60'sエレジー
劇団チョコレートケーキ
サンモールスタジオ(東京都)
2017/05/03 (水) ~ 2017/05/21 (日)公演終了
満足度★★★★★
60年代の哀感を象徴するものとして、蚊帳職人を選んだことに敬服!劇中の台詞にもあったけれど、作者自身も蚊帳で寝たことなどないのでは?社研とか、60台の私にはノスタルジーを刺激されるものが満載でした。そういった外枠だけでなく、人を思いやる心が細部まで丁寧に表現されていて、素晴らしい舞台でした。2020東京オリンピック前の状況をアジテーション的に批判するのではなく、心にじわっと問いかけられた感じでした。
老婆心(文字通り)ながら、劇チョコのチケットはこんなに安くていいのだろうかと、観劇の度に思います。
アジアン・エイリアン
ワンツーワークス
赤坂RED/THEATER(東京都)
2017/06/22 (木) ~ 2017/07/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
冒頭、エッ?と叫びたくなるような導入で、ひき込まれた。演劇でしかできない表現と感じ入ってしまった。しかもそこにテーマが凝縮されていたのだった。
明日、戦場に行く
非戦を選ぶ演劇人の会
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2015/07/15 (水) ~ 2015/07/16 (木)公演終了
満足度★★★★★
1500円では安すぎる!
素晴らしい舞台だった。リーディング公演でこんなに感動したのは初めて。登場人物も一流の演劇人故、時には笑いながら、戦争法案・日米地位協定等について学ばせてもらった。トークも充実していたし、これで1500円では申し訳ないのでTシャツを買って帰った。
炎 アンサンディ
世田谷パブリックシアター
シアタートラム(東京都)
2017/03/04 (土) ~ 2017/03/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
圧倒された!時と場所が交錯する演劇ならではの作り、舞台美術もシンプルながらインパクトがあり、すごく良かった。役者も皆達者で、麻実れいは言わずもがなだが、栗田桃子の台詞がない場面での表情に引き込まれた。岡本健一はスナイパーのシーンがリチャード三世を髣髴とさせて面白かった。とにかく感動したので、ネットで戯曲を探したのだけれどまだ出版されていないのか、見つけることができなかった。残念。
誰も見たことのない場所2015
ワンツーワークス
赤坂RED/THEATER(東京都)
2015/03/13 (金) ~ 2015/03/19 (木)公演終了
満足度★★★★★
目をそらしてはいけない!
胸苦しさを覚えるほどの緊迫した舞台だった。それもそのはず、ほとんどの台詞が自殺未遂者、遺族、自殺を何とか食い止めようと活動する人々の生の声を構成したものだからだ。2時間余の中にはコミカルなシーンも挟まれるが、役者の皆さんは、ここに登場しなかった夥しい数の方々の思いも受け止めて演じていらしたのだろうと推察された。
怪人21面相
ウォーキング・スタッフ
シアター711(東京都)
2017/06/19 (月) ~ 2017/06/26 (月)公演終了
満足度★★★★★
ものすごくスリリングな舞台でした。よくもまあ、あんな台詞が書けるものかと劇作家に脱帽。演出・役者の演技も素晴らしかった。事前知識なしで観て、後で理解してなかった部分もあったことがわかったが、なんにせよ、引き込まれた。
東海道四谷怪談
新国立劇場
新国立劇場 中劇場(東京都)
2015/06/10 (水) ~ 2015/06/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
秋山お岩最高!
シンプルな舞台だけに、役者の演技が映える。中でもお岩が薬を飲むシーンがゾクゾクするほど良かった。内野聖陽の伊右衛門はなぜかさわやかっぽくて極悪人に見えなかった。
cocoon
マームとジプシー
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2015/06/27 (土) ~ 2015/07/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
凄かったにつきる!
マームとジプシーは2度目の観劇。最初はリフレインされる台詞の意味がわからなかったが、芝居が進むにつれて明らかになっていく手法に少しは慣れた。大道具や小道具、舞台装置の使い方がうまい。というか、それらと役者の絡み方が凄い。放り出された少女たちが逃げ惑うシーンでは、怪我人が出ないか、本気で心配した。
平時と戦時の対照もみごとだし、むごたらしいシーンも実にリアルに迫ってきた。これが、未来の姿でないことを心から祈る。若い人たちに是非観てもらいたい芝居だ。
BENT ベント
パルコ・プロデュース
世田谷パブリックシアター(東京都)
2016/07/09 (土) ~ 2016/07/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
壮絶!
久しぶりに「観てきた!」に投稿したくなったほどインパクトのある芝居だった。マックスのある意味での軽さと真摯に生きるホルストが対照的で、二人の関係に厚みを与えている。圧巻は二人のセックスシーン(観なきゃわからん)で、特に北村有起哉の表情が抜群だった。
しかし、「BENT」の説明が詳しすぎて、これ以上書けない…。
ザ・空気
ニ兎社
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2017/01/20 (金) ~ 2017/02/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
衝撃的な舞台。空気というより時代の様々な圧力に抗おうとしつつ敗北していく報道の現場を描く。救いがないのは現実がそうだから。永井愛の根性を観た。
ライン(国境)の向こう【ご来場ありがとうございました!次回は秋!!】
劇団チョコレートケーキ
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2015/12/17 (木) ~ 2015/12/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
今年の観劇納め
チョコレートケーキの舞台は前から観たいと思っていて、シリアスな芝居を想像していたが、時に笑いも取りながら重たいテーマを描く、非常に良い作品であった。何よりキャストが豪華!これで4800円(前売り券)だから得した気分だった。
バグダッドの兵士たち
ピープルシアター
シアターX(東京都)
2015/11/18 (水) ~ 2015/11/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
臨場感と緊張感と…
三方にまるで工事現場の足場のようなパイプ、中央に平たい壇というシンプルな舞台の後方に大きなスクリーン、そこで開演前から役者がハードなトレーニングを行っている…。もうそれを見ただけで並の芝居じゃないと思った。殺し殺されるという極限状況の中で、変調をきたしていく兵士の姿が見事に説得力を持って迫ってきた。
これが兵站にかりだされる自衛隊員の姿にならないことを切に願う。
カムアウト
燐光群
ザ・スズナリ(東京都)
2016/03/19 (土) ~ 2016/03/31 (木)公演終了
満足度★★★★★
集中した2時間45分
実は20ン年前も観ていた芝居である。テーマに魅かれて観劇し、当時としては非常に斬新な取り組みであったと思うが、細部に違和感を覚えていた。
今回はけっこう内容がストンと入ってきて、いろいろな場面で丁寧に書かれている芝居だなあと感じた。改稿されたのかとも思ったが、演出のせい?しかし、時代状況の問題もあるだろうが、レズとかホモとかノーマルとかいう言葉はやめてほしい。
天の敵
イキウメ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2017/05/16 (火) ~ 2017/06/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
前回の『太陽』がよかったので、『天の敵』はあまり内容を把握しないでチケットを購入したが、よかった。『太陽』同様、ちょっとSFっぽい話だったが、ひとつひとつのエピソードが丹念に作られていて、その積み重ねがリアリティを持ち、違和感なく観られた。
狂人なおもて往生をとぐ ~ 昔、僕達は愛した ~
東京芸術劇場
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2015/02/10 (火) ~ 2015/02/26 (木)公演終了
満足度★★★★★
みんな狂ってる
非常に緊張感を強いられる芝居だった。
出が狂人かと思って観ていると、みんな狂っている。しかもそれが異常な世界ではないことが怖い。
ちょっと知的で情けない父親を中嶋しゅうが好演。出と愛子のからみもそこここに伏線が敷かれていて秀逸。小道具の使い方も絶妙だった。
十二人の怒れる男たち
俳優座劇場
俳優座劇場(東京都)
2015/03/25 (水) ~ 2015/03/31 (火)公演終了
満足度★★★★★
さすがの役者陣
恥ずかしながら、三谷幸喜のパロディーは舞台も映画も観ているのに、本家本元を観ていないのに気付き、チケットを予約した。
いやー良かった!筋は知っていたが、引き込まれた。
というか、新劇侮れないと思った!年のせいか、最近セリフが聞き取りづらいことが時々あったが、今回は最後列にも拘らず、ほとんどのセリフを聞き取ることができた。やっぱり、発声は大事だ。
もちろん、芝居総体として見応えあったんだけど…。
8月の家族たち August:Osage County
Bunkamura/キューブ
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2016/05/07 (土) ~ 2016/05/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
バトル最高!
映画版の「8月の家族たち」を観ていたので、麻実れいと秋山菜津子のバトルに期待して劇場に足を運んだ。期待以上の壮絶なバトルで大満足。物語自体は救いようのない内容だが、大いに笑いもし、これぞブラックコメディと納得の3時間15分間だった。
悲しみよ、消えないでくれ
モダンスイマーズ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2015/01/23 (金) ~ 2015/02/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
情けないのが人間
モダンスイマーズの舞台初見参。
登場人物それぞれに多かれ少なかれ情けない部分がある。人間関係も然り。でも、人間ていうのはそんなモノだろうと思ってしまうから、憎めない。ドキドキ、ハラハラさせられたり、笑ったりと存分に楽しみました。
三人姉妹
シス・カンパニー
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2015/02/07 (土) ~ 2015/03/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
これだけのキャスティングで面白くないわけがない
三姉妹だけでなく、登場人物それぞれのドラマが表現されていて、素晴らしい舞台だった。宮沢りえはセリフが無い時でさえ圧巻の存在感!神野三鈴も役柄と声がマッチしていて良かった。
からゆきさん
劇団青年座
紀伊國屋ホール(東京都)
2015/11/14 (土) ~ 2015/11/23 (月)公演終了
満足度★★★★
女優陣に拍手!
「からゆきさん」に登場する娼館の女性は、一人一人が重い物語を負っている。それでいて、いやそれゆえにか、皆お互いを思いやる優しさに満ちているという人物像を女優陣が好演し、それが悲惨な状況の中での救いになっていた。
最近小劇場の芝居を観る機会が多く、それと比較して改めて役者の演技力の重要性を感じた舞台でもあった。立ち姿・表情にも惹きつけられたが、何より発声がいい。当たり前のことなのかもしれないが、紀伊国屋ホールの後ろから2番目という席で、台詞がちゃんと聞き取れるというのにはある意味感動してしまった。