満足度★★★★
小説のような
セットが綺麗でした。今回は、何と言っても女優さんが良かったです。前回公演でも拝見した堀さんのお芝居は、非常に見やすく、感情が良く伝わってきました。あんなに繊細な表現を形作って行ける演技力に感嘆しました。
満足度★★★★
作品世界を堪能
少年の頃は江戸川乱歩の小説に描かれた洋館に何とも言えぬ憧れを抱いたものだ。演劇において、舞台の空間表現というのはとても重要な要素であると思うが、この作品は戦前、戦後の混乱期に実在したであろう屋敷の一室にタイムスリップしたような錯覚さえ覚える見事な舞台美術であった。簡素なセットながら細部まで神経が行き届いていた。
またその舞台に出てくる役者たちが、不思議なものでその時代に生きていたであろう人間の顔をしている。中でも小笠原芙美子を演じた堀奈津美は、普段は能面のような表情だが、憎しみを抱いた時の眼の鋭さはたまらないものがある。
途中、探偵が後ろ向きの中腰でよく響く声で朔太郎の詩を朗誦したのは少々違和感があったが、前作からの流れでお駒さんと登場したという事情があったようなので、ご愛嬌といったところか。
満足度★★★★★
無題796(13-225)
14:00の回(晴)。2回目になります、1列後ろでみました。冒頭で「事件」がおこり、その理由を求めてお話が進む。説明に「帝銀事件」「甘酸っぱい香り」「血反吐」…凄惨な場面を連想させますが、舞台では苦しむシーンで終わる。死んだのは4人、捜査側の人物として4名、残るのは4人…うち1名は少女であり除くとすると…3人、単独か共謀か…それと「動機」。怨恨か、金の恨みか、色恋か。1回みているのに、これが結構考えながらみていました。
満足度★★★★★
まるで白昼夢・・・
連日の猛暑で頭がぼんやりしているせいか,盆の入りのせいか,そんな不思議な感覚のお芝居でした。
劇場は設定の古い洋館にぴったり!(廊下,お手洗いに到るまで)
舞台セット,照明,音響,衣装・・・それぞれが丁寧な仕事をして,ひとつの舞台を作り上げていました。
面白かったです!
探偵さんと駒子さんの登場はふっと緊張を和らげてくれました。
満足度★★★★
時代を”奏でる”作品
萩原朔太郎の詩集から取ったタイトル、
終戦から3年後の帝銀事件を扱ったストーリーと設定はもちろんのこと、
セット・衣装・音楽など全てがあいまって“時代を奏でる”よう。
客入れの時のBGM、たどたどしいピアノの「野ばら」が哀しい。
満足度★★★★★
お見事!
期待以上の舞台でした。
登場人物の微細な心理描写、役者の皆さんの演技、舞台美術、照明、音楽(ます、野ばら、魔王の使い分け)見事でした!
女性ならではの脚本、演出なのでしょうか、全てがきめ細かく丁寧なのが伝わりました。素晴らしい!更に小劇場の舞台セットでドアの向うの僅かしか見えない部分に蓄音機が置いてあるなんて驚きました。
印象的な場面は、ラストシーンの芙美子と伯爵の表情。鳥肌立ちました。
満足度★★★
独特の物語様式
話の展開が事件の経緯を辿りながらもセリフでくどくどとは説明せず間接的にじわじわと話の核心に迫ってゆく形式をとっているため、人間関係は分かるのだが初見の場合人物背景が少し分かりづらいかもしれません。また、そのため、登場人物の扱いにばらつきがでてきてしまい(例えば、刑事、探偵は登場するにはするのですが、特に探偵はほとんど活躍せず、その存在意義が不明になるなど)、話としてもミステリーや謎解きの要素はほとんどなくなってしまっています。
こうした物語様式なので演出面は工夫が凝らされており、例えば、最後のほうで大切な蝶を窓から外に解き放つ場面などは象徴的でそれだけで多くを語っていたと思います。
こうした物語は、ある程度その様式に慣れてくればとても心地よく魅力的なものになってくるのかもしれません。
満足度★★★★
よかったです
戦中・戦後のレトロな雰囲気が感じられるミステリー、大いに楽しませてもらいました。廊下を走る足音とシューベルトの歌曲が印象的でした。しかし探偵さん、何しに出てきたのかな。
少女の「足音」が、「蝶」の舞いに聴こえた
戦中•戦後の大邸宅で、「蝶」が舞い飛び、食卓に採れたての「ブドウ」を味わう。
周りの隣家は焼け野原、「ブドウ」など育てる土地さえ確保できぬなか、この大邸宅では それを陶器の専用皿へ置き、瑞々しさを得る。
開場中に印象的なことがあったとすれば、薄暗い室内に 座った制服姿の少女である。
高級チェアーへ腰かけ、分厚い書物を読み、そして時折、観客の方へ眼差しを向けた。
30分間以上も邸宅の隅にいる彼女こそ、この作品の主人公か、もしくは重要な人物だろうと、誰しも思った。
だが、彼女の眼差しを接する機会は ほとんどなく、「足音」が中心だった。
私は、今作の題名『蝶を夢る』を再び紹介したい。
写真プリントされた公演チケットには、母親=主人公が娘=制服姿の少女を抱き締める姿が あった。
公演中、何度も劇場へ響かせた“音”は「ドタバタ ドタバタ」という足音だった。当然 それは、邸宅を走り回った少女が発信源である。
この足音を よく聴いたら、「蝶」の舞う 「ヒラヒラ 」と似ているかもしれない。
台所へ行くのか、部屋に行くのか、食卓に行くのか…。
まるで「蝶」が どこへ飛ぶのか判別できぬように、その「足音」は邸宅をヒラヒラ舞うのだ。
公演チケットの母娘の姿、それはか弱い「蝶」を手に囲う昆虫青年(遊郭の女性?)の姿だった。
信州の「蝶」を囲んだ、少女の その行為は、母親へ見せようとした行為は、「わたし も蝶のように、お母様へ囲われたい」という伝わらないアピールだろう。
昭和の時代性に溢れた作品だった。
事件を扱い、探偵が登場した。
一つ、違和感だったのは、ラストの段階で戦後昭和のニュース音声が流れた点にある。
他の隣家から閉ざされた大邸宅のなかで、「蝶」をテーマとする事件が 起こり、物語としても密室性は高いはずだ。
戦後昭和のニュース音声は、逆に作品の持つ密室性を より高め、新聞に描かれる社会とは違った時代性を教えてくれる。
それは、「戦後復興」を喧伝する報じ方をした当時の新聞•ラジオの虚像も また同じだ。
満足度★★★
よかった
舞台装置、照明、音楽とよかった。
終始雰囲気よかったが椅子も快適で中盤少しうとうとしてしまい申し訳なかった。違うジャンルの芝居も観てみたいです。
満足度★★★★★
好きな作品でした
舞台装置等大変作品とマッチしていました。期待どおりでした。 昨日冷房が きつすぎたのを気にしてか今日の私の席は暑くて終わりまで汗が出てました。
満足度★★★★★
満足!
自分の好みの作風だったためか、とても楽しめました。
まず、舞台や衣装のバランスがよかったです。奥の部屋が少し見えてるのが個人的に良かったです。ただ扉の開閉の音が耳についたが、仕方ないか・・
次に、音響・照明。こちらも物語を上手く支えていたように思います。
そして、物語は不気味に静かに動いていきます。以下ネタばれ↓
最後に、チラシの雰囲気がそのまま舞台になっていて好感が持てました。また、こちらの劇団の作品を観に行きたいです。チラシ楽しみにしています。
満足度★★★
瓶の中のさなぎ
羽化したら毒々しい色と模様の「蛾」で、ぴっくりした経験はないだろうか?そんなことを思い出した。
「寒すぎて凍える」と言って、途中退場した人がいたのには驚いた。確かにちょっと寒かったけどね。凍えたくない方は、カーディガン等を持っていくこと。
満足度★★★★★
無題785(13-213)
19:00の回(やや曇り)。18:15受付、18:31開場。「LDK(2011/5)」以来で2作目になります。なので雪乃さんはもう中学生…大きくなっているのをみて「早いものだ」とかってに感慨にひたる。谷仲さんは先日JACROW(7/29)で、横森さん、市森さんはトツゲキ倶楽部(5/26)、堀さんもJACROW(1/7)、若林さんは38のライブが(2012/12)…Satokoさんは青果鹿(3/24)。
昭和25年、帝銀事件、貴腐ワイン…、洋館の一間、テーブルと椅子、ロッキングチェア、正面奧にはフランス窓、白いカーテン、蓄音機。
夏の虫の声、ぶどう、貴族、戦争、渦の中で発酵する怨念と情念。
18:46セーラー服を着た少女が椅子に座り本を読む、18:59前説、19:05開演〜21:06終演。会場である711の雰囲気とよくあったお話でした。
ぶどうを食べた後、手を拭くものがあった方が…。
魔王
頭の中をグルグル回っています。ちょっと登場人物と名前が整理できず、誰のことをいっているのかモヤモヤしてしまいました。(はい、もちろん自分の理解力の低さが問題なのです)初日のため、やや硬かった気がします。これからきっと、もっと良くなると思います。
満足度★★★★
とても
悲しいお話。。 レトロな雰囲気と没落していく上流階級の空気がよく出ており、とてもよくできていると思いました。 ミステリー風味もあり。 頽廃的な美しさに彩られた舞台でした。 音楽の使い方も素晴らしかったです!