マークドイエロー 公演情報 マークドイエロー」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
1-14件 / 14件中
  • 満足度★★★★★

    劇団として一皮剥けた感じがしました。(特に音響・照明。脚本のアレンジもよかった。)これからの本公演にもますます期待がかかりますね。

  • 満足度★★★★★

    緊張感あふれる照明とアホダラ経(?)唱和の迫力に冒頭から圧倒された。
    正常と異常の境界は誰が決めるのか、複雑怪奇な共依存の心理、
    そして謎解きよりも“自己の喪失”に戦く男の孤独と焦燥感に共感する。
    狂言回しのさひがしジュンペイさんが軽妙さと渋さのグッドバランス!
    愛とは、暴走したがるもの。

    ネタバレBOX

    四角い舞台を四方から客席が囲んでいる。
    舞台中央には天井から床に届く長い布が、これもまた四角いスペースを作っている。
    布に囲まれたスペースが、何か神聖な場所のように見える。

    精神病棟の一室で目覚めた男は、自分の名前すら覚えていないという記憶喪失。
    「あなたが自分で思い出すことが重要なのだ」という医師とその助手の看護師。
    だが男が記憶を取り戻すことは、ある殺人事件の全容解明を意味していた…。

    親に捨てられて肩を寄せ合うように育った兄と妹。
    妹に対する兄の束縛が次第にエスカレートしていく様が
    台詞の端々から息苦しいほどリアルに伝わってくる。
    大学生になって、それを少しずつ疎ましく思い始める妹の変化が上手い。
    妹の彼氏の、優しいがキレると言動が180度変わるキャラが大変良かった。
    3人のキャラがくっきりして、衝撃的な“兄による妹殺し”に至る状況が説得力を持つ。

    その真実の再現シーンと、病棟で記憶を取り戻す治療を受ける男の日常が
    交互に描かれるという構成が効果的で、緊張感あふれる舞台だった。

    私の理解不足かもしれないが、医師の治療計画がイマイチよくわからなかった。
    警察の取り調べの一端を担うという立場は判るが、
    事件の関係者を連れてきて男に会わせるのが唯一のアプローチであり荒療治なのか?

    狂言回しとして心理学の教授が、解説を交えながら関りを持って行くという展開が
    非常に解りやすく、また客観的で冷静な視点が加わるところが良かった。
    さひがしジュンペイさんの知的で信頼感が持てる佇まいと台詞が素晴らしい。
    記憶喪失の男を演じた役者さん、(役名と俳優名が一致しないのがとても残残念)
    “記憶を失うことは自己喪失である”ことを体現している。
    誰とも分かち合えない孤独と焦燥感を見事に表していて惹き込まれた。

    愛はもともと極めて身勝手な個人的思い入れだと思う。
    だからこそ相手もそれに応えてくれると信じた時、至上の幸福に浸る。
    時にはそれが相手を傷つけるのに、信じた幸福を否定することが出来ずに暴走する。
    「キ」の烙印はその暴走の果て、社会から突き付けられたエンドマークだ。

    夢野久作の「ドグラ・マグラ」から着想を得たという作品、
    はあらすじしか知らないが、一度読んでみたいと思った。




  • 満足度★★★★

    日本の3大奇書(黒死館殺人事件、虚無の供物、ドグラ・マグラ)、その最後の小説に着想した本公演は、その世界観の魅力を引き出していた。
    着想した小説の難解さ、それは周知のことである。この公演は、あえてその世界を描こうとした野心作のようにも思える。戸惑うような雰囲気は、客席内に入ってすぐ実感できる。囲み舞台のどこに座るか?けっして凝った作りではない、むしらその逆のシンプルな設営。しかし何となく”あやしげな”空間、その視覚から様々な感覚が目覚め、開演までを楽しませてくれる。
    (上演時間1時間40分)

    ネタバレBOX

    舞台は真ん中に細長い台座空間。その周り(客席と台座の間)を回廊のように使用する。台座真ん中、そこに上から四角く囲うように幕が垂れ下がる。
    冒頭は、この幕内での若い男女の泣き嘆きから始まる。直ぐに出演者全員による怪しげな足取りのパフォーマンス。序盤はその雰囲気作りに腐心しているようだ。物語はストーリーテラー(さひがしジュンペイ サン)が観客に話し掛けながら物語へ誘う。その俯瞰した立場から実際物語へ溶け込んで行く。また現実と過去(3年程前か)とを往還するような回想シーン。その多重層な演出は、混乱・錯乱に満ちた舞台をしっかり観(魅)せる。

    梗概は、警察病院・精神科医療室内と主人公の兄・妹が暮らしていた部屋を同一空間で表す。その違いは同一登場人物を2人1役で分かり易くすること、状況に応じて登場する周りの人物で区別させる。犯罪を犯したであろう男、その男の記憶を呼び起こすことで事件の解決を…。なぜ事件解明にその必要があるのか、その混乱・錯乱に満ちた舞台は観応え十分。正気から狂気へ変質していく兄と妹の関係。その”血”の繋がりがなければ、単なる若い男と女という生身の異性という存在になる。その人間の性(さが)が純粋であるがゆえ異常な行為へ…。その描き方が虚実の世界(俯瞰)、時間のズレ(回想・往還)として表す。

    また舞台技術が巧み。舞台上の照明は上から照射し幾何学的な文様もしくは文字を映し出し精神の不安定さを表す。音響は阿呆陀羅経に木魚の音・不気味で不安を煽る。全体的にサイコ・サスペンスというジャンルであろうが、その雰囲気作りは上手い。舞台上に絞った照明と客席も巻き込むような照明、その使い分けが観客の集中力を物語に向ける。

    気になるのが、物語の意外性があまりなく、ラストは大方の観客が思い描く結末だったと思う。警察のプロジェクトの意味合いが不明確で、その国家的視点がどう絡んでいたのか?警察側が記憶を教えないのは自白の強要にならないため。その一事件のためのプロジェクトとしては壮大過ぎないか。
    物語の意外性は、公演そのもののテーマになり、より面白さが増すと思うのだが…。

    次回公演を楽しみにしております。
  • 満足度★★★★★

    劇場に入ると四角い囲み舞台に上から降りている白い布が印象的。そしてキャスト全員による読経でなんとも言えない雰囲気に。原作を知らない私は見終わって「これは本当にあった事件なんだろうか・・・」「あの兄の行動は気違いではなく妹と子供を彼から守りたいと思った愛の行動だったのではないか・・・」短い時間で濃密な舞台を見せられた。

  • 満足度★★★★★

    テンポも良くて、小劇場の良さがギュッと詰まったミステリーの佳編-
    客席は若い客層が目に付きましたが、万人にお勧めの透明感が有ってとても刺激的で楽しい舞台。
    これは面白い!

  • 満足度★★★★

     狂気が、M.フーコーが定義したように”純粋な錯誤”だとしたら、所謂正常な者は、狂人は苦しまない、と考えがちだが、

    ネタバレBOX

    事実はその逆であろう。狂人自体その狂気の齎す嵐に苛まれている。
     夢野 久作の奇書「ドグラマグラ」をベースに阿呆陀羅経を上手く使いながら、正常と狂気の境を取り払うかのように、旧帝大の一つである九州大学医学部の精神科教授(即ち理性・知性の象徴)が、その権威とは裏腹に、狂気の嵐に巻き込まれたような様は、ミイラ取りがミイラになる、といった体。終盤、阿呆陀羅経に木魚の甲高い打擲音を絡ませながら、無窮の彼方から世界を嘲笑するかのように響くのが心地よい。
  • 満足度★★★★

    鑑賞日2017/03/31 (金)

    独特の雰囲気のある舞台でした。謎めいたストーリーで、どんどん惹き込まれました。役者さん達の演技や動き、ダンスもカッコ良くて、とても見応えありました。人間は誰しも何かに依存している、自分は何に依存しているのか・・?等、考えさせられ、興味深かったです。面白い舞台でした!

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2017/03/30 (木) 19:00

    価格3,500円

    もぴプロジェクト『マークドイエロー』観てきました!!
    X役の菅山望さん目当てで観に行かせていたいただきましたが、他にも素敵なキャストさんばかりでした。
    初めてもぴプロジェクトさんを拝見させていただきましたが、オープニングからドキドキしっぱなし。ダンスも素敵でしたし、ストーリーも楽しめました。
    「このあとどんな展開になるのだろう??」と
    ハラハラしながら観劇。
    とても楽しめました!!観に行って良かったです。出来ればもう1回は観たかったです。

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2017/03/31 (金) 14:00

    とにかく最高でして。 役者さん、演出全部。
    ドグラマグラ読んだことないけど、読んでみたいと思った。
    もプロは全公演見てきて、すごく進化していると思うし、これからも期待しています!

  • 満足度★★★

    入り込める芝居。
    照明とか、役者さんの動きがとてもいい。いい芝居だったと思います。

    ただ…

    ネタバレBOX

    ただ、やっぱり本質的なところでもやもやというか腹に落ちない。

    あの真実だとすると、なぜあそこまでして周りが記憶を取り戻すようなことをするのか?
    (ごくごくありきたりな話で、正直サプライズがない)
    私の理解が間違っているかもしれないが、妹の彼氏が生きているように思えた。
    生きていたのだとすると、なぜ関係者がきわめて少ない、などと言えるのか。
    また極刑という結論もそこまでの話か…などなど。

    【塀を越えたりだとか、酒を調達するだとか、そういった「ありえない」ことは逆にまったく気にならない。】

    全体としてはいい芝居だったと思いますが、コアの「なにがあったか」がちょっと物足りなかったかな、というのが正直な感想。
    これを求めすぎてもダメなのかなあ…。
  • 満足度★★★★★

    ドグラマグラの小説は読んだ事はありませんでしたが十分楽しめました。ミステリアスで最後まであきずに観劇できます。脚本、演出、役者の芝居、音楽ともに良かったです。

  • 満足度★★★★

    図書館で借りた「ドグラ・マグラ」読めないままに観劇したので、どのあたりがそうなのか分かりませんでしたが面白かったです。舞台を4面から囲む客席だったので、どこに座るか悩みました。

    ネタバレBOX

    最初と最後に唱えられる念仏のような、呪文のような言葉が迫力でした。「50年70年の人生も長い歴史ではほんの一瞬・・・」みたいな呪文がなんだか胸に迫りました。「ドグラ・マグラ」は読めなかったのですが、なんだかすごそうな話らしいという思いがあったので、もっと衝撃的な展開を期待していたので決着が私としては残念でした。
  • 満足度★★★★★

    関係性が本当に面白かったです。

    ネタバレBOX

    夢野久作『ドグラ・マグラ』からの着想で、兄の束縛から自立させて恋人にしたもののいつの間にか暴力を振るうようになった彼氏、その妹を愛し過ぎた故に彼氏から逃げ帰ってきた妹を殺し、同時に記憶を喪失した男、いつまでも記憶が戻らない男の治療に専念することに意義を見い出したかのような医者、医者を支え続ける看護師、その看護師のことを過度に気に掛ける姉等々、共依存関係の人々を描いた話。

    記憶を失くした男を治療する形式のお芝居はありがちですが、治療している側も共依存関係であり新鮮に感じられました。

    記憶を取り戻した男が死刑になったとのことでしたが、少し重過ぎるのではないかと思いました。
  • 満足度★★★★

    鑑賞日2017/03/29 (水) 19:00

    価格3,500円

    まずはこれからご覧になる方々へアドバイス。
    入場した時に舞台中央にある「もの」を考慮して席を選ぶ必要はありません。理由は推して知るべし。
    ま、囲み客席の芝居で問題となるような死角を作る演出家はほとんどいないし。(例外的に下手くそな演出家がやらかす危険は否定できないが(爆))
    また、ウィキペディアの「ドグラ・マグラ」の項を(観る前でも観た後でも)一読するとより楽しめるかも? ネタバレというほどではないと思うし、そもそも「原作」ではなく「着想」なので。
    さらに言えば、夢野久作の「ドグラ・マグラ」を読んでおけば得心がゆく部分も複数。

    かく言うσ(^-^) 、夢野久作の「ドグラ・マグラ」を読んだのは20歳前後のことで詳細は忘れていたが、冒頭とラストの「アレ」は「ドグラ・マグラ」に準拠したもの(冒頭の方にはドサクサに紛れてよく知られている「別のもの」を混ぜていなかったか?(笑))とワカったし、メタ部分のある「ドグラ・マグラ」を包み込んだ「もう一層外側の物語」あるいは「呉二郎の物語」な感じ?と解釈できて楽しめたワケで。
    なお、元ネタを知らなくてももちろん大丈夫。

    ちなみに「ドグラ・マグラ」を読んだのは佐井好子の2ndアルバム「胎児の夢」がキッカケ。メタフィクションあるいは自らを内包するような層構造が好きなのはその頃からだったのか、それがキッカケだったのか……?

    なお、聞いたところによると下平主宰は100分を切りたがっているとのことだが、一部の会話がせわしなく間を取らないのが不自然に感じられたので無理して巻くより会話の自然さを尊重して欲しい気もした。

    あと、おぼんろのさひがしさんは「やはり(笑)」ストーリーテラー的な役どころであると同時にメガネなこともあってか「その役職の人」っぽさも醸しだしたシブいオジサンでありました。

    【参考】初日の実測上演時間は100分強。

    ネタバレBOX

    冒頭のアホダラ経的な部分は「キチガイ地獄外道祭文」+「アジアの純真」?(笑)

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