ハウザーの観てきた!クチコミ一覧

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『痕跡≪あとあと≫』◆◇終演。ご来場ありがとうございました!!!◇◆

『痕跡≪あとあと≫』◆◇終演。ご来場ありがとうございました!!!◇◆

KAKUTA

シアタートラム(東京都)

2015/12/05 (土) ~ 2015/12/14 (月)公演終了

満足度★★★★★

鶴屋南北戯曲賞受賞に納得
青山円形劇場の初演を見逃し、観たかった今作品をやっと観れました。鶴屋南北戯曲賞受賞作にふさわしい深く心に残る舞台でした。ある事件と戸籍問題を軸に、それぞれが抱える悩みを描き出した舞台で観劇後に余韻が残りました。何が正解とかどうすれば良かったのかは分かりませんが、それぞれが精一杯生きているのは伝わりました。暗くなりがちな話ではありましたが、ユニークな人物の登場で笑いも生まれ、見易くもありました。
役者さんは上手い方が多く、その熱演もあいまってより作品に深みが生まれていたように感じました。

アフターイベントも面白く、次回公演も楽しみな劇団さんが増えました。

わが家の最終的解決

わが家の最終的解決

Aga-risk Entertainment

シアターKASSAI(東京都)

2016/05/04 (水) ~ 2016/05/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

今作も傑作
テーマ的にはとても重いのだけど、見事にブラックで暖かく、残酷で笑えるコメディでした!アガリスクさんの舞台はどれも大変好きなのですが、今作も期待以上でした。プロローグ、1~3話、エピローグと切替のメリハリもあり、登場人物のキャラ立ちが流石です。そして、役者さんが皆上手い!台詞が無い時の演技が皆一様に上手く、惹き込まれます。
コメディではあるのですが、途中途中の熱い台詞だったり、エピローグのまとめ方だったりが、作品を引き締め余韻を残します。
最後のオチも効いていて、また是非再演を期待したい舞台でした。

Strange Island

Strange Island

Nakatsuru Boulevard Tokyo

サンモールスタジオ(東京都)

2023/12/13 (水) ~ 2023/12/20 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

2時間半越えの大作でしたが、長さを感じさせない程、惹き込まれる舞台でした。人の欲望とそれぞれの正義が強烈に伝わり、感情を揺さぶられます。とある島の、とある町が舞台ですが、身近に感じてしまう所もあり、恐ろしくもなります。キャストさんの熱演も加わり、素晴らしい舞台でした。

イトイーランド

イトイーランド

FUKAIPRODUCE羽衣

吉祥寺シアター(東京都)

2016/04/14 (木) ~ 2016/04/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

一体感
今作品は妙ージカルの羽衣ワールド全快の作品で、賛否が分かれる作品だと感じた。頭で考えるよりも、その世界観を感じる舞台なのであろう。
だが、歌詞のワンフレーズや舞台のフッとした一場面に非常に心掴まれるところがあり、私個人としては好きです。
何より出演者の一体感が強く感じられ、ミュージカルに求められる歌の上手さとかではなく、魅せられました。

かべぎわのカレンダリオ

かべぎわのカレンダリオ

バンタムクラスステージ

シアターKASSAI(東京都)

2015/05/14 (木) ~ 2015/05/25 (月)公演終了

満足度★★★★★

上質の舞台
A→B 両公演観劇。(この順がお勧めですね。)
ハードボイルドな復讐劇のA公演、スピンオフ的なラブコメディのB公演と
どちらも面白く、世界観が備わっている上質の舞台でした。
以下、公演中なのでネタバレで。

ネタバレBOX

A公演 「マレーネの晩秋」 
引退したギャングのボスの息子が舞い戻り、父を手始めに復讐を始める。
現在のボス、殺し屋、ギャングの手下がそれぞれの思惑で、この硝煙漂う復讐劇に身を投じていく。
死んだボスが守りたかった古い映画館とそこで働く愛娘もこの騒動に巻き込まれていく話。 各人物が実に良くキャラ立ちしており、恰好良い。
明るい映画館関連と、薄暗いギャング側周辺も照明、音響含めコントラストに描かれより世界観を出していて楽しめました。
主人公のカレンダーの幼少期の話なども含め奥深い素晴らしい脚本でした。

役者さんは皆好演でしたが、やはり陰影あるカレンダー役の福地教光さん、凛としたマレーネ役の宮島小百合さん、ヒステリックなボス役の土屋兼久さん、復讐にひた走るバラキ役の牧島進一さん、そして深みのあるピストーネ役の上杉逸平さんが印象的でした。

イタリア、ギャング、裏切り、硝煙、映画館と言葉だけでも先日の観劇が思い出されます。何度も観てみたいと思う上質の舞台でした。


B公演 「ラウラの夏」
A公演後に観たのですが、時間軸としては丁度「マレーネの晩秋」の序盤から中盤辺り。ギャング色がだいぶ薄まり、基本映画館が舞台。
ラウラの元先生であるダドリーニ先生の現在の教え子達に映画を見せてやりたいという話がマレーネ達の映画館を巻き込み展開する。
そこに、A公演ではすぐに消えてしまった(笑)サルディニアの死神の異名を持つ殺し屋モルテも加わりダーティな面も少し残してある。
ラウラの恋愛を助けようとするマレーネやアルフレド等の気遣いが暖かい。

あ、このシーンはそうか、こういう前振りがあったのか等、スピンオフ的に楽しめるので、観ると先の「マレーネの晩秋」がより楽しめる作品。
A公演では見れなかった、マレーネやカレンダーの少しコミカルな面に代表されるそれぞれの違う一面を観られるのが楽しい。

楽しい舞台で役者さんも楽しんでおられるようでしたが、B公演では大活躍のモルテ役の渡辺慎一郎さん、分かりやすい性格のジーナ役の緒方ちかさんが印象的でした。
そして、当日ゲストの平野勲人さんはだいぶ笑いを運んできてくれました!

A,B公演どちらも面白く、またスピンオフ的なものやそれぞれの続きが観てみたい作品でした。
ルルドの森(平成28年版)

ルルドの森(平成28年版)

バンタムクラスステージ

シアターKASSAI(東京都)

2016/02/19 (金) ~ 2016/02/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

クライムサスペンスの傑作
バンタムさんの大阪時代の代表作という事であったが、深く暗い話ながら、大変見ごたえがある舞台でした。まだ数回しか観ていないバンタムさんですが、この世界観は癖になりつつあります。
以下、公演中なのでネタバレで。

ネタバレBOX

猟奇殺人が物語の主軸ですが、クライムサスペンス特有の謎解きも楽しめ、またその結末にも余韻(想像含めて)が残ります。
照明、場面転換と音響といつもながら素晴らしく、この舞台を彩っておりました。そして、この舞台の凄さは役者さん達の演技力によるものが大きいと思います。基本的に、殺人現場や死体などは全て想像で見せておりますので。
主演の福地教光さんは勿論の事、相棒である西川康太朗さん、ヒロイン役の清水みさとさん、情緒不安定な元女優役の田中良子さん、父親的な上司のガラかつとしさん、部下の緒方ちかさん、映像的?役割の藤堂瞬さんと宮島小百合さん等、名前を挙げればきりがない位、皆さん素晴らしい演技に魅了されました。
次回公演も、今から楽しみです。
ナイゲン(2016年版)

ナイゲン(2016年版)

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2016/08/11 (木) ~ 2016/08/22 (月)公演終了

満足度★★★★★

やはり名作
やはり「ナイゲン」は面白いと、再認識させてくれる舞台。
出演者それぞれの熱演で、熱量溢れる舞台に仕上がっていた。
ただ、1つ気になったのはあまりにオリジナル(アガリスクさん)に似せようとしていた点か。演出等は良いのだが、出演者の髪形や口調はそこまで真似しなくても良いのではとも思った。コピーしすぎの様な気も。
まあ、そこまで完成度が高い事の証明とも言えますが。
でも、やはりとても楽しく、熱い舞台でした!

うちの犬はサイコロを振るのをやめた

うちの犬はサイコロを振るのをやめた

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアターサンモール(東京都)

2016/07/23 (土) ~ 2016/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

やはり面白い!
初演も観ているが、変えている箇所もあり、笑いが更にパワーアップしていた。何でもありの世界観の舞台であるが、観劇後に残る余韻は単なるコメディでは無い。心温まるひどい話であるが、ラストシーンがとても好き。

また、毎度御馴染の開場パフォーマンスは必見。短編作品として完成度も高い(笑)

死ぬまでに一度でいいから、ロマンス・オン・ザ・ビーチ

死ぬまでに一度でいいから、ロマンス・オン・ザ・ビーチ

20歳の国

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2014/10/04 (土) ~ 2014/10/13 (月)公演終了

満足度★★★★★

2面性のある作品
興味をそそるタイトルだが、内容はHを前面に出してはいるものの兄弟愛、親子愛、友情を含めたシンプルだがなかなか深い人間ドラマ。
個人的にはとても好きな作品です。
公演中なので以下ネタバレで。

ネタバレBOX

オープニングは、主人公の学生時代で始まる青春物風の出だしであるが、すぐに成人した後の兄の弟への告白で物語が走り出す。
前半部分は、海を中心に主人公達のH目的の人間模様。これが下ネタではあるが実に爽やかな印象。これも役者さん達の技量か。
だが、海での事故で物語は急に変化する。この事故前後からは、登場人物達の悩みや隠してきた感情などが露わになっていき人間ドラマへと進む。
当たり前かもしれないが、誰もが悩みを抱えていて、切ない感じの舞台となった。本舞台では、生(性)と死に照準をあて、人生を考えさせられる。

登場人物は多いが、それぞれ個性的に演じられ、埋没しない。
特に主人公であるハルミ、テルオの兄弟、ケンジ、コトが印象に残った。
集団でのダンスやマイクでの歌唱シーンも見応えがあった。

少し残念だったのは、舞台が大きくそれをあまり生かし切れていないように思えた。奥行きがあるので、その差をもっと利用できたのでは。
また、亡くなった人が生きている人に話しかけるシーンはなかなか良いと思えたが(特にお母さん)、舞台左右は良いが、奥の上方部分はいかがかと思う。
それで、どうしても背を向けるようなシーンも多くなってしまった。奥の上方にその人がいるシーンでも役者さんはそれを観ているように観客側を向いて芝居をして欲しかった。ラストシーンでは特にそう思いました。

ですが、それを差し引いても大変楽しめました。
あたしのあしたの向こう側

あたしのあしたの向こう側

トツゲキ倶楽部

d-倉庫(東京都)

2015/11/18 (水) ~ 2015/11/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

選択肢
期待して観に行きましたが、やはり良かった。脚本、演出、役者陣とどれも高次元で、また相変わらずメッセージ性のある舞台で楽しめました。
以下、公演中なのでネタバレで。

ネタバレBOX

パラレルワールドから来てしまった同人物の9人を中心に周りの人を巻き込みながら起こす騒動をコメディタッチで描いた舞台。オープニングシーンが、後からつながるのは大変面白い。この9人が様々な選択から派生した同人物であるところがキーだが、それぞれの生き方には正解も不正解も無い。それぞれが、それぞれの世界で生きている。「あたしは、アタシに、負けない」とは実に良いフレーズだと改めて感じた。最後に、この世界のあたしが、前に一歩踏み出す所も前向きで良い。(記憶を消されるので、ひょっとしたら、また別の世界なのかもしれないが。)

役者さんは、お馴染みの方が多く、今回も魅せられました。特にシンクロする台詞も多いのですが、実に見事にシンクロしており、本舞台の完成度の高さを感じました。

基本的には、大変満足な作品だったのですが、個人的に少し気になったのは、あの法案のくだり。あの見せ方は分かりますが、少し一方的に感じてしまいました。他のifもあるのではとも感じましたので。



『穴の中 或は、■の中』ご来場ありがとうございました。

『穴の中 或は、■の中』ご来場ありがとうございました。

演劇ユニットG.com

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2014/08/13 (水) ~ 2014/08/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

個性的な登場人物
不思議な空間の話だが、主人公は至って普通。そのギャップが面白い。
また登場人物のキャラがしっかり出ており、安心して笑える感じ。
これも、役者さん達の演技力がとても高いからだと思った。
表情、長セリフ、セリフが無い時の立ち振る舞い等、実にどの役者さんも素晴らしい。
ストーリー的には、いくつか疑問は残ったが、人間知らなくても良い事があるという事か(笑)

ひとつ、残念なのは悪天候やお盆期間中とは言え、この公演で客席が埋まらない事。実にもったいない!

撃鉄の子守唄 2016年版

撃鉄の子守唄 2016年版

劇団ショウダウン

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2016/09/01 (木) ~ 2016/09/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

3時間の超大作
脚本、役者、音響、舞台美術どれもが優れた3時間の超大作の舞台でした。西部劇がベースですが、史実と空想を織り交ぜそこにファンタジーの要素を盛り込んだナツメ作品の真骨頂の舞台。いやあ、大変面白かったです。
ショウダウンさんですと、どうしても林遊眠さんに注目が集まりがちですが、今作は遊眠さんをはじめ多くのメインキャストが輝いており(前回観劇した「黒船」もそうでしたが)実に雄大な冒険譚を魅せてくれます。
多くの役者さんが名前の無い役を何役もやり、またそれぞれが細かい演技を見せることでメインキャストが輝く、素晴らしい舞台でした。座組の良さも窺えます。
最終日という事もあり、何人かの役者さんの声がつらそうでしたが、とても見応えのある舞台でした。

ニホンオオカミはいなかった

ニホンオオカミはいなかった

十七戦地

小劇場 楽園(東京都)

2015/11/11 (水) ~ 2015/11/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

人の怖さと弱さ
本家と分家、遺産相続、捏造詐欺と地方の旧名家が抱えた問題を本家の三姉妹を軸に描いた舞台。まず脚本が面白く、綱渡り的な詐欺で山を守ろうとする人々の言動がそれぞれの思惑も含めて秀逸。また、破滅への道を進んでしまうが、最後の晩餐ともいうべきシーンも心揺さぶられた。その後の、状況を描くそれぞれの旅立ちのシーンも哀愁が漂い、不明だったいくつかのピースもはまり、不謹慎かもしれないが応援したくなる。

この舞台をこれだけ見応えあるものにしているのは、役者陣の熱演であろう。どの役者さんも、役柄に浸透しており、些細なシーンでもそれぞれ多くの見所があった。それぞれの関係性の変化が、言葉だけでなく伝わってくるのは流石でした。

人の怖さと弱さを観れた、素晴らしい舞台でした。

七人の語らい(ワイフ・ゴーズ・オン)/笑の太字

七人の語らい(ワイフ・ゴーズ・オン)/笑の太字

Aga-risk Entertainment

サンモールスタジオ(東京都)

2016/08/31 (水) ~ 2016/09/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

やはり傑作で問題作(笑)
前触れ通りの傑作の問題作でした(笑)
各45分間の2作品でしたが、どちらもコメディとして突出している作品。
公演中なので、以下ネタバレで。

ネタバレBOX

七人の語らい(ワイフ・ゴーズ・オン)~シュチエーションコメディの枠を文字通り超えた作品。演技を止めて、修正していくプロセスや理由が楽しい。何気に各人の演技論も入っていて、アガリスク作品を何度か観ている人はより楽しめる。
黄金のコメディフェスティバル2015年グランプリに納得の作品でした。

笑の太字~あの名作を軸に繰り広げられる二人芝居。Cチームを観劇したが、この組み合わせは最高かと思える程の熱演。(他チームも観てみたいが予定つかず・・・。)
問題作なので観れるうちに観た方が良い(笑)


両作品とも脚本が素晴らしく、それに加えて実力派の役者陣が揃っているので、とてもレベルが高い。何度も観たくなる作品。


いつかエンドロールで(再演)【終演しました、ご来場ありがとうございました!】

いつかエンドロールで(再演)【終演しました、ご来場ありがとうございました!】

20歳の国

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2016/06/15 (水) ~ 2016/06/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

名盤公演の名に恥じない名作
名盤公演と銘打った再演だが、その名に恥じない名作だと感じました。
俗にいう青春群像劇ですが、登場人物の5人が身近にいそうな感じで親近感を覚えますし、またその心の揺れが切なくも共感する面が多々ありました。
公演中なので、以下ネタバレで。

ネタバレBOX

仲の良い幼馴染5人の、高校3年から大学、社会人なりたて位までの成長物語。どの人物もスーパーマン、スーパーヒロインではなく、当たり前ではあるがそれぞれ異なる苦悩がある人達である。
色々とこれはどうかと思う点はあるが、基本的には幸せになって欲しいと思える人達で、その為か終盤の結婚式のスピーチにはやられました。
観劇中にも関わらず、拍手を送りたくなりました。
この5人の関係性が出来る限り長く続いて欲しいと願わずにはいられないです。

実に見事な脚本の作品であり、言葉の選択も大変楽しいです。
5人の役者さんはそれぞれ見事に演じられていましたが、本劇団の作品を何度か観ている為か少し役作りが似ている気も致しました。
まあ、似たような役が多いせいでもありますが(笑)

次回作品も楽しみな劇団さんです。


※今回、予約時に私の不手際がありましたが、制作の方にとても好意的にご配慮頂きました。この場を借りて御礼を申し上げます。
このような制作さんがいる劇団は、応援したくなると改めて思いました。
Rabies2021

Rabies2021

メガバックスコレクション

キーノートシアター(東京都)

2015/05/01 (金) ~ 2015/05/06 (水)公演終了

満足度★★★★★

緊迫感
βチーム観劇。流石、メガバックスという約120分間の緊迫感あふれる重厚な舞台でした。観劇後に心地よい疲れがあった程です(笑)
以下、公演中なのでネタバレで。

ネタバレBOX

砂漠の真ん中にある軍事施設で発生した新種のウイルスとの戦いの舞台です。オープニングのウイルス発生、そして主人公である大学教授の登場シーンでの語り口等から序盤で期待感が膨らみました。
主人公の元妻である主任研究者、感染してしまった研究者でもある娘、現在の夫でもある施設の責任者、研究助手、そして人体実験用に連れてこられた死刑判決を受けた4人の囚人とそれぞれなかなか個性的でした。
常識とは真逆の考え方を持てる主人公が、自らをウイルスに感染させ対抗策を考えます。時間との戦いでもあり、周囲の人々の様々な思惑もあり、緊迫したシーンが続いていきます。いわゆる父が娘を助けるヒーローものですが、このヒーローの弱さや他の人々の内面なども徐々に出てきて、とても見応えのある舞台でした。最後の手紙シーン中に、うれしくて早く着き過ぎてしまう記述がありましたが、オープニングでの描写と重なり大変好きな個所でした。

作・演出の滝一也さん、役者としてのキリマンジェロ伊藤さんの多才さを改めて感じた作品でした。
ミルク役の山上広志さんも印象的でした。



妻らない極道たち

妻らない極道たち

ホチキス

吉祥寺シアター(東京都)

2014/06/05 (木) ~ 2014/06/10 (火)公演終了

満足度★★★★★

役者さんが素晴らしい!
設定の面白さに魅かれ、観に行きました。
結果は大満足です!
笑い、歌、ダンス、そして真実をついたストレートなセリフ、実にすばらしかったです。
何よりも、どの役者さんも素晴らしく、完成度が実に高いと思いました!
次回も是非観にいきたい劇団です。

スズナリで、中野の処女がイクッ

スズナリで、中野の処女がイクッ

月刊「根本宗子」

ザ・スズナリ(東京都)

2014/05/23 (金) ~ 2014/05/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

噂以上
知人より噂を聞いていた「月刊 根本宗子」を初鑑賞。
面白い!噂以上に面白い!
軽快なテンポ、日常的にあるセリフに共感し、惹きこまれる。

ネタバレBOX

初め、軽快なやりとりを楽しんでいたが、後半から人間関係の歪みが顔を出し、人間の内面を見せつけられる。
最後の捻りも面白く、その後も気になる結末。
欲を言えば、もっと各自のその後の展開を予感させる風であればとも思う。

次回公演も実に楽しみです!
なかなか失われない30年

なかなか失われない30年

Aga-risk Entertainment

新宿シアタートップス(東京都)

2024/04/27 (土) ~ 2024/05/06 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

流石アガリスクさんというワンシチュエーションコメディ。10年ごとの各時代が交差する設定で、各時代の設定も奇抜ではあるが、得意の理屈?屁理屈?を並べて一気に魅せてくれ、その会話等がたまらなく面白い。

ネタバレBOX

時代を超えているので、未来の情報量にも差異があり、この30年で色々あったなと思い出されるのも楽しい。各人のその後も知りたいような知りたくないような気持ちですが、皆それぞれたくましく生きているんだろうなと思う人達でした。
硝子の途

硝子の途

劇団ヨロタミ

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2015/09/25 (金) ~ 2015/09/28 (月)公演終了

満足度★★★★★

長く続く途(みち)
初観劇の劇団さんでしたが、非常に良い舞台でした。重く難しいテーマを描いた作品で、観ていても苦しくなりますが、救われるラストであり、また劇中の歌や笑いの要素が、それを上手く緩和させていたように思いました。
公演中なのでは、以下ネタバレで。

ネタバレBOX

罪を犯してしまった加害者とその周辺の人々そして被害者遺族のその後を描いた作品で、やはり重く難しいテーマです。俗に世間では忘れ去られてしまう多くの事件も、当事者達にはずっと続く事件なのですから。以前事件後の加害者と被害者遺族のその後を綴った本を読みましたが、改めて思い出されました。
イジメやオレオレ詐欺等、悪い意味で日常化してしまった問題も提起されており、非常に見応えがありました。
ラストも救われる終わり方でしたが、欲を言えば、卓弥君の笑顔をもう一度観て観たかったです。

役者さんはベテランの方が多く、流石の安定の演技でした。
劇中歌も個人的にはあって、良かったと思います。

カレンダーや喫茶店のメニュー表で、年月を進めるのも分かり易くて良いなと思いました。(メニュー表は、その時々の店の雰囲気があり、楽しめました。)


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