隔たる 公演情報 JACROW「隔たる」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2026/08/12 (水) 14:30

    JACROW『隔たる』

    初めてのJACROW。これまで経済/企業物の上演を他の劇団で拝見して、企業に勤めていた者からすると、あちこち、時には大きく企業の現実とかけ離れていて観ていて辟易していたこと、政治は、現実の政治にあきれていて、演劇でことさら見ようと思わないこと、もちろんJACROWが上演する作品は見る価値があるのだと思っていたけど、ということでこれまでJACROWを拝見していなかった。いつまでもそうは言ってられず、今回は企業/政治が題材でないので予定に入れた。

    ホームページの一面に「上演時間は 122分を予定しております」(劇場に来たら125分になっていた)とある。この 122分を予定しておられるという拘り。拝見してその拘りに納得。
    永山則夫死刑囚と文通を経て獄中結婚する女性、永山の弁護士、そして被害者家族を描いた作品。永山事件は中学1、2年の頃の事件でそこを覚えている訳ではない。その後の報道で記憶しているのだと思う。

    19歳の時、4人を拳銃で短期間に殺害。その生い立ちは悲惨で、困窮家庭/養育放棄/虐待/児童労働/教育・愛情・人間関係の欠如と壮絶な少年時代の、平凡な在り方とですら隔てられた劣悪な環境が犯行の根底にある。その辺りの背景を上手く劇中に埋め込み展開させる。密度が濃いけど、舞台美術がテンポを産み出し、125分、舞台から数秒たりとて気を逸らすことがなかった。脚本が持つ力が素晴らしい。

    JACROWの(敬称略)、宮越麻里杏、小平伸一郎、福田真夕、狩野和馬、芦原健介、佐藤貴也、中野英樹、水野あや達の客演の方達、皆さんの演技が凄まじい。宮越麻里杏さんと福田真夕さんの演技が目に焼き付いた。

    割り当てられた指定席が最前列ど真ん中、舞台美術に特徴があったので演者が舞台の最前で演じることが多かった。演者の目零れ落ちる涙、熱が籠り飛び散る唾を目にし、熱を帯びる本作を身に浴びた。

    様々な問題を問い掛ける作品で、感情に訴える場面も多く、周りの皆さんも久し振りにハンカチを取り出した。

    また推しの劇団が一つ増えた。

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    2026/08/12 20:18

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