満足度★★★★
(いい意味で)まるで古典のようで
骨太で洗練された戯曲。
因縁や因習を軸に織り成す物語。
セットも生演奏もとてもいい。
当日パンフレットには、この舞台に関連する情報が丁寧に書かれていたが、これはそこまで説明する必要があったのか、と思ってしまう。
確かにそれがあるとないとでは、内容を理解するのに違いが出てしまうのだが、舞台は舞台で簡潔してほしいと思うので、ここまで必要はなかったように思う。
ただし、役者がこの戯曲には若すぎた(年齢ということではなく)のではないかと思った。
彼らにふさわしい戯曲か、戯曲にふさわしい役者だったら、と思った。
この劇団、今後も注目したい。
満足度★★
不思議な時間
聖書のサロメとオスカー・ワイルドの物語を日本の昔話でやってみた!な現代版和製サロメでした。
劇場は舞台と客席が混在していて360度で演技を楽しめるようになっていて新鮮な観劇の方法で楽しかった。
サロメの人間関係を現代版でやってしまうと人間関係がドロドロでなんともいえない気持ちに・・。今話題の尼崎の事件のような感じに・・。
終始幻想的な雰囲気を醸し出していてとても不思議な時間を過ごしました。
満足度★★★★
観た
劇団もサロメも初見。
劇場の使い方が面白い。
不思議な世界観で生演奏や照明、セットが幻想的な空間を作り出す。
日本の神話や昔話のようで美しくも切ない物語だった。
満足度★★★★
中々
ワイルドの「サロメ」が余りに有名な為か、戯曲シナリオというより、
作家性の競争を挑んだ頭でっかちになってしまったようである。
作家として、決して、それが悪いということではないが、ワイルド版「サロメ」が
内包している内容をあたり前の事として受け入れ得る現代ヨーロッパの文化的情況に比して日本のそれは余りに貧弱で殆ど瀕死の状態と言って過言ではない。その分、説明的になった部分を煩いと感じるのだ。演出も、この辺りは、難しい判断を迫られたに違いないのだが、事情が許せば、矢張り演劇の本旨に立ち帰って肝心要の所だけを、象徴を使うなどして、もっと様式的に
作っても良かったのではないだろうか。音楽もサティーの曲を想起させるような生演奏が入るもので、それなりに楽しめたし、役者陣の一所懸命な演技もあるのだから、その辺りを上手く、分解し、余分な所は切り、更に緊密な再構成を図ることで、一段、演劇的に高い場所へ行くことが出来よう。
満足度★★★★★
無題507(12-250)
19:30の回(晴)。18:52受付、18:54開場。「ベルナルダ〜」に続いて2作目。以前(2011/10)、「絵空箱」で梅田さんの二人芝居をみていまして、またみたいなぁと思い続け、ようやくの観劇。とはいうものの「サロメ」は絵画(首…)でみた程度で、今夜も予習を怠ったのでありますが、当パン(カラー)に丁寧な解説があったので熟読。4面に客席(各2列、クッションは厚め)、入口入って奥に座ります。下手にピアノ、「樹」が二本、細いのと太いの、素材は何だろう(銀色?)、何かの繊維のようなものでできている。根のあたりにはいくつもの「石」、みな丸い。「大樹」の根元の石は2-3つ積み上げられています…賽の河原の石積みかと思った。みると舞台の隅のほうにいくつもの石。ほの暗く狭い所という印象を受けます。BGMはなく、お客さんの話し声、足音、などが聞こえる。19:16、19:26前説〜19:32男性が一人ピアノのほうへ、下手からハミングが聞こえ、暗転〜21:43終演。梅田さんにご挨拶。また、加欄さんにもお声をかけることができました。
満足度★★★★★
千秋楽に行きました。
小手先ではない演出が見事で、緻密に重ねられて浮かび上がる世界を言葉には出来ません。観ている方を引きずり込ませ、何だか深遠なあの世と此の世の狭間にいるような気になりました。向かいに座るお客の顔が浮かび上がるたびに浮遊している霊魂のように思えたのはわたしだけかしら。ピアノの音色が素敵で決してBGMのように場面を盛り上ず、場面を豊かにしていたのがすばらしかった。照明や美術、衣装どれをとっても完成度が高く上質な舞台でした。
満足度★★★★
複数の世界の重なり
世界観に引きずられ、グルグルと巻き込まれるような、力強い舞台でした。不安定なようでいて、不思議に安定しているし、雑多なようでいて、まとまっているような、詩的な世界が美しかったです。
満足度★★★★★
素敵な和風サロメでした。
オスカーワイルドのサロメより、幻想的で切なくて、全体が一遍の叙事詩のように感じ、わたしはこのサロメはとても力強く繊細に描かれていて素敵でした。それから役者さん一人一人が輝いていましたね。こういうのが贅沢な大人の芝居でしょう。生演奏が芝居に遠近感を醸しだしていて、役者が歌うどの歌もしみじみと胸に響きましたよ。ウンプテンプ・カンパニーの芝居にははっきりとした心を感じます。
満足度★★★★★
良い芝居でした。
生と死の狭間でのたうち回る人間というものを美しく描いていた。死を描くことは、生きることの意味を提示しているのですね。それにしても何回こみ上げてきました。これぞ見応えのある良い芝居ときっぱり言いたい。美術も衣装も音楽も演技も演出も、その一体感はお見事でした。(拍手)
満足度★★★★★
この不思議さは何?
場面がめまぐるしく変化しストーリを追えなくにってしまうが、涙が止まらないのは何故なの?次第に舞台からの熱量が圧倒していった。見事に期待していたサロメを裏切ってくれた。観終わった後に波が引くように不思議な感慨が心に残った。
悲しいかな、私には
この作品を理解する能力がなかったようです。 状況が理解できず途中から思考停止、ただ眺めているだけとなった。 なので、評価する資格もない・・・。
満足度★★★★★
胸を掻きむしられた。
この芝居は死んだ者への弔いの話なのだと感じた。それは島崎藤村の歌が胸に響いたからだ。また生演奏は実に効果的だった。複雑に展開する場面は物語を越え一人一人の人の在り方を魅せてくれた気がする。この芝居は安徳天皇の落人伝説と歌舞伎の俊寬の流刑地のあの島を想定しているのだろうか?そしてウズの花がウズメが脱ぎ捨てた烏帽子とは驚いた、アメノウズメ神話と結びつく。悠久の神話を巧みに取り入れ、今回の和風サロメは知的好奇心と、切ない情感とで頭が混乱して、胸まで掻きむしられた。
満足度★★★★
「首を所望せよ」
あの“預言者ヨハネの首を所望したサロメ”の話が
平家の落人伝説が伝わる小さな島に場所を移して語られる。
古風な島言葉と島崎藤村の詩を用いた劇中歌、設定ががらりと変わることで
“男と女”の普遍的な“不可解さ”が浮き彫りになる。
そうだ、預言者の首を所望せよとサロメに告げたのは、この母親だったのだと思い出させるような舞台だった。
満足度★★★★★
イザヨイの穴
「イザヨイの穴」に漂着した者から伝説の得は刻まれ、受け継がれた記憶と神話を元に小さな島で起こるファンタジーだった。美しい音楽と歌声が繊細で非現実的な舞台に相応しく、異空間に引きづり込まれたような感覚に陥りました。
満足度★★★★★
やはり濃密で綺麗な舞台でした。
なるほどそう来たかと感心しました。にしてもウンプテンプ・カンパニーの芝居は奥深いものを感じ、簡単に感想など書けない。前作とガラッと違う作風にも驚きました。