初雪の味 公演情報 初雪の味」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
21-34件 / 34件中
  • 満足度★★★★

    【会津編】観ました
    簡素だが趣のある舞台セットの中で繰り広げられる、大晦日の家族の会話劇。普遍的な情景であるが、それだけに強い感銘を受ける。正月早々良い芝居を観れてよかった。

  • 満足度★★★★

    無題575(13-001)
    12:00の回(晴天、少し風、寒くはない)。11:10受付(整理番号付)、11:40開場。和知さんが出ていらしゃるのでみにきました。鎌倉編とは細かいところでは違っていましたが、セリフがわからないということはありません。2回目だからか、演出の違いなのか、少しおとなしいかなと感じました。それとも、年が明けてしまい、良い天気だったからか…。下手においてあるモノや、コタツに入る位置が変わっているのはそうとしても、コードがないのはどうしてだろう。
    11:56前説~13:42終演。

    ネタバレBOX

    母と弟、子どもたち、2つの世代のお話。一つの世代が終わると次の世代が始まる、だけが物語ではなく、町も年をとり老いてゆく。世代はゆっくりと気がつかれないように古い衣を脱ぎ捨てる。3人の子どもたちから次の世代は生まれるのでしょうか。そんな予感はしないけど、どこかにその芽はあって、春の訪れを待っているのでしょうか。

    和知さんは久々で3作目。

    オセロの様な障子..なにか法則があるかとみていたがランダムのよう。

    母の最期のシーンが素足なのは...だからかな。
  • 満足度★★★★★

    【会津編】
    2013年、初観劇
    毎年、繰り返される大晦日の風景
    少しづつ語られて行く、家族の関係と、変わりゆく人々の状況を興味深く楽しめた。本当なら一族として、昔から永延と繰り返され、これからも繰り返されるべき風景であるなずなのに・・・
    この後の【鎌倉編】も楽しみ♪

  • 満足度★★★★

    優しく刺さる
    何でもないようなことが、何でもなくない。所謂ドラマチックな刺激的な事件も起こらないのに、ドラマになってしまう不思議な作品でした。ピストルで撃たれる、ナイフで刺されると言った類ではなく、紙で指を切ったような感じで心に優しく刺さりました。

    ネタバレBOX

    他の方も書かれておりましたが、自分も幽霊は蛇足かなと思いました。使うとしたら、春さんだけには見えている体にした方が良かったのかなと。今まで出てた人がそのまま出てきても心では分かっていても、視覚的に見てしまうと効果が薄まる思います。
  • 満足度★★★★★

    【会津編】母の言葉
    【会津編】を観劇。
    “万感の思い”という言葉が浮かんだ。
    ふるさとの「家」は「家族」であり「母」である。
    これらいずれ喪うであろうものに対して、切なる寂しさを抱く人にとっては
    吉田小夏さんの台詞と役者の力の前に、涙せずにはいられないだろう。
    ”言外の思いが聴こえる台詞”が素晴らしく、
    思い出すと今も泣きたくなる。

    ネタバレBOX

    舞台に広々としたこたつのある居間が広がっている。
    横長のこたつのほかにはテレビもなく、会津の民芸品が飾られた棚がある。
    市松柄の障子戸の向こうは廊下で、上手は玄関、下手は奥の部屋へと続いている。
    八畳間の清々しい空間。

    この家には母(羽場睦子)と次男の孝二(石松太一)、それに母の実弟で
    結婚せずに役場勤めをしている晴彦(鈴木歩己)が住んでいる。
    長男賢一(和知龍範)と長女享子(小暮智美)が帰省してくる大晦日の夜を、
    4年間に渡って描く物語。
    最初の年の瀬、母は入院していて留守である。
    次の年、その次の年と母は家にいるが、最後の年は葬儀の後初めての大晦日だ。

    ふるさとの「家」は「家族」であり「母」である。
    そこでは毎年お決まりの会話が繰り返され、それが”帰省”を実感させる。

    母は次第に弱っていくが、比例するようにその言葉の重みは増していく。
    しばらく帰省しなかった長女が、その理由を話そうとして話せずにいるのを見て
    「無茶するな、でもどうしてもしたいことなら無茶すればいい」
    という意味のことを言って明るく笑う。
    享子は顔を覆って泣いたが、その包み込むような言葉に一緒に泣けてしまった。

    死後幽霊となって弟晴彦の前に現われた時は
    「旅をしないのも勇ましいことだ」と彼に告げる。
    町を出ず、結婚せずにずっと自分を支えてくれた弟の生き方を肯定する言葉に
    晴彦は涙をためて姉を見つめたが、私は涙が止まらなかった。

    初演は8年前、これが4度目の再演だというこの作品で
    羽場睦子さん1人が初演からの出演だという。
    この人の体温を感じさせる台詞が素晴らしく、
    役者が年齢を重ねることの意味を考えさせてくれる。

    弟晴彦役の鈴木歩己さん、素朴で実直な独身男の不器用さが
    そのたたずまいからにじみ出るようで秀逸。
    姉を喪い、家も買い手がついて、この人のこれからを思うと
    どれほど寂しいことだろうかと、私の方が暗澹としてしまう。

    次男孝二役の石松太一さん、「キツネの嫁入り」でも素晴らしかったが
    定職にもつかず母と同居して、何かしなければと焦っている様がリアル。
    女に振られる辺り、多分したたかな女に振りまわされたのだろうと充分想像させる。
    素直で世間ズレしていない感じがとても良かった。

    吉田小夏さんの作品には、いつも滅びゆくものに対する哀惜の念を感じる。
    部屋のしつらい、繰り返される行事、慣れ親しんだ習慣、そして方言。
    何気ない家族の会話がひどく可笑しいのは、このおっとりした会津方言の
    音やリズムのせいもあるかもしれない。
    タイトルの「初雪の味」のエピソードも、人生の苦味を感じさせて味わいがある。
    じわりと変化する照明も巧いと思う。

    アフタートークには田上パル主宰の田上豊さんが登場、
    今回方言翻訳・会津編演出を担当した「箱庭円舞曲」の古川貴義さんとこたつで対談。
    田上さんも熊本の方言で芝居を書くそうで、方言の演出についての話が面白かった。
    標準語を方言に直すと句読点の位置がずれるという。
    個人の言語感覚の根底にあるのだなあと改めて思った。

    私の2012年のラストを飾る1本は、
    言葉の美しさと台詞の妙、役者の力がそろった作品だった。
    滅びゆくものたちへの言葉、それはまさに演じては消える生の舞台の宿命にも似て
    だからこそ私たちはまた劇場へと向かうのだろう。
    儚いものを目撃するために・・・。
  • 満足度★★★★

    良質のホームドラマ
    鎌倉編。ワイルダーの「長いクリスマス・ディナー」の大晦日版の趣。今年の観劇納めにふさわしい作品でした。

  • 満足度★★★★★

    母親の穏やかさが身に染みる
    鎌倉編堪能。家族の輪郭はつくづく母親が作るものなのだと実感させられました。母親が優しく穏やかであること、これが家族の雰囲気をもっとも理想的に形作るのかと感じました。ここでの典子さんは菩薩のような母親で、その周りに居る家族たちも、みんなが少しずつ思いやりを持って接している様子が素敵でした。年に一度しか戻らない長男と長女ですが、その繋がりの深さも読み取れて、優しい救いのある舞台でした。

  • 満足度★★★★

    【鎌倉編】しみじみ、じんわりと伝わってくる
    ある一家の4年間にわたる大晦日の夜を綴った物語。
    どこにでもありそうな、家族の話。
    そう、料理で言うと、まるでお惣菜を食べているような気分になる。
    なのに、舞台に惹き込まれる、目を離せない!
    上演時間95分。

    ネタバレBOX

    脚本家の吉田小夏さんは、こんなことをきっと伝えたいのだろう、と
    推測しながら観劇。

    シンプルな題材でありながら、観劇する人によって、見方、感じ方が
    違う作品のような気がする。

    私はこういう何気ない日常を創り上げる、脚本、演出の力量は凄い!
    また、それに応える役者陣も素晴しいと思った。

    芝居好きの人に、特にオススメかな。
    自分なりの答えを見つけたら、楽しいと思う(笑)。

    ちなみに、一緒に観劇した友人(観劇歴はそこそこ。初心者ではない)は、
    「役者陣は良かったし、芝居に惹き込まれたけど、結局何を言いたいのか分からなかった。
    好きな人は嵌る作風というのは分かるなあ」という感想だった。

    芝居というのは、観る人により本当に感想は様々であり、
    だから実際に観たくなる(笑)。
  • 満足度★★★★

    薄着じゃない?
    チケットプレゼントにて鑑賞。面白い。

    ネタバレBOX

    鎌倉の実家で過ごす家族の大晦日。その4年間。

    山本晴彦(藤川修二)…典子の弟(実弟でよいのかな)。三兄弟のおじで父・松沢孝博死後、典子の家の世話をする。なんか特別な想いを抱えている。俳句好きの公務員。
    松沢典子(羽場睦子)…母。過労で入退院後、やはり体調不良で死去。
    松沢賢一(荒井志郎)…長男。大阪の会社勤務。彼女・ナカタニミキとは別れた。
    松沢享子(福寿奈央)…長女。やはり家を出ている。なにかに悩んでいることを母にも言えずにいたが、結局、母の位牌に報告することに。晴彦に雪が甘いと騙された。料理が下手。
    松沢孝二(林竜三)…次男。働きに出ず、家事をして過ごしていることの引け目と劣等感をもち、海外でのワーホリを考える。恋仲だったと思われる麻衣の結婚の話にすすり泣く。
    田中麻衣(大西玲子)…典子が通う町医者のとこの看護師。そこの息子と婚約した。ハリポタを孝二から借りてた。

    享子が31→34歳くらいとのことなので、30台に突入した息子らと60前後と思われる母との会話、及びその置かれた状況にチクチクきた。恋愛・仕事・家事・親の老いと、場所や時間って意味でリアリティが半端ない。

    話は、母が死に家(土地)が売れることになる。三兄弟は一応自活していて、「家」が無くなっても生活に変化はないだろう。晴彦も駅近くにアパートを借りるというし。
    しかし、「家」=「母」の母がなくなり家もなくなる…その空虚さはなんだろうかしら。三兄弟は自ら選択して家をでて「家」をどこかで持ったわけだし、母が先に亡くなるのは自然だし、悲劇でもなんでもないのに。

    舞台空間を創るのが上手い。美術もいいし、演技もいい。台本もいい。
    雪ってあんま降らなくなったけど。「大晦日」前に見といて良かった。
  • 満足度★★★★★

    初・青☆組観賞
    15時会津編→鎌倉編2本を1日で観ました。こんな観劇初めてだったので非常に面白かったです。方言の違いはあるとは言え、同じ脚本、同じ装置なのに違う家族を観たかのような気分です。でも本来家族はみんな違うので、それが自然に感じられたのが面白かったです。1本ずつ観たり、観る順番が違ったらどう感じるのかまた興味深いですが、2家族それぞれに感情移入しました。途中、劇場の前を火の用心が通り、その音さえも年の瀬を感じさせ舞台と一体化して透明で静かな時間を過ごせました。

  • 満足度

    内容がない
    正直、このお芝居の評価がこんなに高い理由がわからない。エピソード的なものは何も起こらず、浅いセリフがサラサラ流れていって、よって、深いセリフも全くなし。何がテーマなのかもわからない。前に見た「きつねの嫁入り」みたいにどんでん返しがあるのかと思って、最後まで見たけどそれもなし。一体何がいいのかわからない。これで3400円もは高すぎ、お金返してくださあい、まじで。

  • 満足度★★★★★

    【鎌倉編】観劇
    切ないです。とりあえず、今年の正月も帰省します。

    ネタバレBOX

    数年に亘る大晦日の話。

    親がかすがい、家がかすがいですね。

    人生の時期ごとに家族、特にきょうだいの意味合いが異なってきます。一緒にいるのが当たり前の時期から、エネルギーを使わなければ集まれない時期へ、ある時はエネルギーを使ってでも集まりたいと思ったりと変貌します。

    母親が亡くなり、実家も売り払うとなると、同居していた叔父さんのアパートに集まることになるというのですが、さて、来年の大晦日は集まるかもしれませんが、どうでしょう、次の年は微妙です。決してそれが悪いわけではありません。各自の人生のステージにおいて当然の帰結ですが、ちょっと切ないです。

    ところで、幽霊物は好みではありません。8年前の作品なので今の吉田小夏さんなら恐らくそうはしなかったとは思いますが、亡くなった母親の登場場面は幻想にしてほしかったです。特に、向こうには向こうの約束事がある的なフレーズは確信犯で、こちらとしても幻影に置き換えることはできませんでした。ふと気づくと長女と入れ替わっていたなんてことができれば最高だと思いました。

    アフタートークでてがみ座主宰の長田育恵さんが話された鎌倉の小町通りは井上ひさしさんとの思い出の地だった発言はとてもとても印象的でした。
  • 満足度★★★★★

    てがみ座長田さんと小夏さんトークセッションもたのしい♪鎌倉編、超混雑ヒット中!!
    正面の廊下ので入りが演出のポイントになっています。演出小夏さんが心を出し入れしてみせたところなのかもしれない。夢や人間のたましい、過去と現実が去来。家族の歴史と痛みの歴史。かわらないのはいつも「いま」の泣き笑いが絶好調なことお。そしてことしも暮れてゆく。

    ネタバレBOX

    笑いのポイント満載ですよ!!
  • 満足度★★★★★

    無題563(12-306)
    19:30の回(小雨)。少し早めに着いたのでマックでコーヒー。アゴラまでならなんとか傘をささなくても行けそうだったので歩く。と、会場前で声をかけられ、振り向くと今夜のアフタートーク・ゲスト長田さん。先日「青のはて」をみたばかりで、ようやく宮澤作品を読むことにしましたとお話する。来年のミュージカル「by the sea(長田さん作・脚本・作詞)」は予約済み。
    「長田さん」「鎌倉」で今夜の公演を選びました。受付していただくとチケットには整理番号。開場時間まで奥の部屋で温まっていると、てがみ座の今泉さんがいらしたので少しお話。

    19:10開場。広い畳の和室、白いのは雪のイメージでしょうか、四角く敷かれた畳、大きなこたつ、湯のみ、年賀状、辞書。畳の辺、外と内との境には囲うように白木、その外には白い玉砂利が敷かれ、雪が積もったようであり神聖な趣。左右に3本ずつの木柱、これも白、みな長さが違います。能舞台の柱に近いものなのか...。奥には白い障子、ところどころ抜けていてそこは黒、廊下の向こうは黒...大晦日の夜。下手にえんじ色の台、こけし、毬、鳥笛、陶器、雑誌??。上手は台所へ通じ、えんじ色ののれん。限られた色の舞台。19:24吉田さんによる前説(95分)、空調がとまり開演~21:07終演、21:13~21:36アフタートーク。駅まで傘をささず歩く。

    何とか会津編も、和知さん、みたい。


    ネタバレBOX

    アフタートークでも、鎌倉、横浜という地名がでて、質問されたお客さんも鎌倉ということ。個人的に...生まれたのは横浜市(但し小さすぎたので記憶なし)、育ったのが鎌倉市。北鎌倉駅で降り、円覚寺、葉祥明美術館、建長寺、明月院、横から八幡宮へ、鎌倉小町通りを歩き鎌倉駅へ、海まで歩いても、江ノ電に乗って江の島へ行っても、これがお気に入りのコースでした。

    先日、その実家を引き払ってきました。何十年も住んでいた家、何もなくなってしまった家。周りの風景が、物心ついた時からのことが、幾重にも幾重にも、繰り返し、思い出されます。

    遊んだ場所、通った道、今もかろうじて残る商店街の片隅のお店。

    いつもと同じ大晦日、そうではなくなった大晦日。静かな舞台と演技は、深々と降っているであろう雪に包まれたような感覚にさせてくれます。

    ときどき聞こえていたのは除夜の鐘...横浜は船の汽笛ですね。

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