パイドパイパー と、千年のセピラ 公演情報 パイドパイパー と、千年のセピラ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
21-40件 / 44件中
  • 満足度★★★★

    『千年のセピラ』
    レベルとしては公開ゲネのレベル。
    お金を取って見せるにはあと4回以上本番を重ねて練られてから。
    物語はとてもいいのだが、その作品世界に入り込むのに時間が掛かってしまった。
    それでも満足度が高いのは、こうした試みに対する賞賛と空間を共有できた喜びから。
    お祭り的な高揚感と晴れ晴れとした気分を味わえた舞台でした。今後も応援したい。


  • 満足度★★★★

    千年のセピラ
    まさしく「パイドパイパー」エピソード:0であり歴史は繰り返すであり「荒野の7人」を先に観てから「七人の侍」を観る感覚のようでもあり、「あのキーワード」にはキターーーっ!だった。
    林遊眠嬢の基本アルト系の声と歯切れの良い台詞回しはとても心地好く、麻薬性があるんじゃなかろうか?
    次の公演が待ち遠しくなるくらいならまだしも、東京公演がしばらくない時に大阪まで行くようになったらコトだな。(爆)

  • 満足度★★★★

    かっこよかった
    長さも気にならないくらいで楽しかったです。

    出来れば「千年のセピラ」も観たかった…

  • 満足度★★★★

    更によくなろう
     ハッピー圏外とのコラボ企画であるが何分13世紀ハーメルンで起こった子供失踪事件が史実とあって様々な説が飛び交い、解釈も多様な為、何が真実で一体何が問題であったのか? についても様々な想像が可能である。

    ネタバレBOX

    面白いのは、この事件が起きたのが所謂キリスト教による科学精神の否定された時代であったこと、キリスト教原理主義が未だ隆盛を誇るアメリカで、知能の低いブッシュが大統領職にあって十字軍を持ち出したごとく、十字軍に少年義勇軍迄組織される時代でもあったことである。一方、イスラムはこの時代、世界最高の知を誇った。日本では余り知られていないが、renaissanceでは、イスラムを介してギリシャ・ローマの知がヨーロッパに再起したのである。ヨーロッパでは、中世の暗黒時代を通じて聖書に書かれていないこと、聖書と矛盾するような科学的知見は総て表向き抹殺されていた(この辺りアメリカのキリスト教原理主義との類似にも気を付けたい。因みにアホなマスコミが、イスラム原理主義と盛んに言い立てるのは、もともと、キリスト教原理主義をイスラムに仮託して作られた造語であり、日本以外にこんなバカなプロパガンダを用いるメディアを自分は知らない)から、ギリシャ・ローマの知の伝統は一旦、根絶やしにされていたのである。然しながら、ムハンマドが商人であったように、イスラム教徒の多くは商人として世界を股にかけ、行く先々の知をも吸収していた。無論、ヨーロッパのギリシャ・ローマの知もアラビア語に翻訳され、イスラム世界に根付いていたのである。幸か不幸か十字軍がユダヤ教、キリスト教、回教と同じ神を奉ずる一神教の聖地、エルサレムを目指したため、また、諸侯、王の中には、平和を望む勢力が支配する地域や時代があった為、アラビア語からラテン語に翻訳されたギリシャ・ローマの知が、再びローマンカソリックの中心地、ローマなどのイタリア諸都市から欧州全体に再度広まったのである。
    ところで、ここに登場するパイドパイパーとは、夜の女王から特殊な力を授かり各地域の領主の汚れ仕事を担う役割を負わされた日陰者という位置づけだ。今流に言えば、或いは当時の感覚からすれば一種の魔術師とでも考えたら近いのではないか。(無論、中世ヨーロッパの暗黒時代の発想としてである)
    主役を張る林 遊眠は、固有名詞としてのパイドパイパー役でハーメルンの旧領主であるエーフェルシュタイン家・ルードヴィヒ最後のトリックスターとして、聖骸を身に埋め込まれたとされる娘、ミリアムを守り続ける宿命を負う。ミリアムは神の子とされるが故に、宗教者、各地の領主などからその命や居場所を付け狙われる。彼女は拉致される危険をも常に負っている。何故ならば、彼女を自らの陣営に置けば、生きていても死んでいても自らの宗教的権威を高め、権力を増すこと請け合いだからである。そのため、エーフェルシュタイン家でも彼女は殆ど幽閉同前の生活を余儀なくされていた。無論、彼女は普通の子供のように表に出て遊びまわることを望んでいたのだが、それは許されぬことだった訳だ。然も、新たなハーメルンの領主、ヴェルフェン家のアルブレヒトは、主教と結託、旧領主を殺してしまう。今わの際にハイドパイパーを呼び出したルードヴィヒは、娘を永遠に守ることを命じて息絶える。だが、ミリアムは、新領主らの一党に攫われてしまった。それから20年以上の月日が流れた。パイドパイパーと共にミリアムを守った騎士、ヒースと彼の従者、マルヴォ3人でミリアム奪回のチャンスを伺う。その間にもミリアムはヨーロッパのあちこちを連れまわされた挙句、その身は鎖に繋がれて哀れな状態で幽閉されていた。然しパイドパイパーら3人も彼女の情報を集め、ヨーロッパ中を渡り歩いたが二十数年ぶりにミリアムがハーメルンに戻ることを掴み、イスラムの将を仲間に引き入れて彼女の奪還に成功した。然し、これだけでは、ミリアムもパイドパイパーも救われない。何故なら十字軍を組織するキリスト教会や、利害のある領主らは彼らを探し回り再び捉えようとしていたからである。而も、彼女たちは、不死で不死身であった。ヒースもミリアムの騎士となって以来、年を取らない。
     一方、このように特殊な存在である彼らにとって、何の為に生きているか? なぜミリアムを守って戦い続けるのか? 生きている意味は何か? 神とは何か? 神の子、ミリアムが実際、滅ぶと世界はどうなってしまうのか? 等々の問題は未解決であり、見付けたい答えでもあった。果たしてこの謎は解けるのか? 
     物語は、歴史教師が、教科書には載っていない真実の歴史を案内する謂わば狂言回しとして登場し、生徒やアメリカの諜報部の連中に何が起こったのかを説明するという形で進んでゆく。イスラム教徒と十字軍の戦いが続く中、ミリアムを巡る争奪戦も続いている。テンプル騎士団を中心とした十字軍側は、敗退を続け、終に最後の砦に立て籠もった。決戦の日、多くの血が流され、テンプル騎士団総大将の指揮で一旦は、攻勢に転じた騎士団であったが、傭兵を雇い、ミリアムを崇める信者を味方につけたパイドパイパーらが助っ人に駆けつけ形成は逆転、イスラム側が勝利した。その後、神と対峙し攻撃を仕掛けるパイドパイパーであったが、神は、人間の未来は死すべき人間に選ばせようとする。そして、ヒトは選んだ。神の忠告は無視し、誤っても迷いながら生き抜いてゆく道を。何度となく生まれ変わり、12歳で成長を止めていたミリアムと永遠の生を受けたパイドパイパー、騎士たちは、終に自分達を終わらせることを選択した。普通の子供として生まれ変わったミリアムは、明日、13歳の誕生日を迎える。母は、パイドパイパー、父はヒース。(このほかのエピソードも存在するが、これは他日に譲ろう)
     圧倒的な存在感を見せつけるパイドパイパー役、林 遊眠の表出する永遠の孤独と、その寂寞を鏡に映したかのようなミリアムの二人ボッチが、観客の魂を揺すぶる。実際、ヒトが神を必要とするのは、このような絶対孤独を通してなのであり、それ故にこそ、神を信ずる者を他者は否定できないのだ。
  • 満足度★★★★

    パイドパイパー
    童話や史実を下敷きに時代を超えて駆け抜ける歴史エンターテインメント作品。この手のジャンルは好物なので楽しめましたが、全体のテンポや上演時間を考えると途中休憩があってもいい気がしました。終盤の入口あたりで「ちょっと休ませてくれ…」と思いました。

  • 満足度★★★★

    パイドパイパー 観劇
    パイドパイパーを観て,翌日に千年のセピラを観て,振り返ってみると・・・パイドパイパーって,壮大なファンタジーなんだって自分の中にしっくりときます。確かに,観劇当日は2時間30分,休憩なしに集中力がちょっと途切れ,盛り込み過ぎだよねって思ったものの,振り返ってみると物語は繋がっており,特に意味のない場面ていうのもなく,これは2度観していたらもっと感動あったんじゃねえのって思ってしまう。とすれば,これは良い芝居だったんだよね。惜しい観劇をしてしまったと,ちょっと反省の次第である。

  • 満足度★★★★

    『千年のセピラ』観劇
    やっぱ立体講釈師

    ネタバレBOX

    紀元前のローマ時代、色々あって功績を讃えられ、大事な人を守るべくパイドパイパーという永遠の命を与えられた少女の活躍を描いた活劇風講釈一人語り。

    下から上へ張り上げる独特の口調で動き回り、元気いっぱいさは伝わってきます。10分間の休憩を入れて1時間40分を一人で演じ切るのは大したものです。

    同じ調子で誰が誰だか良く分かりませんでしたが、パイドパイパーに強引に繋げて行ったことだけは理解できました。

    一人による芝居も劇団での芝居もそうですが、大声を張り上げるときだけ生かされる役者さんはどうかと思います。ま、宝塚の人も宝塚を辞めれば独特の口調をやめますからそれほど心配することもないのかもしれませんが。
  • 満足度★★★★

    『パイドパイパー』観ました
    ちょっとややっこしくて、話に入り込むのに時間がかかってしまいましたが、スケールの大きなファンタジー大作、大いに楽しませてもらいました。大人数でも、遊眠さんの存在感大きいなー。

  • 満足度★★★★

    パイドパイパー観劇
    千秋楽のパイドパイパーを観劇。スピンオフである、千年のセピラを先に観たが、観た方がより楽しめますが、基本的には本編だけで十分な2時間30分の長編大活劇。
    ハーメルンの笛吹をベースに、時間軸をまたぐ良く練られた脚本と役者さん達の熱演で楽しめた舞台でした。
    ただ、少し話が難解な部分も多く、またもう少し削れる部分もあるのではとも思いました。
    役者さん達は皆さん熱演でしたが、あうるすぽっとの舞台が少し大き過ぎたかなと感じてしまう箇所も見受けられました。

    ショウダウンさんでは、初めて一人芝居以外を観ましたが、林遊眠さんが大変楽しそうなのが印象的でした。
    レスタト役の上杉逸平さんやマルヴォ/ジャック役の為房大輔さんが特に印象に残り、また物語の進行を説明する方が、出てくるのもある意味ショウダウンさんの特徴でしょうか。

    来年1月に再度東京公演を予定されておりますが、今から楽しみです。



  • 満足度★★★★

    笛吹き祭の始まり
    役者の力量に驚かされます。通常の2時間超え舞台の倍以上のセリフ量ではないかと思われる言葉を語り、殺陣も早変わりも、と盛りだくさん。この数カ月で稽古をして創りあげたとは思えない、長年この座組で公演を行っているかのような風格が漂う舞台です。すべてを良しとできない点もありますが、ここまでの大作を魅せてくれる出演者の意識の高さに感服。関西演劇人を観られる、良い機会を得られました。同時期に公演しているハッピー圏外の「双子のフロイライン」も観劇。同じ伝説をベースにしながら、それぞれの劇団色が反映された物語が展開されます。

  • 満足度★★★★

    活きの良い上方芝居
    劇団も、役者さんも軒並み初見。知っていた役者は一人だけ。前情報はチラシと紹介PVのみ。それでも期待させる何かはあった。
     
    優しいけれど芯のあるファンタジー。笛吹きの強さや、騎士の戸惑いと成長が上手く描かれていた。
    東京の1公演目とはいえ、大阪で公演が終わった後なので、仕上がりは上々だったと思うのだが、文字数が多い事も相まってセリフが聞き取りにくい喋り方だったり、詰まってしまう箇所がいくつかあったのが残念。2時間半近くあるので、余計に集中が削がれてしまう。でも、活きの良い芝居が見れました。関西での潮流を垣間見れたと思う。
    個人的には物語がどこに帰結するのか分からず、最後の30分ぐらいは”まだ?”という気持ちもよぎってしまったので、ひと要素減らせたら収まりが良かったのかも。登場人物が多く名前が分からなくなり、途中で相関図をチラ見しました…。そういうの気になっちゃ、負けなんでしょうけど。
     
    笛吹の林夢眠さん。一人芝居で受賞したというのも納得な力量。『千年のセピラ』も見れたら良かったのですが。

  • 満足度★★★★

    トリックスター
    19人で登場人物数百人を演じる。トリックスターのパイドパイパー、十字軍、そして近現代。パイドパイパーの秘密、由来、神の恩寵は…、対するは噛み?気弱で男らしいヒース、カッコよかったですぞ!物語前半を巧みな言葉で引っ張った従者の退場の仕方も見事!圧倒なセリフ量をこなす笛吹と狂言回しの先生!圧巻の2時間半は、ちょっと長いが、終わらないでほしくもある。笛吹き=パイドパイパーが最強の暗殺者の称号!しかし、この名無しのパイドパイパーこそその語源となった本人!他のもパイドパイパーが出てきますが、エスター、かませで、相方にそのちっさいのが…と紹介されところがツボでした。可愛いんですよ

  • 満足度★★★★

    方向性
    結局は活劇路線なんだなと思いました。

    ネタバレBOX

    不死の神の子を巡って千年に亘り獲得競争を続けてきた複数のキリスト教教団とイスラム教教団を描いた活劇。

    最初のシーンで、おばあさんが棒読みで半音高かったことに引きました。大声を出す口調は活劇に合っているように思いますが、活劇口調が身に付くことの善し悪しについて少し考えました。
  • 満足度★★★★

    鑑賞日2015/09/06 (日)

    『パイドパイパー』(2時間30分)、6日(日)千秋楽の舞台を拝見。



    ネタバレBOX

    名もなきパイドパイパー(笛吹き)の女(演・林遊眠)が、一人の「運命の少女」を守るべく、「十字軍vsイスラム教徒の激戦続く13世紀後半」「第二次世界大戦終結期の1945年」と時空を越えて活躍するさまを描いた、冒険・浪漫活劇です。

    他の劇団やフリーの役者さんも含めた「関西演劇界の精鋭」19名を揃えたチーム・劇団ショウダウン…気合いの入り方が半端ない!
    場面の時間軸が錯綜したり、一人二役の役者さんが多かったりで、ストーリーを追うのに少々忙しなかった(汗)…んですけど、途中休憩無し・2時間30分の上演時間も長く感じさせませんでした。

    音楽・舞台美術も合わせて、劇団ショウダウンさんの「物語にグイグイ引き込むチカラ」、最前列の席で十二分に味わせて頂きました♪
  • 満足度★★★★

    私たちは平和を選べると思えた。
    平和を選ぶのは 私達に委ねられた。 国 宗教 殺戮戦争 恨み 反撃 自由 平和 暮らす人 今の社会がだぶる。
    おばあさんの物語 優しい じい様  私たちは平和を選べると思えた。

    ネタバレBOX

    ばあ様 お話の続き その騎士はね 首を矢で抜かれ切られ 気づいた なぜ戦い抜くかを 私は戦おう 騎士団は、 俺もまだまだ戦える。 笛吹 召還された だから // ハーメルンから始まった 鼠を駆逐しましょう 笛を吹く 鼠は、笛吹についていく 川へ 流される鼠 黒死病から解き放たれた 報奨は、払えない これで、一回分の演奏分には多い でわ もうひとつ 子供が踊り着いていく 朝 子供達がいなくなった // ただ1人子供を殺す 諜報部員 アーシェ 部下のミハイ リック 抹殺しなさい パンパン 、 弾を剣ではじく 最強のガード 何百年も // 1291年 お父さん メリア 家を出る町を出る。 俺の名はヒースあと少しで目覚めさせる事ができる 少女を守る 最強のガード // 1260年 ハーメルン 御前試合 ヒース ベルフェン家の騎士になる // 姫ミリアムの首に剣を 人を斬るなら名のりなさい パイドパイパー 私が守って上げる 何なの何が起こっているの。お前は守る おれは、刈る。マルヴォ何が起こっているんだ ヒースどうした 1260年長い惨劇は終わる // 戦いを無くす少女 20年の長い旅 ミリ
    アムがハーメルンに戻された ギョーム殿は鼠を一掃 駆逐 異教徒を町から //私は100年生きた 初めのミリアム 私は神の子だって・・・ いつか 終ろうね 12才で止まる 永遠に繰り返す 私はミリアムを死なせてあげたい もう一度付き合ってやる アシュラムありがとう // 何をした 腑分けの儀 聖骸はなかった 彼女がセイガイそのもの。 // 戦いの中 ミリアムは光り 笛吹の元へたどり着いた ヒースが立派になった 私は死んだ身マルヴォ ヒースをどうかよろしくお願いいたします。 // アッコンへ1291年 騎士団 異教徒 笛吹 戦いは死体を積み上げる // ヒース ストラト ギョーム アシュラム パイドパイパー // 歴史の教師 //ミリアムはセイガイ 覚醒したとき 終わらせる // 北から増援 ちがう ハーメルン 土は血で赤土に。 北の軍と戦うパイドパイパー 首に矢 斬られて なぜ自分のは この世界は完璧き 不死の歪 ミリアムとヒースは人だ私と違う ありがとうヒース家族と呼んでくれて
    1291年アッコンは陥落
    神々ミリアムを解放してください
    終わらせる方法
    不死を殺せるのは不死の者
    守るのか 終るのか
    ミリアムいつか終ろうね 
    剣の手を取る 私たちの世界に御手は必要はない
    神様ミリアムを解放してください
    // おばあさんの物語 3人の長い長い旅を終えて 剣で戦う意味も知りました・・・。 準備は出来た 先に休んでいいから 明日 ミリアムが13歳に成る日なんですから。 ミリアムが繰返した不死から普通の少女に成る日 神は選択を与え 不死を選ばなかった 救う者の繰り返す命 不死の人ではない人になる日 笛吹も歳を取り13歳のミリアムに物語を聴かせている じい様はヒース? 繰り返す 救いは、なくなり 平和を選ぶのは 私達に委ねられた。 国 宗教 殺戮戦争 恨み 反撃 自由 平和 暮らす人 今の社会がだぶる
  • 満足度★★★

    笛吹き祭りの終わり
    マナナン上演中に、まだジャガーノートという仮題のチラシを手にした時から、この瞬間を楽しみにしていましたが、自分の望んだ大満足の演目とはなりませんでした。自分がセリフを聞き逃したのか、理解が足りないのか、多数のキーワードが、絵柄のないパズルを作っているかのように、ピースがピッタリはまることはなく、それぞれのキャラの行動の動機の説明が弱く、人間性の不在を感じました。誰もが知るあのSF映画だって、光る剣で戦うばかりではなく人間ドラマが根底にあります。決しておろそかにはできない要素です。パイドパイパーの世界観の壮大さのために、前作のベラミー少年の喪失体験の苦痛が、物語の原動力となっていたマナナンのような繊細さが犠牲になっていたように思います。それでも、パイドパイパー2回、セピラ2回と、この3日間は大いにショウダウンを満喫した幸せな時間でした。

    ネタバレBOX

    千年のセピラからの流れでいけば、名無しのパイドパイパーはミリアムに出会う前から不死の存在。不死ゆえにミリアムの守護者となったので、ミリアムから不死の恩恵は受けていないはず。ミリアムの不死の解放がパイドパイパーにも適応されたのはなぜなの? それに多数のパイドパイパーの存在。彼らは不死は与えられていないみたいだし、夜の女王の気まぐれ? そもそもミリアムの不死の恩恵はどうなると得られるのか。マルヴォは除外されてたし、ミリアムがヒースを選んだわけではないし。。。う〜ん。ヒースが家族を意識することも唐突過ぎるような、もう少しヒースと笛吹きの関係性が欲しいところ。ヒースが突然、笛吹きの名前を呼んでしまうとか、「装甲騎兵ボトムズ」のキリコとフィアナのよう関わりがあっても良かったのかも。名前を与えらてこそ存在意義を得て、生を全うできる気がします。一緒に生活していても「笛吹き」と呼ぶの? シクシク。それはあまりに笛吹きが可哀想。何気にアーシェが重要な役割を担うので、そこも何か個人エピソードが欲しかったところ。これって揚げ足取り? いえいえ、あくまでも個人的な希望と意見と素朴な疑問です。
  • 満足度★★★

    力作です。
    ハーメルンの笛吹き男に着想を得た物語で、ここまで物語を膨らませることが出来るのかと感心しました。
    アクションも迫力があり、時代を超えても少女を守ろうとする笛吹きと騎士の必死の心がとてもピュアに描かれていました。
    物語がどこに落ち着くのかと最後まで、気を抜けなかったです。
    ただ、もうちょっと整理してもいいかなと思う場面もありましたが・・・・。
    音楽がとても良くて、ライトの使い方も迫力を増していました。
    楽しかったです。

  • 満足度★★★

    観てきたー
    パイドパイパー!

    ネタバレBOX

    なぜパイドパイパーの話を書かなかったのか。最終的に不老不死の話に変わり『鋼の錬金術師』を彷彿とさせる展開になったのが 残念。
    マスターキートンのようなハーメルンの笛吹きを歴史的に掘り下げるような話を期待していた。
    もし、笛吹きを題材に取り上げるなら、彼らがジプシーとして差別されていた事実を中心に構成すべきだったと思う。何より、笛吹きが単なる魔法使い扱いだったのが残念でたまらない。
  • 満足度★★★

    林遊眠さんの力強い演技!
    う~~ん(^^;;
    全体的にちょっと説明ばかりで長く感じてしまった…
    不思議な世界観を創りだそうとしているのは伝わってきました
    役者さんも林遊眠さんの力強い演技は存在あります
    その他の役者さんも熱演で魅せてくれます

    流れの中でナレーションで分かりやすくしようとしてると思いますが
    それがテンポを悪くしている様にもにも感じました…
    私の中では相関図が曖昧なまま展開されていった…
    ラストの展開は見応えがあったと思います
    もっと前半を凝縮しても良かったかなぁ⁈

    東京公演ではどの様にブラッシュアップされるか期待‼︎

  • 満足度★★★

    『千年のセピラ』→『パイドパイパー』
    『パイドパイパー』と『千年のセピラ』、両方観劇しました。

    観た順番としては『千年のセピラ』→『パイドパイパー』で
    物語の時系列に沿った形で良かったかも。

    ネタバレBOX

    『千年のセピラ』

    『パイドパイパー』の前日譚で
    物語の鍵を握るパイドパイパー(林遊眠)誕生の物語。

    実際に伝承で残る古代ローマ帝国建国時の話を基に
    そこで起きた事件とそれにまつわる悲恋のエピソードを交えて描く。

    ローマの少女に姿を変えていた夜の女王を語り手として
    小国サビニ王国出身の女性タルペイアが
    幼い頃にローマの兵士にさらわれるも美しく成長した10年後に
    力を戻しつつあったサビニの新たな王ティトゥスと恋に落ち、
    カピトリウムの砦の戦いでサビニ側に加担するも
    ティトゥスに裏切られ殺されてしまう。
    夜の女王の力によって自らの望みを
    不死の力を持つ笛吹き芸人パイドパイパーとして転生し、
    長い時間の旅を始めていく。

    劇場が『パイドパイパー』本編と同じで
    広く作りこまれた舞台美術だったため、
    縦横に動き回っていて、見せ方もあるだろうけど、
    ちょっと広さに負けてしまっている気がしないでもなかった。
    だんだんと劇世界に入って、特に2幕以降は急激に盛り上がって、
    ラストに至るカタルシスは良かったという印象。

    林遊眠さんの凄さを再度体感しました。

    『パイドパイパー』
    これまで観たのが林遊眠さんの一人芝居だけだったので、
    複数人登場する作品は初めて。
    ただそのこれまで観た一人芝居は
    ショウダウンの型だったんだなと。

    彼女以外に二つの時代(1284年と1945年)に
    語り手のポジションを担うものがそれぞれおり、
    この時空を越えた壮大な物語が語られる。

    中世(1284年)。
    不死の存在であるミリアム(真壁愛)を巡って、
    ギョーム(三好健太)率いるテンプル騎士団から彼女を奪還するため、
    エーフェルシュタイン家最後のトリックスター・パイドパイパー(林遊眠)、
    ミリアムを守る騎士となったヒース(飯嶋松之助)と従者のマルヴォ(為房大輔)は
    テンプル騎士団と敵対するイスラムのスルタン・アシュラフ(伊藤駿九郎)たちと共闘し
    ミリアムの行方を追っていた・・・

    現代(1945年)。
    歴史の教師イグリッド先生(山口敦司)は生徒たちに
    教科書にない物語を話す。そのうちメリア(真壁愛)が来なくなってしまう。
    一方で某大国の諜報員アーシェ(根本沙織)たちは
    世界を終わらせる力を持つ少女を探して暗躍。
    そこにパイドパイパーとヒースが現れて・・・。

    主にこの二つの時間軸を行き来しながら
    最後は現代で収斂していく。

    ヒースが不死になったのがやや掴みにくかったかも。
    何となくで理解はできたけれど誰かに説明するとなると難しいかな。

    林遊眠さん演じる名無しのパイドパイパーは
    冒頭の陽気で飄々とした様子が楽しかったが、
    その後、性格が様々に変わり、
    キャラが一貫していないように思えたのが少し残念かな。

    あと彼女以外にも複数のパイドパイパーたちが登場するが
    笛による魔術を使える点は同じ、
    名無しの彼女だけは不死というのが「違い」だろうが、
    見方によっては混乱しかねないかなとも思った。

    ただやっぱりこれも終盤への盛り上がりは流石だし、
    壮大なテーマへと至ってもやり切れるパワーは凄かった。

    林遊眠さんはじめキャストの皆さんの健闘に拍手を送りたい。

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