ザ・キャラクター 公演情報 ザ・キャラクター」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
21-40件 / 46件中
  • 満足度★★★★★

    言葉遊びが、本質を焙り出す見事さ
    まず、会場に着いて驚いた。四季の劇場かと思った。
    高校生らしき学生団体が、引率されて来ている。
    ちょうど、あの事件が起きた頃に、生まれた世代。
    こんな芝居を学校で観に来る時代になったかと、まず感激!

    そして、野田さん!「ハイパー」で、もう才能が枯渇したかと心配になって、実は、恐る恐る観劇。
    大丈夫でした!!やっぱり、野田さんはスゴイ!!
    稀有な劇作家でした。

    あの事件を、こんな舞台設定にして、言葉遊びと見せかけて、見事に、人間の本質を焙り出して行く才気に満ちた台詞選びの術。
    そして、事件をただ踏襲するだけのドキュメンタリー的な芝居ではなく、きちんと、野田さんの劇世界に変換する作劇の妙!!
    素晴らしい!!こんな劇作家は、やはり他にはいそうにありません。

    役者さんんも、皆良かった!宮沢りえさんの台詞は、どうしていつも、あんなにストレートに、心にダイレクトに響くのでしょう?
    スゴイ女優さんだといつも思う。
    藤井さんの舞台も、観る度、思う。この方、本当に、才能ある俳優だなと。
    野田さんは、いつでも、安定した女優さん振り。チョウ・ソンハさん、演技も動きも期待通り。銀粉蝶さん、やはり、適役。
    古田さんも、役に合って、実に良かったし、橋爪さんも、「ハイパー」より、ずっと、橋爪さんであるべき必要性を感じた。
    ただ、アンサンブルの役者さん達は、動きは、演出の言う通り実践できて、素晴らしかったのですが、まだ経験不足な方が多いせいか、台詞が明瞭に聞き取れない方が多く、その点は残念でした。

    やっぱり、こういう、本当に頭脳明晰な劇作家の書く芝居は、脳と心を刺激してくれて、演劇の醍醐味を思う存分感じました。

    ネタバレBOX

    あの事件を、書道教室に設定にした、野田さんのアイデアに、まず心底感嘆しました。字を書き、写経する内に、刷り込まれていく危うい情報の怖ろしさが、ストーリー展開上、違和感が全くなく、だからこそ、他の芝居にも増して、野田流言葉遊びの術が生きて来る、素晴らしい構成術。

    野原に置きざられた、中からは開けられない冷蔵庫とか、ギリシャ神話とかと結びつけるアイデアも、とにかく、他の作者には、思いもつかないような、野田さん独自の知恵の凝縮した、スゴイ作品でした。
    あんな大それた事件を起こす集団だと認識していなかった、テレビの中のワイドショーメンバーの呑気な笑い声と、テレビ番組のリアルさにも、身の毛がよだつ思いがしました。


    あの事件の生々しい記憶がやや風化し始めた折に、静かな怖ろしさの再体感で、気持ちがザワザワとしました。
    血や、猛毒の薬は実際目に見えないのに、書道教室の床に流れた、夥しい墨汁の跡が、どんなリアルな小道具より、数等不気味に見えました。

    フツウが、だんだんんと変容して行く様子が、本当に壮絶な感覚で、観る者の心に刺さる、衝撃の舞台でした。

    重い気持ちを引きずって帰ろうとしたら、後ろから、「ねえ、あの弟役の俳優、良かったね。誰だか知らないけど…」という、声が聞こえ、かなり以前からのチョウ・ソンハさんファンとしては、大変嬉しい気持ちになり、少し、気持ちが明るくなれて、幸いでした。
  • おもしろかったー
    野田作品は、久しぶりに見ました。
    宮沢りえさん、すてき過ぎでした。

  • 満足度★★★★

    感慨深い
    抵抗感のあった野田作品を初観劇。評判の高さを思い知る。セリフもセットも演出も、もちろん演技も素晴らしかった。古田さんはどんな舞台でも存在感すごい。宮沢りえさんは完全にノドやられててすこぶる残念。チョウソンハさんの躍動感ステキでした。
    時を同じく観劇していたクロムモリブデンの「恋する剥製」を思い出す。似たような題材でも描き方でこんなに違うのだと、改めて演劇の奥深さにしびれました。

    ネタバレBOX

    でも、観終わった後、不思議な重圧を身体全体から感じ、その足で軽妙なクロムモリブデンをもう1回観に行ってしまいました。リピート割りで値段6分の1以下・・・演劇って不思議すぎる。
  • 満足度★★★★

    おもしろい!
    「言葉遊び」というのはこういうものなんだと勉強になりました。
    銀粉蝶さんステキです!

  • 満足度★★★★

    相変わらずの
    安定感。ちょうど良い感じ。

  • 満足度★★★★

    見た。
    アンサンブルの動きが面白かった。黒田さん振付の効果?
    富士山アネットの寧さんがいてやはり凄い体。目で追ってしまう。
    古田さんがオモシロこわかった。盤石。
    (展開の多さからか)少し長く感じたが、行きつくところがそこっだったのかぁ、
    と意表を突かれるところは、やっぱり野田作品。もっさりしてたけど好きだ。

  • 満足度★★★★★

    おもしろかった
    前半はことば遊びを楽しんでいましたが次第に引き込まれてしまいました。ことば遊びをしつつもことばを非常に大切にしていることがよくわかる作品です。そして重いテーマに向き合いつつ、どこか他人ごとにしていた私たち一人ひとりに現在の私たちの問題を突き付けてくる作品でもあります。
    後半は少しリアルすぎた感もありますが、全体としてはハイテンポに話が展開していきあっという間に2時間が過ぎました。久しぶりに良い作品に出合いました。演劇の魅力を知ることができおもしろかったです。

  • 満足度★★

    がっかり
    このテーマでこのクオリティの作品まで持ってくるのは難しいことなのはわかりますが、重いテーマに逃げている気がしました。
    絶対に忘れてはいけないことだから、作品に対する純粋な批評がしにくい。


    野田地図ってまだまだこんなもんじゃないはずだと思いました。

    宮沢さんは完全にのど潰れててセリフ聞こえなかっとこあったし。

  • Character
    これは前知識不要かと思います。なんともぞくっとします。

    宮沢りえさんが「透明人間の蒸気」のときとはまったく別の声で驚きました。
    あんな声も出すんですねぇ~若干かすれているようにも思えましたが。相変わらずキレイでした。。

    銀粉蝶さん観られてよかった!
    チュウソンハさんが舞台を駆け回っておりました。
    なんか観たことある人が…と思ったら、冨士山アネットの長谷川さん出演されてたんですね~

    ネタバレBOX

    タイトルどおり、ことば遊びが濃かったです。
    一部聞き取れなかった。。

    古田新太さん、
    龍馬伝の武市半平太を思い出しました。
    ワルくてチャラくて憎めない教祖でした。

    物忘れ…。「あれ」って言わないようにしようと思いました。
  • 満足度★★★★★

    堪能!
    チョウソンハさんが出演するので観に行くことに。・・・初NODA・MAP
    今まで食べず嫌い(観ず嫌い)だったことに反省。
    言葉選びに動き・・・ハマるのもわかる気がする。次が楽しみだから・・・

  • 満足度★★★★★

    私たちは、忘れてしまう、私たちは、忘れないでいられるか
    うまい人たちの「軽々さ」が素晴らしい。
    舞台に引き込まれた。
    そして、そこでは、私たち(人間)の「本質」のようなものが示されたように思えたのだ。

    ネタバレBOX

    あいかわらずの言葉のチョイスに、思わずにんまりしてしまう。
    言葉遊びの中に紛れ込ませる意志。

    群舞とも言えるような、人々の動きが、このテーマに重なっていく。
    中でも、冨士山アネットの 長谷川寧さんのキレの良さが光る。

    古田新太さん、橋爪功さんの、軽々と演じているように見えてしまうところが、素晴らしい。安心感もある。
    それにつけても、宮沢りえさんの凄さはどうだろう。声に張りがあり、まっすぐ響く。

    この舞台の中心となるエピソードは、これだけの年月がたたないと扱えなかったのか、と改めて思う。
    しかし、そこには、救いもないし、総括すらもない。それは自分で考えろということなのか。

    初めて、例の宗教団体を見たのは、スピリチュアルが流行っていて、宗教(特に新しい宗教)がちょっとしたトレンドだった頃の、深夜の討論番組だった。そのときTVから感じた私の印象は、「思ったよりも、ちゃんとしているじゃないか」だったのだ(!)。
    舞台でも、同じように、ごく「普通」の書道教室があり、それが少しずつズレていくのだ。
    そして、いつも入り口は「普通」。その恐ろしさがある。

    人はエスカレートする。調子に乗るとも言う。祭り上げられると、言い直しも後戻りもできない。妄信的な「信者」がいればなおのことだ。どのような集団でも「妄信的な信者」の声は大きい。

    大勢でいると「声の大きい者」に、つい従ってしまうというのは、日本人的なことではないだろうか(いや、日本人だけではない、少なくともヨーロッパでも先の世紀では同じようなことが起こっていたはずだ)。
    「NO」どころか、単なる疑問でさえも差し挟むことができなくなっていく。「和」を乱さない人々なのだ、我々の多くは。

    この舞台では、あの事件を中心に据えているのだが、より深読みをすると、日本人そのものの特性(人間そのものの特性)のようなものを暴いているのではないだろうか。

    つまり、(たぶん)戦争に突き進んだ時代でも、それは「普通の顔」をしてやってきて、それを「「妄信する信者」の「大きな声」に、なんとなく従ってしまい、「NO」となかなか言えないまま、「後戻りできないところ」まで行ってしまったのではないだろうか。

    チョウソンハさん演じるジャーナリストは、筆1本で世界を変えると言っていたのだが、簡単に「あちら側」に取り込まれてしまっていた。
    これは戦争の時代のマスコミでもあり、今だって、マスコミの「声は大きい」。そして、我々は、たやすく「踊らされて」しまう。

    それは、戦争などの、大きな出来事だけのことではなく、学校や会社でも似たようなことが起こっているのではないだろうか。

    群舞に象徴されるような、個人ではない、大衆のようなモノ。それがいつのまにか、意見を一致させ、思い思いの動きを封じ込めていく。
    どこで「NO」言うべきだったのか。いつ自分の気持ち、考えを伝えるべきだったのか。その中にあっては、気がつかないことでもある。

    一点だけ気になったのは、この「書道教室」だった場所に集っていたのは、「心を病んだ人たち」だったのだが、それを起こしたのは、何もそういう人ではなく、「普通の人」だったのではないだろうか。
    ただし、「変えたい」という欲求だけは共通していたのだと思う。そういう「変えたい気持ち」が原動力となり、さらに加速させるための燃料となっていくのだ。
    つまり、それを起こしたのは、「普通の人だった」と強調することで、より大きなテーマが見えてくるように思えた。

    この舞台では、「あの事件」を「忘れない」というよりは、自分たちは「そういう特性のある人間なのだ」ということを「忘れない」ことこそが大切であると示しているように思えた。

    つまり、ラストに、薬品の入った袋を傘で刺すのは、自分なのかもしれないし、誰かに、そうさせるのが、大衆となった自分たちなのかもしれないということだ。
    そういう状況を作り出すことに、警戒心を持て、と言っているように聞こえた。

    だけど、いつも「忘れてしまう」のだ。
  • 満足度★★★★

    見てきた
    野田さんの言葉遊びは素敵。
    聞きあたりのよい言葉が心地いい。

    内容は重いなぁ・・・

  • 満足度★★★★

    ああ、このせりふまわしは!
    前半はまさに野田秀樹!!って思えました。なぜ、今、この主題を取り上げるのか??まだまだ1回観ただけじゃわからないです。セリフを読みこんで見えてくるものがあるのではないか、と思います。確かに出演者個々のキャラクターは立っていましたよね。んー、タイトルがまだ理解できていないです。そういう意味では観劇後も楽しいですね、いろいろ想いは巡りますから。

    ネタバレBOX

    私の先輩もオウム被害者です。今も後遺症があります。そんな意味でも、涙が出ました。でも、もう誰が被害者で誰が加害者か?とか、そんなこと意味がないようにも思えて来ます。それが、あのセリフにも出ていたと思います。少し前の日本。今はそのように何かを信じることさへ失ってしまっているのではないでしょうか。
  • 満足度★★★★★

    衝撃的
    見終わった後しばらく立てなかった。そのくらいの衝撃を受けました。芝居からのメッセージがあまりにも強すぎて、頭を鈍器でぶん殴られたような衝撃でした。面白いか面白くないかと言う議論は少し難しいかと思いますが、すごいかすごくないかと聞かれたら間違いなくすごいです。

  • 満足度★★★★★

    「ザ・キャラクター」
    待ちに待った「ザ・キャラクター」。
    チケット買ってからどのくらいかな??

    書道教室で、、、ギリシャ神話の世界で、
    あの誰もが忘れてはいけないあの事件がつながるなんて、、
    野田秀樹脚本って本当におどろかされる。すごい。
    どうすると、ああなるのかしら??
    しかも、その事件すっかり忘れていた。。はっきり思い出した。

    B列だったので、細部まで今回は見えた、いえ見えちゃった。
    離れて見たらまたなんか違うのかもしれない。

    りえちゃんはパイパー以来、力強い演技、目がはなせない。
    橋爪さん、うまいなぁ。野田秀樹さん、おもしろい、いつも。

    銀粉蝶さんが復活したバージョンが観れてよかった。

  • 満足度★★★★

    まさかの内容で驚いた。あの事は風化させてはいけない,と。
    タイトル、出演者から予想していた内容とは全く異なる、まさかの内容で驚きました。
    あの事を、風化させてはいけない、と。

    ユーモアも、ちりばめられてはいても、時々ドキッとする、ゾッとする瞬間がある。
    そして、そのテーマは重くのしかかる。
    集団の中で何かが変わり続け、その内に誰にも止められずにエスカレートしていく怖さ。

    また、今回は「書道」が大きくかかわるため、言葉遊びもいつになく多い。
    その「紙」を、ギリシャの「神」に引っかけて、そこにもおおきく比重がかかっています。

    宮沢えりさんは、細い体に力強い演技。
    古田さんは、変わらず飄々と堂々とした貫禄で悪役を担う。
    銀粉蝶さんは、稽古中にけがをされて、途中からの出演。
    今回はいつになく若く元気な印象でした。
    そして、なによりも、ポスタービジュアルにも通じる、
    アンサンブルによる、からみつくうごめく人々が迫力あり。

  • ああもう
    面白かったです。面白かったです。今回も立ち見で見ました。
    この時期に●●の話が出てくるところがたまらない。そうだよね、人は忘れてしまうんだよね。

    私が見た回は銀粉蝶さんの代役の回で、たぶんその初日だったと思いますが、大活躍で、彼女にも惜しみない拍手を送りたいです。

  • 満足度★★★★

    NODA-MAP版「これからの「正義」の話をしよう」
     字事ネタあり、時事ネタもありで、ちょいちょい客席の笑いをひきだす舞台。
     存在がすでに奇天烈な古田新太さん、トボけたセリフ回しの可笑しい橋爪功さんをはじめ個々の役者さんそれぞれに上手でした。
     一緒になって笑いつつ、さすがに場面場面の単発ギャグが多くて、物語が散漫だと感じました。でも‥(以下ネタバレBOX)

     私が「ザ・キャラクター」の登場人物だったら、どうするのだろう。
     最近、書店での売上を伸ばしている、マイケル・サンデル著
    「これからの「正義」の話をしよう いまを生き延びるための哲学」を思い出しながら観ました。

    ネタバレBOX

     某カルト教団の事件を下敷きにした物語は、後半崖を転がり落ちるようにグジャグジャになっていきます。その重さとバランスを取るために、笑いは必要だったのかも。

     哀しいことに、実際の事件が目の前で起きるまで、私たちはあの集団の表面だけをみて笑っていた。かつてこの国では、確かにそういうことが、あったのです。十数年で、すっかり忘れていました。
     それを思い出しただけでも、この舞台を観た価値があったと思います。
  • 満足度★★

    説明しにくい
    観た感想をどう表現していいのか難しい。出演している役者さんはそれぞれの役をうまくこなしている。効果音、照明等、演出も悪くない。ただどうもストライクゾーンから少しはずれている。脚本がしっくりこのいのか。うまくまとめられない。

  • 満足度★★★

    どう解釈すれば良いのか
    ちょっと話が長すぎかな。
    でも、宮沢りえちゃんは秀逸です!

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