monzansiの観てきた!クチコミ一覧

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♭1~役者への道~

♭1~役者への道~

ThreeQuarter

JOY JOY THEATRE(東京都)

2019/03/10 (日) ~ 2019/03/10 (日)公演終了

満足度★★★






初々しいが侮れない。

ワークショップといえどモノになってる、そこは脚本=つかこうへい の強さだろう。

観た回では劇団員が2人出演していた。


ワークショップ生に言いたいのは時代考証的に髪は染めろよ、ってことだ。まぁ、校則問題に かけてるんだけどね(笑)
あと、題材的には もっと声に張りあったら良かったかな。

紡ぐ。

紡ぐ。

劇団ヨロタミ

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2019/02/14 (木) ~ 2019/02/18 (月)公演終了









居酒屋ではないぜ。

聞いた話によると、劇団名に冠する
『ヨロタミ』は 「よろしくお頼み申し上げます」の略でさ。ほろ酔い状態どころか、床に手をつくような礼儀をモットーにしてるのよ。


まぁ、池袋のシアターグリーンboxin boxシアターからの都落ちってわけじゃないけど、これを自虐にしちまうのには笑ったね。パイプ椅子だって、観るもんが上等なら VIP席って 俺は常々言ってるんだけどね。



久しぶりだったけど、新境地を拓いたようにお見受けしたぜ。サスペンスではなく、純然たる喜劇でさ。しかも旗揚げでやるような奮闘劇だったことから察するに、転機じゃん。




北海道の駅舎からはじまってね。メッセージボードに「花の都 大東京」を記す劇作家志望の青年と、その父親とのコミカルな問答よ。けど、さながらセットは特注で、取り残されたコミュニティを表していたと思うよ。

だってさ、極論すればなしでも通用するわけじゃん?


そういうところが礼儀なんだよ。

少年少女にも ちっとは見習ってほしいぜ。




それからさ、「こりっち」に書かれるを気にしていたから、言わしてもらうよ(笑)


最期の作戦行動

最期の作戦行動

有機事務所 / 劇団有機座

阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)

2019/02/15 (金) ~ 2019/02/17 (日)公演終了






あのさ、辛口はカレーライスだけでいいだろ。

まぁ、要求されたんじゃ、仕方ないよな。大量のスパイスふりかけてやるよ。


第一に、レコードから流れる体の曲を効果的に使え、っていいたいぜ。
ずっと流すんじゃなく、物語にあわせて ここぞいうときにね。誰がどう考えても場面転換における導入部には要らないじゃん。



それから、総じてセリフ量は多いよな。カレー風味でいえば濃いんだけど、「マスター」の立ち位置が微妙でね、意義っていうかな、一貫性に欠けるぜ。


まぁ、衣装は見事だったよな。女性陣の化粧の仕方なんぞ、昭和が こんにちは したんじゃないかと錯覚したぜ。


もっと甘口コメント読みたかったら いつでも書くぜ。


ネタバレBOX




あえて核心部分には触れないけど、責任有するのは演出に決まってるじゃん。

役者も申し訳ないし、客も忍びないだろ。


文字通りのカンニングペーパー用意したっていいしさ、近くに役者つけて囁くでもいい、朗読もいい、そこは対処して善ずるべきよ。


俺、舞台は四桁観てるけど、前代未聞だったな。


けど、小劇場って素晴らしいぜ。


あのキャパシティと あの人数だから 芝居として破綻しなかったのさ。


平和じゃん。




朗読劇『罠 Piège pour un homme seul』

朗読劇『罠 Piège pour un homme seul』

演劇企画CRANQ

ザ・ポケット(東京都)

2019/02/06 (水) ~ 2019/02/11 (月)公演終了

満足度★★★★





パンフレット読み返したら演者で多いのが声優よ。うなづけるぜ。


大どんでん返しで、これ、脚本知らずに的中させた御仁は 100万円貰ったって いいんじゃないの?


老役が また渋くてさ、またまたパンフレット読んだら全タイムスケジュールに出ずっぱりよ、これが。


『十年希望』

『十年希望』

きくち万ゴールディング

ワーサルシアター(東京都)

2019/02/06 (水) ~ 2019/02/11 (月)公演終了

満足度★★★★


フレッシュマンによる爽やかな青春追悼劇だったぜ。

前説は気に入らなかったけどよ。

だってさ、カーテンコールの拍手のリハーサルするなんて、前代未聞じゃん。

お笑いライブじゃないんだからさ。
余韻に浸りたい客だっているだろうよ、おい。

まお、それを任された俳優も気の毒といえば気の毒とは思うよ。




そうダメ出ししつつさ、これだけのキャストを よく集めたよね。
はっかり言おう。大したもんさ。

サッカーやってたようなイケメン俳優ばっかしだけど、種類の異なる面々もみうけられ、その面々がミソになるんだよな。



ビデオカメラ回して撮影する体でというのは「年次の比較」の仕掛けよ。ということは1年目は起点よ。徐々に変貌を遂げるんじゃなく、そことの比べものだったのさ。職業の自己紹介が長ったらしかったのにはワケがある。

まぁ、身振り手振りで「若さ」を演出したかったんだろうけど ちとオーバーだったかもね。



あったかい気持ちに させるのは事実よ。身内感がいい。良かった。うん。そうさ。大切な誰かに勧めたくなる舞台だよな。

ネタバレBOX


社長もさ、会社のオーナーみたいなもんだから部下に威張ってるわけで、数年ぶりに同窓会に来たら性格丸ごと変わるわけでは ないじゃん。部下には厳しく、周りには いそいそ する、片鱗を見せるっていう関係性の方向が欲しかったぜ。



ちなみに矯正施設の職員、制服が間違ってたな。
PARTY PEOPLE

PARTY PEOPLE

艶∞ポリス

駅前劇場(東京都)

2019/01/31 (木) ~ 2019/02/11 (月)公演終了

満足度★★★★







べらぼうに蓄えてるのが「金持ち」ってやつさ。シンクタンクのリポートによれば億万長者8人の資産は世界人口の半分のそれに匹敵するっていうじゃん。

おいおい。これを分捕ったら地球上から貧困は なくなりはしないけど所得倍増、家計倍増だぞ。

ただ、ネックもあってね。

彼らが保有するのは株式だから、現金化するため売ろうにも株価は下がるし、多額の税金かかるだろ?てなわけで滅多には手放せない資産なのさ。



前置き過ぎたけど、本作は日本版のそんなリッチな世界を見せてくれるよね。
何が魅力って登場するキャラクターが分離されてわかり易いところだと思うよ。「いかにも」でね。コントチックだけど さ、そのやりとりだけで存分に楽しめるつくりになってるのよ。



残念なのはね、シチュエーション・コメディの要締なんだろうけど、「止める」ことだよ。せっかく恋愛模様やら経済やら海外文化で それぞれの展開が煮詰まってるのに、あれはないぜ。







島田のかなまら祭りDX

島田のかなまら祭りDX

宇宙論☆講座

スタジオ空洞(東京都)

2018/12/28 (金) ~ 2018/12/30 (日)公演終了







これは下ネタなのかなぁ。

下ネタではない気がするんだよなぁ。

「音楽劇」というシェルターくぐったからそう感じるだけかもしれないけど、やっぱり演劇に下ネタはないのが俺の持論でさ。

誰かの影響下に置かれてるわけよ。


そうしたら その「台詞」だって、誰かの脚本、誰かの演出、誰かの共演者の接合点として育まれるんだよ、一人称だってさ。主体性の転嫁は避けられない。



俺はね、もっと50倍はちゃめちゃやってほしかったというのが感想だね。年の瀬の池袋なんてノーガードなんだからさ。よりによって宅地の地下だろ(笑)


まっ、島田君が例の祭りに参加するっつう話ではないんだよなぁ。ちなみに外国人が8割でアットホームな雰囲気ないからね、脚本変えときなさい(笑)まぁ、要するにメタっていうコンセプトは割とよく出ていて、脳内を可視化したメタ劇なんだと思ってる。うん。だってさ、途中で もういいですよってくらい止めたじゃん。あれって ナチュラルに芝居掛かってたけど その作業なんだよね。


で、またさ、島田君を務めた俳優がえらい中性的なんだよね、これがさ。それと、周りは ちらほらオッサンが混じっててさ、その構成がシュールだなって(笑)




一番の笑いどころが あの乱○シーンの客の連写だったっつうのは どうなのよ。そいつをメインキャストにしろよ、おい(笑)



いっとくよ。多摩美のDNAを感じちゃうだよなぁ。もしかしたら 関係ないのかもしんないんだけど、なんかね、完結してるんだよな。よくさ、平田オリザがふかしてるような、社会とか、観客とか、そういう媒体と演劇の関係性を考えましょいみたいなムーブメントが巻き起こってるけど、そうじゃなくて、内なるズレを肯定して ようやく評価されない地位を手にするみたいな。俺 今回、彼らがやってるのは多摩美的だと断じたいね。



あっ、教えてやろうか、ク○○のくだりは下ネタ芸人も やってるんだぜ(笑)








会津藩家老  西郷頼母

会津藩家老 西郷頼母

劇団め組

「劇」小劇場(東京都)

2018/10/24 (水) ~ 2018/10/28 (日)公演終了

満足度★★★★★







いやぁ。


「絶対の善」と「善」の対立って、やっぱり、勧善懲悪のドラマではみれないよな。


戊辰から150年というけれど、砂上なんだよ。家老の一言で歴史は変わる。いや、大胆にも変わったと思うんだよ、結果論からいえば。



台詞にも重心こもってるよね。
別に、現代口調ではあるんだけど、殿様は殿様で「脈々と継できた家訓」の化身というわけで。そして、家老は家老で「民の暮らし」を慮ってる。


やっぱり、フィードバックなんだよな。有り体にいえばリアリズムってこと。大河ドラマみたく億円注ぎ込んだわけじゃないけど、そういうフィードバックによって同時代性つうのは機能するんだ。









Naked Girls - 裸の女達

Naked Girls - 裸の女達

劇団ノーティーボーイズ

ブディストホール(東京都)

2018/10/02 (火) ~ 2018/10/07 (日)公演終了







あぁ、いけし昭和ロマンのストリップ。

閉店となった小屋。艶かしい脚のごとく、往年の日々。

シンクロさせながらを展開する。


Breath~神様にピース~

Breath~神様にピース~

touch my brassiere? company

上野ストアハウス(東京都)

2018/09/27 (木) ~ 2018/09/30 (日)公演終了








残念だったのは、スタートラインだ。
どうしてか。

孤児院の閉ざされた上下関係だったり、理不尽さが伝わってこなかった。

誰の目にも、孤児院の環境は恵まれているように映ったことだろう。


それどころか、理不尽なのは、月にいちど慈善家から「服」を貰っている子どもたちだった。思春期的背景が描かれておらず、贈答する側である紳士を「悪者」に収斂しているのはしっくりこない。

記号化するべきだったのだ。

「孤児院」という固定概念に頼ればよかったのだ。


しかしながら、大都会に生きる若者の群像劇として再度眺めるとおもしろい。溜まり場とバーの、地下の、過去と決別したり延長線上だったりする入り口。そこに、「孤児院」とは異なる寒空の生傷を感じる。

ここは かすかに あたたかい。






『漫画の祖、ふたりー楽天と一平ー』

『漫画の祖、ふたりー楽天と一平ー』

オフィスワンダーランド・(一社)演劇集団ワンダーランド

紀伊國屋ホール(東京都)

2018/09/21 (金) ~ 2018/09/24 (月)公演終了

満足度★★★★









なるほど。『人は見た目が9割』(新潮新書)の著者が贈る、喜劇色の濃い人物記である。

新派の舞台様式・台詞回しを引き継ぐ定常のそれは、老いも若きも、ゆったり煩わずに観ていられる。題材にした「楽天と一平」は、大漫画家由来の権威とか、往生とかを素顔ではほお被っていたと思うが、しかしかわいらしく、万人うけもするように描かれている。お座敷のどんちゃん騒ぎは楽しめる。あるいはまた、「忖度」を物言わぬマジックワードとし、100年後の今日を風刺するあたりが いい。











寒花

寒花

ハツビロコウ

シアターシャイン(東京都)

2018/09/11 (火) ~ 2018/09/17 (月)公演終了

満足度★★★★









湖に滴るように、声の浮かぶ静寂。

いや、だからこそ動的・音的な暴力が場に似つかわしくない衝撃となる。

日韓併合の20世紀、無名の植民人は、その粗筋となった元勲を「下す」青年の残像をけだし眺めるばかりだったのか。ここは牢獄。三角模様に、「内地の出先機関」と「国の意思」がいきおい歴史性を帯びながら、断片化して、しかし時系列に語られていく。

思ったのは、テーブルを囲って酒盛りする様子は村社会だ。なぜなら、温度は変わらずとも、それは小社会の湯気を表しており、そういう対比する理屈で外気における虚無を成り立たさせてしまうからである。つまり、倫理観とか、政治とか、極めて高潔な態度を、説明しきれない厳然たる自然が覆い隠す。未知の存在への畏怖。この役を負ったのは所長だろう。媚びる。だが、反発もする。そこには郷土の置かれた経緯といったものもかかわっている。

このような構図において、唯一の部外者は赴任してきた通訳だ。そして通訳が媒介となり、青年を過大評価するに至る。二重性を目の当たりにしてきた、または、する観客において、この2人の対話は透きとおっている。


ネタバレBOX


精神世界に結論を求めたのは死刑の残虐性を否定することになりかねない。むしろ、不条理でいいからファジーにすべきだったと思う。ノンフィクションではあるが、史実が薄れた。
白雪姫という女

白雪姫という女

ライオン・パーマ

駅前劇場(東京都)

2018/08/23 (木) ~ 2018/08/26 (日)公演終了

満足度★★★★★








御伽噺には〈現実とは懸け離れた架空の話〉とする意味があるという。たしかにお椀に乗った小人は そう流れてこない。だがそれも、幼児向けであるため分量の都合でカットしたに過ぎず、絵本に書かなかった物語には、〈現実〉(オルタナティブ)がそびえているはずだ。ライオンパーマが得手するのはこういうことである。




〈白く雪のような肌〉の白雪姫は善意だ。それに対し、加齢とともに老いていく妃はジェラシーの象徴として、今日捉えらているが、美女と名付けられる人間において、その絶世はたやすく移ろいやすい。まるでベルトコンベアーだ。常に次が待機するからであり、古今東西普遍的だといえる。30・40代になった白雪姫はソバカスをケアしているのか。爆笑する綾小路きみまろのカセットテープを家でこっそり聴いたりしているのだろうか…。





ライオンパーマの舞台は笑えるシーンも多かったが、儚さと共存していたように思える。シチュエーション芸を活かしつつ、根底には人間を狂わせるジェラシーが横たわっているからであろう。

誰が主役かと問われれば難問だ。なぜならラストのラストになって決するから。

シーンごとの全体像が もっと まとまっていたら良かったか!?

でも、はじめて観る方から劇通さんまでお勧めできます。丹羽さんの役柄、出身劇団がコミカルだっただけに適ってましたね。












【上演延期】【振替イベント詳細決定しました】月がとっても睨むから

【上演延期】【振替イベント詳細決定しました】月がとっても睨むから

Mrs.fictions

駅前劇場(東京都)

2018/08/17 (金) ~ 2018/08/20 (月)公演終了

満足度★★★★



あくなき追求心とは このことを呼ぶのだろう。商業利害のための規範とは一線を画す、反大人の事情主義は いまや彼らを指すのである。

はっきりいってハコ代かかるよ。それもさ、ふつのう公演より乗せられているはず。それはこの劇場で公演を打てる歓待税のようなものか。


テキトーにホン書き上げて観客の前に披露するってのもあったろうに。


だがしかし、暴風雨を顧みず、休止せず、振替上演のスタイルで生き様を晒すのはさ、見事でしかない。


日数が ぜんぜん しょぼくれており、短編集のうち いくつかはリーディング形式となっている。

一話目の怪獣ドラマは知的でカタルシスをも感じさせる。やってみた!を倍数で足していって、実数値では 驚くべきことに なってるのに、妙なリアリティでエコノミックヒューマンドラマとして観れる この感じ。

全話 どことない内省的情景美が、主宰の心境を映しているようであった。
コミカルな会話劇に意味をもたらしている。

パイレーツ・オブ・トレビアン2

パイレーツ・オブ・トレビアン2

ノーコンタクツ

萬劇場(東京都)

2018/08/16 (木) ~ 2018/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★


ゲストの二丁拳銃・小堀が、がっつり絡んでいた。彼だけユニクロの私服?だ。

世間で御託並べられる権利度外視の小劇場は素晴らしい。例のコンピュータグラフィックを多用した海洋映画の二番煎じでもないが、モノをいうのは、イマジネーションなのだと思った。ようするに 巨大船やら海原やらは観客の頭の中に浮かぶ仕掛けというやつである。

ひっきりなしに、相関図入り乱れての その他A.B.Cがピチョピチョあがってくる。


そうか、これはスペクタクルという名の落語なんだ。

小ネタがおもしろいのも頷ける。



雨上がりには好きだといって

雨上がりには好きだといって

虹の素

ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)

2018/08/10 (金) ~ 2018/08/12 (日)公演終了

満足度★★★★


いつも感じるのは大学劇団との間にはだかる断絶だ。

高校演劇というのは10代後半が おおよそ占めると思うが、同年代だってプロダクションに 所属して舞台に立つ人もいる。その意味では過ぎた「蒼さ」を 高校演劇に反映するのは間違いである。これは持論だ。


だから、中学生や高校生、大学生が個人で集結し、劇団をプラットフォーマー=媒介役とし成り立たせる本作は意義のあることだと思っている。ようするに、高校演劇という見本を学び実践するのでなく、高校生が学び実践する、という過程だ。

その上で観たのだが、細かい話はやめる。

役者でいえば山田が印象的だった。彼はショートストリーズで作も担っているが、理路整然とした話ぶりは むしろ高校生じみていない。大人そのものといった感だ。別の機会に譲るが、サイコパスの役などを非常によく演じてくれそうだ。


『アインブラットの本』は時系列で観なければならない、少々厄介な作品だ。そのために大人の俳優が曜日をたしなめたボードを用意する必要がある。しかし、それこそが「肝」だ。物語の展開を読み解く最上の装置となる。

ネタバレしない程度に言及しよう。高校生たちの恋愛事情だ。役柄は容姿からいってもリアリティを重視しており、たとえばサッカー部員なら実際にヘディングシュートを決めてくれそうである。

こうした設定の場合、高校演劇だと対象者が同学年となるから おおっぴらげにしがちだが、リアリティを追求していくのが本作だ。それが恋愛にして どこか心の温まる時系列となる。





虚空遊戯〜イナニティ・ゲーム〜

虚空遊戯〜イナニティ・ゲーム〜

ZERO Frontier

萬劇場(東京都)

2018/08/01 (水) ~ 2018/08/05 (日)公演終了



こういう舞台、というかステージの場合、「人形役」はいたって非凡人的な姉ちゃんである。その点、自然を感じさせた。


2点において素晴らしかった。

1点目は肉弾アクションである。これは あまりに迫力が半端なかったので、服の中に板が挟まっているのかと訝しがったほどだ。時間軸がズレたらケガしますよ。

2点目は立場によって ここまで物語は変わるのか、ということだ。観客は当然、日本側としてゲームに没入するのだが…なんだか社会学である。


でも、それこそゲームやノベル系漫画の影響を感じずにはいられなかった。下手な世界観を参考にするより、舞台的空気をつくっていくべきではないか?


プロポーズ難民

プロポーズ難民

ピヨピヨレボリューション

吉祥寺シアター(東京都)

2018/07/13 (金) ~ 2018/07/22 (日)公演終了

満足度★★★★


華やかなステージで、それは もう踊るし、歌う。

演劇の間にミュージカルしてるのか、ミュージカルの間に演劇してるのか。


婚活サイトに登録した女性たちが争奪を繰り広げるのだが、「本心」が独白から関係性に変わってゆく様は意外にリアリティ。

めちゃめちゃ アク揃い。

それを ひとまとめに調理できたことにブーケを贈りたい。

蛸入道 忘却ノ儀

蛸入道 忘却ノ儀

庭劇団ペニノ

森下スタジオ(東京都)

2018/06/28 (木) ~ 2018/07/01 (日)公演終了

満足度★★★★★






当日券キャンセル待ち。
まてよ、平日マチネの住宅地でこの現象。

供給過剰の世にあり、フレームは「モノ」から「コト」へ変化しているという。

このことを「コト消費」とも呼ぶ。

だとすれば その最新だろう。



スタジオに入って驚かされるのは巨大に「建設」された お堂に ふといることである。その額、100万円では済まないと思う。


ここに入った人々は いわば「参加者」として儀式をともに執り行うことになる。


新なる世界の構築といったら言い過ぎか。海中生物で、私たちが目にする機会において たいていは小麦粉の内にある「蛸」を祀り、その解釈からサイコロジーを試みよう、とする「コト」の共有化だ。


厳密には「演劇」というジャンルに区分することはできまい。これはネタバレではないと思うが、逆賊がおり架空の組織が瓦解していく、といったトンチの効いた話でもないからだ。予め立てられた予定調どおり、儀式を執り行う。


劇団からは赤い衣服を提供するようにいわれていたので、受付で渡した。冬の厚手の上着である。やがて、幾人の申し出を何重にも被った役者陣だったが、冬用のワインレッドはダントツに光っていた。

暑かったろう、女優さん…。


跋扈するセゾン文化財団、アサヒ文化財団といった振興基金が特別扱いするだけ、やることが のっぴきならない。しかも、スケールではなく、切り口がなのだ。

「自然」と「密室」のアンソロジーも絶妙である。

ネタバレBOX


場的エクスタシーの導入部分においては議論が乱れるはずだ。彼らの脚本を示している公開された「ハンドブック」によれば、章節ごとの時間は短くなっていく。ということは、エナジーにおいても、金太郎飴のごとく均等にするのでなく、儀式ごとに「昇華」する曲線を描くわけである。そのとき、予定調を「こなす」という演劇的に可視化されたフレームは 大きな反発を招いたと思う。ようするに、「演劇」を放棄したからこそ、ドラマ性とともに、 予定調をも「こわす」必要があったのだ。それは物理構造について述べている。ガイドブックやらモニターやらはいらなかった、というわけだ。


エデンの園

エデンの園

Performing Arts Theater Company GEKI-kisyuryuri

KISYURYURI THEATER(東京都)

2018/06/04 (月) ~ 2018/06/10 (日)公演終了

満足度★★★★




この国には「縁側」なる文化がある。
物理的に述べよう。「内」と「外」との「中間」だ。「内」のままに生活しつつ、同時に、草木や野鳥類など、「外」を取り入れる機能を有している。


劇場が そうだった。


モクモクとエナジーの充満する演劇的「内」において、たえまなく路上を行き交う「外」の音、それは、自動車の排ガスである。


劇場近くで 赤ちゃんをあやしていたのは もんぺ姿の外国人だったナ。あぁ、偉大にしてみずぼらしき姿。そして、集合団地では、毎日毎日ガキを叱りつける母親の怒声が響いている、「ハイツ」という近代的な名を戴いて。



前座に費やした本篇10分は その延長線に映ったのである。「縁側」で、男のおぶっているのは生気のかげりつつある白装束の女性。あんな「外」だったから怪談にしか映らない。

恋人か、それとも、師匠と弟子の関係なのか。

決定づけられた物語を 2人で辿るように、心が通じ合う。

端々に昭和の公務員臭。強烈だろう過去/心情と反比例する かすかな動きに、みいってしまう。


いやぁ、音響とかワンオペで切り盛りする劇団員も たいへんですネ。

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