジャイアンがやってきて、一度はサダオ&ジャイアンになってしまったもののジャイアンは天に召されてしまう。
ここからが本作の物語のスタート。
亡きジャイアンの気持ちを引きずったままのサダオ。
そんなサダオを早く正気に戻し、再びカップルに収まるべく頑張るブービーと二人を応援する仲間達。
それなのに…それなのに、またまたジャイアンが!?
サダオ役、スタジオライフ曽世海司さんのシリアス(顔)とコメディータッチのギャップ技
ブービー役、栗田浩太郎さんの猪突猛進さが、とんでも物語の行方を引っぱっていく


作・演出家さんのコメントではシリーズ書き始めの時には世間の常識とはややかけ離れた異世界かも…と思いながら書かれていたそうですが、今やもう普通に観れちゃいますね(笑)
暗いニュースばかり飛び込んでくる今だからこそ、キャラ濃い目、心の栄養ドリンクみたいな作品で一気に美味しくいただけました。

おーい!煙突男よ

おーい!煙突男よ

川崎郷土市民劇上演実行委員会

川崎市多摩市民館(神奈川県)

2022/05/07 (土) ~ 2022/05/08 (日)公演終了

実演鑑賞

市民劇というアマチュア性を活用して、演者さん達それぞれが活き活きできる演出⇒分かりやすくて親しみやすい演技(表情が良い!)⇒観ていてめちゃ楽しい
なかなか良い流れが出来ていました。(言うがやすし、これってそう簡単な事ではないと思う)

事件の本題に入る前に、煙突男と実際に関わったお婆さんが在籍するデイケアサービスセンター(現代)からスタート。
実際にご高齢の演者さんも多数出演されており、お年寄りネタが全く嫌味なく笑えてしまうという強み!(笑)
辛い内容を含有しながら、ユーモラスな空気感もしっかり構築されていく中
煙突男のバックグラウンド(家庭など)や事の経緯も丁寧に描かれ、世間の風向きが色んな意味で彼の味方になっていくのが分かる気がしました。

NHKで放映していた「アンという名の少女」で、町の子供や大人が一緒になって演劇を披露する回を思い出したりなんかもして、なんかもうプライスレスな感動。
衣装や美術も実に丁寧。
これだけ大規模な市民参加劇を現在に実現させたという功績はかなり大きいのではないでしょうか。

フェアウェル、ミスター・チャーリー

フェアウェル、ミスター・チャーリー

theater 045 syndicate

スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

2022/04/28 (木) ~ 2022/05/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

数十年前、カルトな人気を得た『フェアエル、ミスター・チャーリー』
この劇中映画が全ての軸となってのヨコハマハードボイルドストーリー。
退廃的な現実と映画の虚構世界との境界線が段々無くなって・・・混沌の中に巻き込まれていく感じ。
破天荒かつ浪漫に溢れた世界観からはヨコハマ版テント公演といった印象を受けつつ
そこに濃厚な政治背景や照明テクニックがこれでもかと加わり、怪演の連鎖、もう怨念が渦巻いているような迫力。
ストーリーをちゃんと消化できたかどうか自信ありませんが、このエネルギーを生で浴びてきただけでも充分価値ある公演でした。

稽古初日vol.2

稽古初日vol.2

O企画

イズモギャラリー(東京都)

2022/04/26 (火) ~ 2022/04/27 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

どの回もその日、その場限りの一本勝負。
1作目・死刑囚女性と面会者(劇作家)の駆け引きの様な会話劇。
2作目・教師達のバックグラウンドの様な会話劇。
どちらもリアルタイプな会話劇

嗜好としては演技の闇鍋パーティーみたいな感じ?と想像していましたが
個々に持ち寄った演技プランがしっかり調和していたのでストレスが無いどころか、タイミング、細かい所とか台詞以外の所までなんか巧いなぁ~と
(もし多少アンバランスな部分があっても、それはそれで面白がれたかもしれない)

「稽古初日」を“見学させる”のではなく“エンターテインメントとして観せる”ということ
完成形でなくとも、こんなに楽しめることにビックリ。
演劇のうたかた感をより近しく、リアルに感じる事ができるのが何より良かった。

通常の公演よりずっと小回りが利きそうなこの創作スタイル。
なんと合同練習がゼロ日!
独自に大変な部分はあるでしょうが、コロナ禍の救世主のような企画が誕生したのではないかという期待感。
かなり良い事尽くめなのでスタンダード化はアリ寄りのアリだと思います。

エゴ・サーチ

エゴ・サーチ

プラグマックス&エンタテインメント / サンライズプロモーション東京

紀伊國屋ホール(東京都)

2022/04/10 (日) ~ 2022/04/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

主演の今江さん(関西ジャニーズjr.)と明記されていなければ完全に役者さんとして認識していたはず。
彼のみならず、舞台上に登場する役者さん全員の個性が活き活きと輝いた”キラキラ公演”
逆にその全ての輝きがなければ成り立たない公演でもある。

自分と同じ氏名・プロフィールのSNS。
“なりすまし”というのはあるらしいけれど、そこまで有名人でもないのに何故に?一体どこの誰が?
?に惹きつけられながらアナザーストーリーの行方も興味深く、謎と笑いに満ち満ちて宝箱のような時間が過ぎていく
全ての流れが主人公に結びついた時…まさにスパーク!!鳥肌ものでした。
謎を解くだけじゃなく、笑わせるだけじゃなく、(ネタバレ自粛)残る余韻と会場との一体感、何より役者さん達のキラキラ感(時にはギラギラ感)
久しぶりの鴻上ワールドでしたが、やっぱり素晴らしかった。

大迷惑

大迷惑

SUGARBOY

あうるすぽっと(東京都)

2022/04/14 (木) ~ 2022/04/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

若くて綺麗な役者さんや味のある役者さん達が入り混じって、ほんわかムードなコメディーがベースの中、悲哀や裏切り、ちょっとホラーな要素も加わって珍妙な味わい。
幾つものエピソードが重なっていくうちクセになってくる、そんな珍妙さがたまらなく良い。

小学生の時に誘拐され、ご近所の山の中、野生児として成長した二人。
22年ぶりに開放され、それぞれの家族のもとに戻るのだけれど、トイレという概念が無いばかりか、縄張りを主張するためウン〇を身体に擦り付けるという習性あり(笑)どうにも前途多難。
この誘拐に加担し、22年間二人を世話してきたのがネコ兄というか猫仕様のオジサン。
この役を主催の川尻恵太氏(作・演出も)が演じられ、ちょくちょく出没、笑いもバンバン生み出していくのだけれど、よ~く見てみるとちょっと不気味。
例えるならスティーブン・キングのホラー映画『IT』に出てくるピエロの様。
コメディーなのに、何だかゾワゾワ、当惑する二つの家族がどう転がっていくのか固唾を飲んでしまうのでした。

#15『朱の人』

#15『朱の人』

キ上の空論

本多劇場(東京都)

2022/04/13 (水) ~ 2022/04/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鳴りやまない拍手。
自分も拍手する力をどうにも弱めたくない。
見入ってのめり込むほどに辛い気持ちが伴ってきて、遂には持て余すくらいになって「うわ~っ」と爆発したような感情になっているものだから尚更。

女の尻を追いかけての演劇部
そんな兄の姿を弟が解説して生まれるリズムは兄への憧れに微妙な毒が含まれて絶妙。
この感じ面白い!と思っているうち、兄は上京、一旦弟とは離れて作品はまた新たなリズムを…そこは演劇界のリアル…これもまた面白い…いや、オモシロ痛い(!?)

兄の演劇人生を中心に様々な人の時間が流れていくのですね
それぞれ生き方こそ違えど「そう、あの時は…」と自分自身の時間とも重ね合わせて共鳴できる感情があって心が震える。
そして何より、これほどまでに演劇人を魅了する「演劇」って一体。
壊れていく「兄」と、滅んだ「僕」と。あと兄に関わった、兄を愛したり、憎んだりした「周りの人達」・・・そしてそれを観ている自分(観客)
辛いのであれば目を逸らせばいいものを、片時も目を離せない
これほどまでに観客を魅了する「演劇」って一体。

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