100人のタナカ!
PocketSheepS
TACCS1179(東京都)
2016/10/13 (木) ~ 2016/10/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
期待以上の面白さ
エンターテインメントとして確立した見応えのある作品。
世界観や設定も無理なくとても解り易いSFコメディ!
舞台を縦横無尽に使った演出も秀逸でした。
でもちょっと役者さんが多いのかな…とも思う。
全ての役者さんにそれぞれのキャラクターと役割が与えられ、
きっと出役のみなさんのモチベーションが高まり、
あの壮大な物語が確立する一面もあると思いますが、
やっぱり話が長くなり、同じドタバタを繰り返すことにも。
面白い物語をより分かり易く!
でもこれだけ魅力的な役者さんが揃うと、いろんな事をやりたくなるのか。
面白い物語を素敵な役者陣いっぱいで楽しめました。次回作も期待です。
許されざる者
シンクロ少女
OFF OFFシアター(東京都)
2016/05/17 (火) ~ 2016/05/24 (火)公演終了
満足度★★★★★
ハッピーver。幸せなのか?
面白い。
魅力あふれるキャラクターを備える5人と、
リズミカルにクロスする場面と会話。
難しい事抜きに楽しめた。
カオスな人間関係が蠢く濃密な物語、許されざる者は誰だったのか?
やっぱりみんな?なの?
とにかく、時間をやり繰りしてバッドエンドもぜひ観たい。
間に合うかな?
量子的な彼女
NICE STALKER
王子小劇場(東京都)
2016/11/19 (土) ~ 2016/11/23 (水)公演終了
満足度★★★★★
もっと勉強せねば
不思議な空気感を作り上げるマイナスイオンのような団体。
このお話は文系でも楽しめる理系な物語という触れ込みでしたが、
やっぱりその解釈も表現も難しかった。
しかし魅力あふれる役者さんが、
舞台上で活き活きと動き回わる姿は感動的。
サイド席を使った張り出しの様なステージ、シンプルで神秘的な美術、
客席をも使った縦横無人な演出も妙に心揺さぶられる楽しさだった。
これで自分自身が物理的な表現と比喩をもっと昇華できれば,
もっと楽しめたのだろうと思うとちょっと残念。
オカルト研究部の4人、屋上の先輩2人、望遠鏡をのぞく先輩と後輩。
どのシーンも発せられる言葉一つ一つが面白く、次の言葉、次の展開が
待ち遠しくなる一種麻薬的な台詞回しが心地よかった。
やっぱり、イグロヒデアキさんと藤本紗也香さんは反則的なキャラクター。
その歪なる世界観を存在だけで表現できる魅力的で不思議な役者さん。
かなり気になる存在です。
当たり前のようだけど、制作運営の方がしっかりしていると心地よいですね。
最近ひどいところが多いので、観客に気を配れて、
舞台を楽しんでほしいという気持ちが、
周りに伝わる人たちを見ていると心が洗われます。
これからもがんばってください。
「 肉弾 」ご来場ありがとうございました。
演劇ユニットG.com
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2016/03/23 (水) ~ 2016/03/28 (月)公演終了
満足度★★★★★
映画も観てみたい
市井の人々が経験した戦争の過酷さと無意味さを胸に、
戦う為の意味付け見出したアイツ。
戦争の馬鹿さ加減を静かに見せてゆく重くも滑稽な物語。
舞台美術、装置のも面白く見ごたえのある作品でした。
当日パンフレットに作演出の言葉がさらっと書かれていましたが、
社会的なメッセージを持つ作品だからこそ
少々の時間でもアフタートークで、演出や役者の言葉を聞きたかった。
お知り合いとの交流も大切ですが、物語の背景や演出の想いなど、
そんなトークが聞けるのも小劇場の良いところの一つだと思う。
愛せ、讃えよ、我は幻覚の王
レティクル座
d-倉庫(東京都)
2016/03/19 (土) ~ 2016/03/21 (月)公演終了
満足度★★★★★
壮大なる叙事詩
21人の大所帯が3階建ての堅牢な装置で奏でる壮大なる叙事詩。
尺的にはチョット長いかなと思うものの、
王室、スラム、マフィアなどにカテゴライズされ、
役割とキャラが確立し出番も重ならず、理解しやすい展開は良かった。
しかしゴリラくんがあれほどに重要なキーマンだとは思っておらず、
最初はさらっと観ていたが、幅広い演技と見せ方は秀逸な身体表現で
かなり引き込まれた(ある意味、主役の様)。
キャラクター的には、預言者のベッピン、マフィアのボスが、
衝撃的に面白かった。今後もチェックさせていただきます。
『もっと高く』
PATCH-WORKS
北池袋 新生館シアター(東京都)
2016/03/17 (木) ~ 2016/03/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
新鮮で温かみある舞台
役者による楽器の生演奏と物語の展開。
難しいところに果敢に取り組む意欲的な劇団の登場に拍手。
心の琴線に触れ、人の感情を揺さぶる事ができる言葉とメロディ。
その2つの武器を手に、今は亡き父の言葉「もっと高く」に触発され
それぞれの場所を見つけてゆく兄妹のホームドラマ。
しっかりと楽器を奏で、会話のようにセッションする役者たち、
また耳に残る心地よいオリジナルテーマも心地よかった。
目指すところも高く、意欲に満ちた役者陣も揃い、
次のステップが楽しみな旗揚げ公演だった。
時間がなく、アフターイベントが見られなく残念でした。
Gliese
ピヨピヨレボリューション
シアターノルン(東京都)
2016/04/01 (金) ~ 2016/05/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
心地よい夢物語
女子だらけの大所帯に、個性あふれるメンバー大集合!
しかしながらバランスが取れてスッキリ判り易くまとまって楽しめた。
やっぱり目を引くのは妄想女子のカワイユイ。
ちょっと痛い娘かと思っていたら
徐々にその世界に引き込まれ魅力いっぱいの女の子に!
昭和の歌番組的なセットもハマって夢物語にピッタリ、
そして単純明快で明日への希望に満ちてた物語を
うまくサポートしているようだった。
日替わりゲストでも楽しめるのでリピートも楽しそう。
またチャンスがあればお邪魔します。
元天才子役【いよいよ千秋楽!当日あります!】
元東京バンビ
スタジオ空洞(東京都)
2016/11/25 (金) ~ 2016/12/05 (月)公演終了
満足度★★★★★
反則的に面白い
いい、すっごく良い。正面から馬鹿丸出しで挑むドタバタコメディ。
初めて見たけどハチャメチャな面白さ
クソ次郎&ぶうたろうの劇団員以外のメンバーの濃さが、
半端なくズルイ程に面白い。もちろんお二人も素晴らしかったけど。
シンプルなセットながら効果的に展開する細かい計算が憎らしいほどに素敵。
大胆な窓の使い方も衝撃的。
考えて練られた笑いに、役者それぞれのアドリブ的パワーが相乗して、
押し寄せてくる面白さに思いっきり笑えた。
アイムオールウェイズバッド
荒川チョモランマ
高田馬場ラビネスト(東京都)
2016/10/07 (金) ~ 2016/10/10 (月)公演終了
満足度★★★★★
本気でおもしろ
記憶喪失のブス(設定上)の一人称で展開する、
極私的な愛と情が交差するヒューマン?コメディ。
貧富と醜美の格差社会にマッチしたある意味リアルな物語。
当日パンフに「これが私にとって紛れもないリアル」とあるように、
同じカーストの日常に包まれたように共感。
その設定は何より、小劇場らしさと利点を最大限生かした演出と、
見せ場の数々に惹き込まれる。
この路線と演出、大好きです。
さらなれば、もう一歩踏み込んで、
主人公のミィ☆ナにもっと泣かせる台詞を吐かせてほしかった。
自分的には今年の最上位にくる良い物語でした。
ありがとうございます。
愛、あるいは哀、それは相。
TOKYOハンバーグ
「劇」小劇場(東京都)
2016/03/30 (水) ~ 2016/04/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
考える事をやめない
薄れゆく記憶とともに、怒りや悲しみも時と共に昇華する。
人間の性として、
いやな思いや悲しみは記憶から徐々に消える様になっているのだが、
忘れてはいけない、考える事をやめてはいけない、
人智を超える事が起こった3.11。
作り手、演じ手、様々な思いや考えがあるはずだが、
あえて観る者に考えさせる様な投げかけ。
答えを行ってくれた方が気楽に楽しめるが、
そこはあえて観る者が試行を始める
トリガーポイントとして存在しているようだった。
身体の芯まで揺さぶるオープニングの地鳴り、
思いやりが詰まった木遣り、五感を揺さぶるステージは
何気ない喫茶店の日常を切り取ったホームドラマを、生と死、
人間の在り方を考えさせる深い人間ドラマとなる。
骨太な物語に明日を考える。
Back Stage~REBOOT~
TEAM空想笑年
シアターKASSAI(東京都)
2016/09/08 (木) ~ 2016/09/11 (日)公演終了
満足度★★★★★
今年一番笑った
セットの裏側を見せる美術も面白い、タイトル通りのバックステージ物語。
無茶と無理をゴリ押ししながら2週間で舞台を作り上げる、
物語性の強いシチュエーションコメディは大いに笑えた。
全体的には今年の1・2を争うコメディだった。
役者陣も魅力あふれるメンバーが揃った。個人的には、
言いだしっぺのサル、巻き込まれた演出、存在感ありすぎの大道具、
そして貫録たっぷりの大女優に、演技に目覚めた素人女子。
このあたりがかなりツボった。
良くできたお話だったが、前半の稽古シーンのテンポがいま一つ悪く、
身内笑いしかもれず不安に駆られたが、後半舞台本番からはエンジン全開。
リズムも勢いも劇場全体が笑いの渦に飲み込まれるように転がった。
女子のキャラが確立して判り易かったが、
男性陣はちょっと人数的にも多かった感。もうちょっと絞ってもよかったかな。
しかし内容は秀逸なコメディで、
セット美術の使い方も良く、大いに笑わせて頂きました。
アンジョルラス
劇団パラノワール(旧Voyantroupe)
サンモールスタジオ(東京都)
2016/03/16 (水) ~ 2016/03/21 (月)公演終了
満足度★★★★★
散華
日本で若者が戦うと、良くも悪くもやっぱり全共闘的になってしまう。
アフロディーテの様に性に奔放な女性は力強い、
国を変える大きな力の争いには娼婦が良く似合う。
明朝体の様に心に突き刺さり存在感を誇示する台詞の応酬。
欲望と感情を投げつけエリートの若者は愛する国家へ挑む。
知恵も富も貧しき者たちを底辺に成り立つ日本的カースト社会は
変える事が出来るのか?
安城、布衣、久留辺の東大生男子3人の自己陶酔的で熱い演技と、
手鳴姉妹の体当たり的でストレートな演技が印象的。
きっとこの下衆な構成が日本の縮図なんだろうな…。
ホテル・ミラクル4
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2016/10/28 (金) ~ 2016/11/07 (月)公演終了
満足度★★★★★
まさに地産地消
劇場のある歌舞伎町にふさわしい魅力あふれる作品群。
面白い話と役者さんをそろえる卓越したプロデュース能力に脱帽。
演劇の楽しみ方の幅が広がる企画だと思う。
どれも頷け、のめり込む物語が並ぶが、
「楽しい家族計画」の熱い会話劇と、何処までも転がってゆく展開、
気付けば立場も入れ替わる秀逸な脚本にワクワク。
役者さんも男女ともにハマった感じで良かった。
演出がいいのか、役者が良いのか、
相乗効果ってこういうものなのかと思える一本。
今の世では居るなこいつと共感できる「後戻り出来ない女」も秀逸。
これからのラインナップにも注目。
前節から流れるように展開される物語も良かった。
2016-TSTクラシックス
東京ストーリーテラー
シアターKASSAI(東京都)
2016/04/06 (水) ~ 2016/04/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
人間の心
温かいヒューマンストーリー健在。(リコリス)
父の過剰なまでの贖罪に対して、その解答である長男の過激な嫌悪。
根底で鬩ぎ合う母への愛と妻への愛をもう少しゆくりと丁寧に描いてほしかった。
姿なき母を想像し感情が同調する過程がもう少し感じていたかった。
贅沢をいえば、哀楽のふり幅がもっとあっても良かったのかもしれない。
しかしながら殺伐とした世情に楔打つ、優しい物語に納得。
師走の月に何想ふ
演劇ユニットZANNEN座
遊空間がざびぃ(東京都)
2016/12/16 (金) ~ 2016/12/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
心地よい演出に惹かれた。
濃厚な恋話をさり気なく軽いテンポで見せつけつつも、しっかり個々に足跡を残す。
変幻自在の3人の女性が思春期から母までを当たり前のように演じきる。
3色の背景となる俳優さんも、少々中性的なカラーで違和感なく溶け込み、女子の恋心を紡ぐ柱として良い存在感があった。
簡素なセットもあえてか想像力が膨らみ、
作者の世界観を自由に共有でいた気がするのが良かった。
逆に作者の心内と意思をがっつり感じられる様な、作りこまれた長編も観てみたい気がした。
出来れば、役者さんの顔と名前が一致するように、
誰が誰だか判るともう少し親切だったかな。
世界の果ては、パンツの果てだ。
Moratorium Pants(モラパン)
ムーブ町屋・ムーブホール(東京都)
2016/04/12 (火) ~ 2016/04/15 (金)公演終了
満足度★★★★★
カオスなパンツ 次も見たい。
【おもて】
素敵な歌と詩の世界。虚像と現実の境目を綱渡りの様に駆け抜ける関係性。
一生会う事も無く、交差点ですれ違っても判らない他人との共存関係。
花火がゆっくりと弾けるようにアレグロに、咲き乱れるアンダンテ、そして夜空一面に光の花が咲くヴィヴァーチェ。
一体この演出家の頭はどうなっているのだろう。
脳内の閃きをストレートに体現できる構成演出主演のマジック。
夢の世界を旅する超POPな時間だった。
佐山香織さんお疲れ様。
パール食堂のマリア
青☆組
吉祥寺シアター(東京都)
2016/11/01 (火) ~ 2016/11/07 (月)公演終了
満足度★★★★★
上質な日常
ほんのり懐かしさを感じる当たり前の日常。
人間一人一人にドラマがあると改めて教えられる物語。
広い劇場の空間をうまく生かした美術も秀逸。
淡々と描かれる物語に絡みつく人間臭い感情が琴線を刺激する。
深い味わいの物語でした。
自分的にはもう一歩、涙腺を刺激する展開も観たかった気がする。
ゴミ屑の様に可愛い我が儘の為に。
劇団milquetoast+
【閉館】SPACE 梟門(東京都)
2016/09/15 (木) ~ 2016/09/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
叙事詩編エピックを観劇
小難しい事は置いといて、楽しい舞台だった。
偏愛的な友情と愛情が感情的にぶちまけれられる様は、ある意味清々しい。
そして失礼ながらキャラクターに適役なキャスティングも素晴らしく、
その役者さんたちのエネルギッシュな振り切れぶりも楽しかった。
細かい部分や話の見えない部分は、
別バージョンを観る事で補完されるのであろうが、少々判りにくいところ。
しかしながら小劇場らしいボルテージの高い舞台でした。
Dressing/Dressing UP【本日いずれも当日券あります!13時U、16時U、19時D
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2016/12/08 (木) ~ 2016/12/19 (月)公演終了
満足度★★★★★
-Dressing-観ました
やっぱりfeblaboの企画プロデュース力はレベル高。
魅力あふれ役者陣がそろい、ギュッと詰まった面白さは秀逸。
8人の役者さんが全て女性で60分のミドルサイズにもかかわらず、
しっかりキャラだてされストーリーに絡みつくところは面白い。
魅力的な脚本と演出が活きた物語は、
5年後の 『Dressing UP』もぜひ観たくなる。
もっと超越した所へ。
月刊「根本宗子」
ザ・スズナリ(東京都)
2015/05/09 (土) ~ 2015/05/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
爽快だね
斜めから視点をそらしたりせずに一刀両断ストレートなお芝居でした。スピード感あふれるセリフ回しとテンポ感でありがちな一人上手的なところがなく、4組の男女の会話が絡みつき進む展開も判り易く心地よかった。そう、「心地よかった」。超満員の客席を見れば、様々な意見や感想も、好きも嫌いもあるけど、しっかりと構築された世界観ときっちり演じきる役者を揃えた心地よいエンタテインメントでした。