パイドパイパー と、千年のセピラ 公演情報 劇団ショウダウン「パイドパイパー と、千年のセピラ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    『千年のセピラ』→『パイドパイパー』
    『パイドパイパー』と『千年のセピラ』、両方観劇しました。

    観た順番としては『千年のセピラ』→『パイドパイパー』で
    物語の時系列に沿った形で良かったかも。

    ネタバレBOX

    『千年のセピラ』

    『パイドパイパー』の前日譚で
    物語の鍵を握るパイドパイパー(林遊眠)誕生の物語。

    実際に伝承で残る古代ローマ帝国建国時の話を基に
    そこで起きた事件とそれにまつわる悲恋のエピソードを交えて描く。

    ローマの少女に姿を変えていた夜の女王を語り手として
    小国サビニ王国出身の女性タルペイアが
    幼い頃にローマの兵士にさらわれるも美しく成長した10年後に
    力を戻しつつあったサビニの新たな王ティトゥスと恋に落ち、
    カピトリウムの砦の戦いでサビニ側に加担するも
    ティトゥスに裏切られ殺されてしまう。
    夜の女王の力によって自らの望みを
    不死の力を持つ笛吹き芸人パイドパイパーとして転生し、
    長い時間の旅を始めていく。

    劇場が『パイドパイパー』本編と同じで
    広く作りこまれた舞台美術だったため、
    縦横に動き回っていて、見せ方もあるだろうけど、
    ちょっと広さに負けてしまっている気がしないでもなかった。
    だんだんと劇世界に入って、特に2幕以降は急激に盛り上がって、
    ラストに至るカタルシスは良かったという印象。

    林遊眠さんの凄さを再度体感しました。

    『パイドパイパー』
    これまで観たのが林遊眠さんの一人芝居だけだったので、
    複数人登場する作品は初めて。
    ただそのこれまで観た一人芝居は
    ショウダウンの型だったんだなと。

    彼女以外に二つの時代(1284年と1945年)に
    語り手のポジションを担うものがそれぞれおり、
    この時空を越えた壮大な物語が語られる。

    中世(1284年)。
    不死の存在であるミリアム(真壁愛)を巡って、
    ギョーム(三好健太)率いるテンプル騎士団から彼女を奪還するため、
    エーフェルシュタイン家最後のトリックスター・パイドパイパー(林遊眠)、
    ミリアムを守る騎士となったヒース(飯嶋松之助)と従者のマルヴォ(為房大輔)は
    テンプル騎士団と敵対するイスラムのスルタン・アシュラフ(伊藤駿九郎)たちと共闘し
    ミリアムの行方を追っていた・・・

    現代(1945年)。
    歴史の教師イグリッド先生(山口敦司)は生徒たちに
    教科書にない物語を話す。そのうちメリア(真壁愛)が来なくなってしまう。
    一方で某大国の諜報員アーシェ(根本沙織)たちは
    世界を終わらせる力を持つ少女を探して暗躍。
    そこにパイドパイパーとヒースが現れて・・・。

    主にこの二つの時間軸を行き来しながら
    最後は現代で収斂していく。

    ヒースが不死になったのがやや掴みにくかったかも。
    何となくで理解はできたけれど誰かに説明するとなると難しいかな。

    林遊眠さん演じる名無しのパイドパイパーは
    冒頭の陽気で飄々とした様子が楽しかったが、
    その後、性格が様々に変わり、
    キャラが一貫していないように思えたのが少し残念かな。

    あと彼女以外にも複数のパイドパイパーたちが登場するが
    笛による魔術を使える点は同じ、
    名無しの彼女だけは不死というのが「違い」だろうが、
    見方によっては混乱しかねないかなとも思った。

    ただやっぱりこれも終盤への盛り上がりは流石だし、
    壮大なテーマへと至ってもやり切れるパワーは凄かった。

    林遊眠さんはじめキャストの皆さんの健闘に拍手を送りたい。

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    2015/09/10 09:16

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