凍てつく夜にはライムを温め 公演情報 凍てつく夜にはライムを温め」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
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  • 満足度★★★

    鑑賞日2017/01/18 (水)

    18日午後、下北沢演劇祭に参加しているサンハロンシアターの第21回公演『凍てつく夜にはライムを暖め』を小劇場・楽園で観た。これは、タイトルに惹かれてコリッチのチケットプレゼントに応募したのだが、落選したので自腹で観に行くことにした公演。タイトルのライムとは、最初酒のことかと思ったのだが、実際に観に行くと、これは酒ではなくラップ系の音楽用語のことであった。また、タイトルばかりに目が行ったため出演者に既知の役者がいないものと思い込んでいたが、プログラムを見て、何度か舞台を観ているよこやまよしひろが出演していることを知って、開演前何となく舞台に親近感を抱いた。

    前説に立った作・演出おおきてつやによると、こうした小劇場に合わせて上演時間を70分にまとめたとのこと。最初は短めだなぁと思ったのだが、舞台が始まってみるとこの長さにして良かったと思えた。

    舞台は、とある場所をテリトリーとする男6人、女2人のホームレス、そして舞台に華を添えるヴァイオリン弾きを加えた9人からなるストーリー。過去に様々な職業に就いていたホームレスの特技を利用して、ホームレスの1人のイカサマ師がホームレスによるラップグループを作り、YouTubeにその動画を配信して一儲け仕様と企んだのだが、楽器調達のトラブルからホームレス2人が殺され、まとめ役であったイカサマ師も殺されてしまい、ホームレスたちは結婚したり施設に預けられたりとバラバラになっていく…。

    スタートして気になったのが、どちらかといいと狭い部類に入る劇場の舞台全体にホームレス姿の役者が多数立つと息が詰まるような気持ちになった。特に役者がホームレス役に徹すれば徹するほどその気持が強くなる。別にホームレスを差別するわけではないが。特に前半の彼らの日常生活の様子を長時間観せられたら、おそらく気分は滅入ってしまったろう。そこから救われたのは、彼らがラップグループとして生きようと一致団結して練習を始めるシーンあたりからか。これで彼らが成功してハッピーエンドで終わると思いきや、仲間の死によって挫折するバッドエンド的な終わり方がちょっと中途半端だったのが残念。ストーリーを切り上げるのを急いだのが原因か、死に至るプロセスが突飛すぎたのが痛かった。

    役者では、元祭り太鼓の花形だったギスやん役・ナガセケイと。元流しの永ちゃん役・よこやまよしひろ、女性ホームレスの1人レイコ役・宮咲久美子の存在が光っていた。話の進行役でもあるガッソ役・山岡弘征とイカサマ師役・内藤トモヤはちょっと頑張りすぎ。もう少し、演技に遊びがあっても良かったのではないだろうか。

  • 満足度★★★★

    最初にバイオリンが出てきた時にはびっくりしました。いろんな音楽が、いろんな場面で出てきて、味わい深くて良かったです。

    ストーリーは、思っていた以上に切なかったです!
    誰もが、理不尽な境遇の中で、儚い夢を抱いて、小さなことに幸せや希望を感じて生きている。私も、その1人であることに改めて気づかされました。
    毎日慌ただしく過ごしているとあっという間に時間が過ぎていきますが、この舞台を観て、ちょっと立ち止まって周りを見回して考えたり、じっくり物事を感じる時間を持とうと思いました。

  • 満足度★★★★

    中年男性は中年役だからそのまんまだけど、女優陣が80歳にはちょっと見えなかったのはしょうがないか。生バイオリンに生ギター、それに初めて見るカホンという四角い太鼓の生演奏付き、ラップに演歌とくればハッピーな結末になるかと思ったら一気に暗転。中年としては微妙な気持ちで家路につきました。

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2017/02/16 (木)

    座席1階1列

    サンハロンシアター『凍てつく夜にはライムを温め』 於:小劇場 楽園

    大人の芝居と銘打っているだけあって、ほろ苦さの残るビターなお話でした。
    やりきれない思いはあったけれど、観劇後には不思議と後味の悪さを感じませんでした。
    一時はみんなで共通の夢と希望を持てたことが救いになっていたのかなと思います。

    派手さは無いけれどしっかりとした作品作りをされている印象を受けました。
    特に個性的なキャラクターたちの役作りや演技がすごく良かったです。

    ホームレスの人たちを描いた作品だからなのか、舞台美術の多くは段ボールで作られていました。
    手作り感があって良かったです。フードコートの案内板?がお気に入り。

  • 満足度★★★★

    今期で最も凍てつくストーリーでした。明日は我が身です。職場近くの地下通路で、いつもの人が消え、その場所には花が生けてあるワンカップが置かれていたのを思い出しました。せつないよ。

  • 満足度★★★★

    初日ソワレを観劇。寒風が吹き、凍てつくような夜にライムならぬライブ(公演)で心が温められた。物語は、地を這う虫の目から見た、都会というジャングルを生き抜くことの難しさを思わせるもの。
    物語は面白い。しかしシチュエーションが関係していると思うが、気になるところが…。そちらの方の印象が強くなったのが残念。
    (上演時間1時間15分)

    ネタバレBOX

    梗概…街の片隅に集まり惰眠をむさぼるホームレス。そのメンバーの素性は、元「ながし」の演歌歌手・永ちゃん(よこやまよしひろサン)、「祭り太鼓」の花形・ギスやん(ナガセケイ サン)、風俗通いのイカサマ野郎・フー太郎(内藤トモヤサン)、空き缶拾いの文字中毒・オーさん(田野良樹サン)、知的障害者のトオル(垣内あきらサン)、存在感ゼロの京都老舗料亭の三男坊・ガッソ(山岡弘征サン)ということがナレーションで紹介されるが、その真偽は分からない。いずれにしても何らかの才能・特技があり、それを活かして今一度夢を見る。
    その方法が既存には無いようなラップをyoutubeで配信すること。伝説のyoutuberになること。帰る家を捨てた中年男どもの悲喜交々。その男たちに80歳代の魅力的な婆さま2人が絡み、夢が実現出来そうであったが…。

    公演は、地を這うような人々(ホームレス)の目から見た政治や経済に対する不平・不満を吐き散らしながら、何とか生きている。そんな状況下でも夢を失わない。その過程で昔とった杵柄も活きてくるが、現実はそんなに甘くない。実に卑小な人間の姿が見えるが、その心底にある人間らしさのようなものに共感を覚える。

    気になるのが、1990年代の新宿西口にあったホームレスの人々の住む ダンボールが強制撤去されたことを思い出す。公演では2020年の東京オリンピックに向けてかかる費用が豆腐を数えるように一丁二丁(兆)と膨れ上がってくるが、足元を見れば生活困窮者がいるのも事実。外観・風紀を建前とした都会のホームレス問題、それをナレーションによる説明だけでは弱い。上演時間からすればもう少し膨らませることが出来たのではないか。

    もう1つは、舞台小道具が新聞紙の張りぼてだ。味わいはある。場面に応じて配置を変えるなど状況説明も丁寧であった。しかし、ホームレスの描きだとしても、群衆イメージがダンボールを人型に刳り貫いただけというのはどうだろう。

    ちなみに、ライムはラップ”韻(rhyme)"のことを指すらしい。
    次回公演を楽しみにしております。

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