角田の観てきた!クチコミ一覧

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深瀬でくまわし

深瀬でくまわし

深瀬でくまわし保存会

深瀬でくまわし保存会館(舘畑公民館)(石川県)

2009/02/22 (日) ~ 2009/02/22 (日)公演終了

満足度★★★★

白山山麓の人形浄瑠璃
「三番叟(源氏烏帽子折・初段を改変)」「源氏烏帽子折・二段」「同・三段」「同・四段」を上演。石川線の駅までが読めないのと、天気が悪くなってきたので最後の段は見なかった。

ネタバレBOX

--人の背丈と同じ高さの舞台。横木に幕が吊ってあるという構造か。語りに合わせ、向こう側で木偶人形(案山子状の人形)を担ぐ様にして足踏みして揺らす。浄瑠璃、実際はやや単純化して(からっとしているが)御詠歌の節回し的な朗誦に。人形は手が動いたりしないが顔は精巧。大きさの秩序があるのかないのか。義経は子供みたいに華奢。お姫様の方が大きい。動きについては登場人物の男女差をはっきりだしている。装置も抱えられる程度のものと、小道具しかないが、芸が細かい。沢山の飴玉を客の桟敷にむかって投入れる等の演出もあり。大太鼓の音で締める。
--仙台の「歴民マチゲキ」で実演を見た東北人形浄瑠璃は『傾城阿波の鳴門』(明和年間)だった。あちらは今で言う「マペット」。手が可動する。一方こちらは「近松」の初期の頃の外題だから歴史の古さがうかがえる。人形も案山子型。どこも可動部分が無いからこそか。対話劇というよりも場面ごと全部デュオの舞踊の様な感じ。神社絡みでない純粋な娯楽なので愛嬌があるというか。原型をいじらないまま時代が進んで、やや矛盾する演出が入ってきて味になっているのかも。
--発祥としては、江戸時代に旅回りの一座が雪に降込められて冬の間に住民に教えたものであるとか。近松の浄瑠璃が半分土着化。伝統芸能の様に継承される。1975年。ダム水没のため住民たちの集団移住にともない山裾の平地に移りそこで継続。
--やはり後継者不足に苦しんでいるとか。その関係で「北國新聞」に直前に記事が出たとかで、会場満杯。取材陣も入る。客層は、子供からかなり高齢のお婆さんまで、役員さんの話の最中とか、会場の端っこで勝手に話し込んで盛り上がる様子も。壁に代々の会長やメンバーの写真がずらりと並んでいる。
--(12:50-13:05/.../13:15-13:42/13:45-14:18/... ¥0-) @石川県白山市 石川線 道法寺/曽谷「深瀬でくまわし保存会館(深瀬新町公民館)」。...歩きなら「曽谷」駅からの方が10分程度近い。「道法寺」駅は自動車のロータリーがある(徒歩30分位か)。あるいは地元では「道法寺」の方が通りがいいのか。
第一回宇野重吉演劇賞受賞式・朗読上演会

第一回宇野重吉演劇賞受賞式・朗読上演会

宇野重吉演劇祭実行委員会

福井まちなか文化施設 響のホール(福井県)

2009/11/29 (日) ~ 2009/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★

演劇の機能は滅びた者への鎮魂である。
別役実氏講評「演劇史上でもかなり珍しい手法による戯曲。グローバリズム、ボーダーレスといった状況を観客に実感をもって伝えられる稀有な作品」。

ネタバレBOX

埼玉の高野竜さん作品『アラル海鳥瞰図』。

改めて作品に接して。核心に近い一節「...アジアの演劇の主題は、鎮魂だよ。滅びた人々の思いを伝える...」には感動をあらたにす。グローバル化で、のっぺりと削られつつある人間の歴史のヒダを、克明に記録し、伝えようとするもの。アジア演劇、人間の文化の正統と抵抗の行為としての芸術。名作だと思います。
hg

hg

風琴工房

ザ・スズナリ(東京都)

2008/05/09 (金) ~ 2008/05/18 (日)公演終了

満足度★★★★

個人的には
衝撃のラスト(ガクゼンとはしませんが)。松岡洋子さん新境地。

ネタバレBOX

佐藤誓、篠塚祥司両役者の前半後半の配役がキモ(そもそも舞台の設定の変化自体がそうなっているのか)。
災厄を引き起こした側と、被害を受けた側を、同一の「場所」が兼ねる。同じ役者が演じることのもつ意味、伝える意味。
普通のエンタメ系小劇場の雰囲気をもった楽しめる演劇として滑らかに仕上がっている。抒情にくるんでいるし、これみよがしではないのだが(でも前フリはある)、ドキュメント演劇の実験的なシーンが最後の最後に登場(誰某さんが現実にしていることのここでの反復再現)。おそらく小劇場史上初か。日本の演劇史上初かもしれない。
詩森さんの感動、表現のポイント、伝えたかったことがありありと分かる。
今現在、風琴工房の作劇は無茶苦茶尖んがっている。メタドラマ、演技や描写という事についての将来にわたる歴史の中での一つの貴重な例になっていると思うが、大人の作品にもなってます。
「聖なる土地」は生み出すものも違う。水俣にも近いうち必ず行ってみなくては。
革命について

革命について

ベビー・ピー

京都大学西部講堂(京都府)

2008/08/01 (金) ~ 2008/08/04 (月)公演終了

満足度★★★★

暑いけどお勧め
当然ながら時間制限内で上演されなければならないため、あくまでもファンタジーの領域に止められている。
人間的な悲惨や矮小さは抜きにして(ミカドのような変な権力のことも省いてある)、西欧的な社会観でなく、東アジア的な、循環するような社会、歴史意識が実は身近に埋もれて在ることを指し示した文明論的演劇。西部講堂でやるのに相応しい、2時間弱に納まったのが信じられないほどのダイナミックな巨編。実際の上演ではかなり苦しい時間帯もあったが、良くしのいだ。
日本ではあの『吉里吉里人』等を代表格にして80年代の頭に幾つか大長編小説で出た“大きな物語”の系譜に連なるような劇。


ネタバレBOX

地震でダムが決壊し水没した群馬県の平野。大湿地で新都市の建設が始まると共に、奇病が蔓延し始める。一方阿波の国からは、ある一族の二人の乙女がクラゲの様な水面漂う群馬の新興街に遣わされ、また一方、山谷のドヤ街には“革命家”と呼ばれる花火職人が潜んでいた。...革命。語源的に解釈すれば命が甦る様に刷新されること。
群馬の新興街と埼玉(?)を繋ぐ橋は奇病のために完成が遅れに遅れていた。山谷の宿屋にもゼネコンの開発の手が及びはじめた。
一方群馬の大量のゴミは千葉へと運ばれ沖を埋立てていた。その海辺には前時代の旧活動家が巨大な竿をぶったてて鯨が来るのをまっていた。
【怪】〜北斎夢幻・外伝〜

【怪】〜北斎夢幻・外伝〜

劇団吉祥じゅん&ワルキューレ

ぽんプラザホール(福岡県)

2007/10/06 (土) ~ 2007/10/08 (月)公演終了

満足度★★★★

いろいろな
舞台劇の考え方、発想があるんやな、と思うてんねん。

ネタバレBOX

別府を拠点とする劇団。関東で今まで見たどのプロダクトとも少し発想が違う。「西山水木+劇団ひまわり」は見ていないが。
まず芸能プロやアクション系の役者を使っている。先入観として放送劇団や何とかプロダクションの作る演劇は別の意味で内輪的で金とって人に見せる内容を持っていないと思っていたが、これは別。オリジナルで充分面白い。『陰陽師』的な魔界との闘争もの。正しいかどうかは分からないが、細部まで明確に磨き上げられている。
そうなると、エンタテインメントの劇であれば客席から舞台が遠いものだが、こちらは正面の観客から30cm位の接近戦。装置はほぼ無い。人間の肉体と装束が舞台の主要なエレメントだよと言っているかのようだ。
演技の質がバラバラかも知れないが、現代と江戸、現世と別世界ということで振り分けているとも言える。
主宰が三本とも扮装を変えて出て来る。やや様式が入った、全身を使うスタイル。体を床に叩き付ける。マイムの技術で、奇怪な、暗黒舞踏的な動きをする。これは、もう一人、子役か少女役の若い女性で出来る役者がいる(矢野真由美)。
幕間の繋ぎやイントロ等はCGで。これは贅沢な様な。DVD化を見越してか。
クライマックスの場面は「H・アール・カオス」を連想。破天荒な部分は少ないが。
第1回「1&2演劇祭」

第1回「1&2演劇祭」

社名が変更となりました。

MAKOTOシアター銀座(東京都)

2007/11/23 (金) ~ 2007/11/25 (日)公演終了

満足度★★★★

大谷蛮天門「東京戦争」再び
11/23-11/25 #1「1&2演劇祭」Eプロ @京橋「誠シアター銀座」。
島田美菜月『予告編「ねじ式」式』20分。/大谷蛮天門『怪談「東京戦争」パート2』45分。/坂本大地『まっすぐな道でさみしい』60分強。

ネタバレBOX

『予告編「ねじ式」式』(島田美菜月)。
妙に痩せた女優さんが、だるそうに、宙をかくように演技。まだ亀とお話しする途中の箇所まで披露。

『まっすぐな道でさみしい』(坂本大地)。
種田山頭火もの。新劇系の俳優氏による凝った舞台。弟の死に焦点を当てた感じか。やや長い。しかしねえ、わざわざ死んだ山頭火を語らずとも、生きている蛮天門を今見たでしょ。みなさん。

『怪談「東京戦争」パート2』(大谷蛮天門) 
どうやら本物の焼酎ワンカップ一気飲み5本連続。演劇というよりも、酔ったオッさんの演説に近いのだが、テント劇のベテラン、女性統治のユートピア、オルタナ文明論を語るという感じだろうか。反体制の進化ぶりもろもろにちょっと感動した。
パイドラの愛

パイドラの愛

HAMMER-FISH

サイスタジオコモネAスタジオ(東京都)

2008/02/08 (金) ~ 2008/02/14 (木)公演終了

満足度★★★★

姐さん!!
支配的価値観を暴力的に踏みにじる。しかし古典に触れている。繊細で部分的には超正統派でフレッシュ。尚且つふざけている。サラ・ケインやはりいいっす。姐さん俺ついて行くっす。...正直いって一応芝居になっていれば演出は選ばないんじゃないかとも思うのだ。

花

劇団千年王國

生活支援型文化施設コンカリーニョ(北海道)

2008/03/20 (木) ~ 2008/03/23 (日)公演終了

満足度★★★★

「僕たちはねえ、夢なんかじゃないですよ!」
昭和10年代日本帝国+1930年代ナチスドイツみたいな軍国統制下、あるカフェに匿われている結核感染者の少女。

ネタバレBOX

ある晩逃亡少年が入り込んで来る。実は屋根裏にも去年から居候がいて、という具合に、戦時下難病悲劇のパターンを強引にひっくり返して、カフェは戦前のフラワーチルドレンのアジトみたいな話になってゆく。
戦争が冒険であり、負ければ開放されて終わりというのは作者の認識が甘いのだが、四人の女工コロスや男優陣も面白いし、榮田佳子さん、膝を擦剥いて血が出ても動じない熱演にもしびれます。あいかわらず。

暗転で細かく区切った場面の積み重ね。アストル・ピアソラと、シャンソン、カントリーロックで描く。決めの場面は映画的。
街よさらば~満月とバタフライ

街よさらば~満月とバタフライ

劇団AND

ATTIC(北海道)

2008/06/17 (火) ~ 2008/06/21 (土)公演終了

満足度★★★★

(もうちょっと時間をください)
90分の作品にもかかわらず主役級の人物が二人。その人たちの書いた文章の中の出来事が平行して出て来るし、現実のレベルでも展開がある。時間が大きく飛ぶ。恐らく初見では全体像が分らない。しかし、人の心を抉るようなシーンが沢山出て来る(度が過ぎたおふざけも沢山)。

ネタバレBOX

世界の果てにある部屋。実はマンションの踊り場、に勝手に住み着いている青年(とその父?)。階下の部屋の女子高生。
青年が書くその女の子への手紙の中のストーリー(あるいは青年の血の中に巣くっているある女の悪魔の妄想)。
女子高生の父親や学校の実習教師の狂態。彼女の書く妄想日記。それを読んで刺激され、彼女を軟禁する実習教師。彼が身勝手に捨てた女の子が復讐にやってくる。
手紙の創作の中の登場人物たちの悲劇。

唐十郎の孫、ベルナール・マリ = コルテスの札幌の義兄弟。サラ・ケインのプリチーな弟分。フランス語で書いていれば評価は全然違うはずだ。その意味でANDの劇はリージョナル(地方色のある)演劇ではない。たまたま札幌だったということだろう。神の配置の不公平というか神秘的な僥倖というか。

そして、世間でどんな事件があろうとも、芝居の中ではナイフで人が何人も屠られなければならないし、目がえぐられ、首が切り落とされなければならない。社会全体のためにそうしなければならない。

『SURF GREEN ~ ハネムーン in ハワイ』

『SURF GREEN ~ ハネムーン in ハワイ』

劇団アルファー

ウィニングスタジオ(宮城県)

2007/08/31 (金) ~ 2007/09/02 (日)公演終了

満足度★★★★

設計思想がみえる
生活者に受け入れられる劇、仙台で上演する意味、演劇をめぐる状況などに意識をめぐらせた、ユニークなモダン・ウエルメイド。

破無礼(はむれ)

破無礼(はむれ)

シェイクスピア・カンパニー

遊学館ホール(山形県)

2008/01/26 (土) ~ 2008/01/27 (日)公演終了

満足度★★★★

ヤマガタで見てきた
盛岡版と脇役陣に若干変更あり。最後の剣闘の場面渋くなった。演出としてはやや古く、戯画的、甘いところもあるが、シェイクスピアの翻案劇としては良く練られ、名台詞・名場面が落とさずキッチリ拾われている。役者がいい。オフィーリア狂乱、叔父の祈り、墓掘り人夫の場面などやはり良い。逆に付け加えられた、将軍戦死の場面は、演じられているのを見ている間ではイマイチ良くわからない。山形の客はマナーあまり良くない(公演中のおしゃべり、ケータイ二回も鳴らす、空き座席に荷物てんこもり)。

勝手にしやがれ

勝手にしやがれ

劇団マタヒバチ

北越谷駅・西口駅前・さくら広場・特設テント劇場(埼玉県)

2013/11/01 (金) ~ 2013/11/02 (土)公演終了

満足度★★★★

京都からきたガールズテント劇団
劇団マタヒバチ『勝手にしやがれ』全公演終了しました。
京都から来たガールズテントシアター!
実際にはヤングミセスの女優さんもまじっているけれど。
苦手な平座席だったけれど足は痺れなかった。
非常に楽しめました。
丹生みほしのハスキーで低めだけどキンキンした声と、口跡の抜群の良さは聞いていて気持ちいい。突進しながらの火吹きも健在。
彼女以外の女優も見せ場多かった。
パラボラアンテナやお御籤の文面を演じて読むシーンなど。
最後15分位残してきれいに落ちが付いてしまうのが構成上残念だったかな。

ネタバレBOX

シンデレラ?記憶喪失の姫:河田まゆみ(元・魚人帝国)。
従者アロンゾ:明音?
ブラザーを探す浦島太郎:タケダナオキ。
洗濯女:豊本りえ?
眠り癖のある洗濯女の相棒:林保美?
エスパー少女:ゆう。
洗濯屋志願の少年?アルレッキーノ的人物:丹生みほし。
雨蛙。
温泉旅館の「新・お気に召すまま」

温泉旅館の「新・お気に召すまま」

シェイクスピア・カンパニー

エル・パーク仙台 スタジオホール(宮城県)

2008/07/11 (金) ~ 2008/07/13 (日)公演終了

満足度★★★★

これぞ演劇。
北の「SC」。南の「女騎士」。リージョナル演劇の南北の金字塔(ただし新劇や小劇場ではありません)。機会があれば死ぬ前に是非。9月に東京公演もあります。

ネタバレBOX

小劇場やアングラとは明らかにカルチャーが違う。転換が緩い(暗転と言えるのは一回だけ)。細部がいちいち下らない。馬鹿馬鹿しくて...良い。上手い訳じゃないんだけど野放図でない演技。役者がほぼ皆いい。

最後に近い箇所で一度なにかが途切れるのだが。

これは何だろう。“新劇”を根っ子にもっていないということか。新劇ではない演劇は、ただ「世界」の有為変転を描くだけということか。

簡単に言ってしまえば「村芝居」みたいな雰囲気だったということかな。
宮城の温泉の雰囲気とかわかっていないと楽しくないかも知れない。

ちなみに星奈美座長公演です。
#12 平原演劇祭 2013 第3部

#12 平原演劇祭 2013 第3部

みやしろ演劇パーティ/平原演劇祭プロデュース

宮代町郷土資料館(埼玉県)

2013/06/16 (日) ~ 2013/06/16 (日)公演終了

満足度★★★★

演劇文化の発生現場
地元に伝わる「このしろ伝説」を扱った『しじみSF』の部分のセリフに、突然生な言葉が織り込まれる。
【無名性】
歴史以降の伝承世界。
厳然たる書き文字の世界から、いかがわしく、落剥した、統御できない田舎流の世界へ。
ここに何らかの美を見ようとするのだ。
これは私にも結論めいたことは言えない。
一応、演劇のある部分の最前線を形作っていることだけは、間違いない。

一輪の書

一輪の書

みやしろ演劇パーティ/平原演劇祭プロデュース

天狗湯(西荻)(東京都)

2016/11/05 (土) ~ 2016/11/05 (土)公演終了

満足度★★★★

三段ブースターロケットのように
アングラ演劇の骨法・文法に沿った展開。岡本かの子『河明かり』。待ち受ける人間ならぬ人間。三段ブースターロケットのように異世界に徐々に突き進む。洗い場への窓が異世界への扉。水滴の音。最後は中世日本の戦乱期へ。ピストルでご破算。何事も無い様に復活。なかなかの傑作。一輪は埼玉の崖の百合の花。

May be blue

May be blue

劇団第二黎明期

せんだい演劇工房10-BOX(宮城県)

2007/11/17 (土) ~ 2007/11/18 (日)公演終了

満足度★★★★

愛すべき佳品
仙台で見ました。後日、たまたま新潟に行った日が本拠地公演の楽日でしたが、観劇できませんでした。残念。
劇団第二黎明期については、今後も見ようと考えております。

ネタバレBOX

主宰の劇作家、シダジュンさんは、スタジオから数分のアーケード街に、ご自分のうどん屋さん「ちず屋」を持ってらっしゃる。今回はそこで食べてきました。稲庭うどん風の麺に、八丁味噌を溶かしたつゆという、ラーメン感覚というか、いろいろ工夫してある。「ごま野菜うどん」。えのきだけとうどんの歯ごたえがポイントでしょうか。なかなかでした。
近くにはロングラン公演で使った「ワタミチ」というスペースもある。
非常に興味深い環境です。
Frances Barb " Fine Bone China " /東雲舞踏『ハルノ唄』

Frances Barb " Fine Bone China " /東雲舞踏『ハルノ唄』

東雲舞踏

CLUB DROOM(宮城県)

2007/08/30 (木) ~ 2007/08/30 (木)公演終了

満足度★★★★

世界の「Butoh」の今が
海外に進出した「舞踏」がどんな風に定着しつつあるのか。また、舞踏の母国日本でイキのいい世代がどんな状況に立っているか。非常にはっきりと見通せた公演でした。

アザリアのピノッキオ

アザリアのピノッキオ

パレスチナ・キャラバン

井の頭公園(東京都)

2007/09/27 (木) ~ 2007/10/07 (日)公演終了

満足度★★★★

良質なアングラ
この公演に関わっているのは歴戦のツワモノどもが多いです。

ネタバレBOX

テントを打つ激しい雨音の中、見てきました。
井上ひさしもびっくりの遅筆で台本がないまま稽古突入とか、ビザが間に合わないッとか大変な様子を漏れ聞いていたのですが、蓋を開けてみると...。ラフな仕上がり、一部細部グダグタながら、歌姫を巡る道化の鞘当てに、人形とクグツ女の鞘当てが配置されるなど、美学的にも憎い、精緻な構成の台本。大久保鷹と黒谷郁の場面を筆頭に、絵作りといい、オオッ、来た来た来たッ!という場面がかなり多いです。濡れたロマンチシズムというか。
チャンスがあれば再度見たい。無理ですが。
約2時間半。
POOL MODERN

POOL MODERN

フ透明少年

大高緑地公園・プール施設内(愛知県)

2009/11/22 (日) ~ 2009/11/23 (月)公演終了

満足度★★★★

ミラクル!!
広大な大高緑地の中のレトロな休眠プール全面をテープで飾りインスタレーション作品に。その期間中のパフォーマンス、演奏の一つ。

ネタバレBOX

主催は林慎治さん。私が見てきたなかで、藤條虫丸さんは九州から定期で来ている方なので別にすると、原智彦さん、西島一洋さんに続く名古屋第三のオルガナイザー。ご本人のパフォーマンスは象の着ぐるみとか操り人形等の大道芸寄りです。
「フ透明少年」は社会人のメンバーで構成されているアートパフォーマンスと演劇の集団。劇場公演は仕事との兼ね合いがあるので2年に一度くらいなんだそうだ。林さんとは市内の祭事場などで出合って誘われた模様。
代表の「神英記」さん。イケメンだが物柔らかでフレンドリーな人物。彼が子供たちの様子を見ていて演奏を止めなかったから次の展開があった。
4人の扮装したパフォーマーがロボット的な動きで、観衆を巻き込みながらの沈黙のダンス劇。メンバーの雰囲気に反応したのか、演技が終っても、小さい子供たちが踊りのパターンを引き継ぐような形で踊り続けるというハプニングが起きた。
10分位のフリーセッションになった。幸福な時間を体験できました。拍手。
「重力/NOTE」第二回公演『戸口の外で』

「重力/NOTE」第二回公演『戸口の外で』

重力/Note

シアターバビロンの流れのほとりにて(東京都)

2009/01/28 (水) ~ 2009/02/01 (日)公演終了

満足度★★★★

ロスジェネ演劇
ヴォルフガング・ボルヒェルト。60年程前のロスジェネ演劇。“時代の潮目が変って”そのリアリティが再生して来ているという現象を目の当たりに。とてもエキサイティングな感触。思い切った演出も違和感なし。

ネタバレBOX

十数年前に戯曲だけは読んでいましたが、毒ガスマスクの眼鏡のだけ掛けているところ。何人かの人と順繰りに会ってゆくところなど、意味がよく掴めなかったし、事件など、パターンを踏まえているようにしか感じられなかった。
やはり実演を見るのは重要だし、時代の空気で伝わる伝わらないというケースがありうるんだということを改めて感じましたよ!!

マイナーポエット扱いされてるんですが、西欧の芝居の伝統というか水準恐るべし。滅茶苦茶に破壊されて、尚、これだけ(ある部分を)寓話的に昇華して書けるとはどういうことだ。

「戸口を閉めることで僕を見殺しにしたんだ」と上の世代を責める場面。「俺たちの生きられる場所をお前らがどいて作れ」というロスジェネの叫びのまんまなので震撼しました。

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