測量 公演情報 タテヨコ企画「測量」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    三姉妹が絡み合う絶妙な心理が観もの
    宿屋の舞台セットが素晴らしい。会場に入った途端にセットを観ただけでヤラレタ。相変わらず桑原裕子の演技力に感心する。それぞれのキャストらがきっちりそのキャラクターになりきっていて大満足な舞台だった。


    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    母が帰ってくるかも知れないと沢田家のそれぞれの三姉妹はみな複雑な思いだったがやはり嬉しい。母に帰ってきて欲しいと焦がれるのだ。しかし、自分たちを捨てて出て行った母親をそう簡単には許せない気持ちもあり、意地もあり、三姉妹はなるべく他の姉妹にそういった気持ちを悟られないように隠す深層心理が絶妙だった。

    こうして両親のいない娘三人は力を合わせて生きてきたものの、その時代の流れの中で、長女の夫の中国転勤の話や、次女の不倫、三女の未熟な恋を織り交ぜながら、描写していた。

    突然消えた母との距離を測りながらも、まだ完成されてない家族を三人はどうにか保とうとする危なっかしさの表現も見事だった。この小さな家族を母代わりになって支える長女の責任感や次女の自由奔放さ、三女の大人になりきれない中途半端な反抗心の描写も巧みだ。

    更に宿屋に訪れる悲喜こもごもの人間関係をあぶり出し、笑いも加味され楽しい舞台ながら終盤では人間味溢れる感情を露呈し落涙を誘うシーンもありで充分に見応えがあった。

    人間というのはとても不器用なものだ。自身を振り返っても、まったくどうしてこんなにだめなんだろうと自分でも解っているのに、そういう自分からなかなか抜け出せない。変わるって難しいことだ。しかし、色んなことに耐えながら、社会の矛盾を諦念を持って受け入れながら、漂い流れるように、みんな大人になっていく。清濁すべて併せ呑んで、大人になっていく。世の中にきちんと出て、つまらぬ日々を永遠に戦っていく。三女の心理を想いながらそんな風に考えていた。

    今回の物語の、捨てた子供に乳代わりの目玉を残す「蛇奥様」という架空の民話と家から出て行った母の心情は同等だな・・、とか考えながら、だけどワタクシもがんばって生きていくぞ、と思う。

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    2010/12/03 18:45

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