測量 公演情報 タテヨコ企画「測量」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    まさに、タテヨコの魅力満載でした
    (ヨコ)家族、仕事、恋愛等のつながりに、支えられたり、足かせになったりの人間関係だが、(タテ)絡み合っていた過去の記憶を紐解き、未来に向かっていける、素敵な作品でした。

    ネタバレBOX

    温泉旅館を継いだ長女幸子(舘智子さん)のもとに、音信不通の母から10年ぶりに届いたハガキには、「もうすぐ帰る」だけ。呼び戻された次女恵子(桑原裕子さん)はカメラマンで、アシスタント岸本(西山竜一さん)を連れて、3年振りに、帰る。そして大学生の三女葉子(武田祐美子)が、帰ってきた時には、嵐のような、土砂降りで、水害で亡くした父を思い出していた。
    この旅館のロビー、木の格子や、太鼓橋の様な通路もあり、雰囲気良く、ここでの三姉妹や客達の会話から、いろんな過去や現実が、見えてくるのが、より自然で、なによりリアルに感じました。
    久しぶりに三姉妹が揃った夜だが、幸子の夫であり旅館の番頭である浩(好宮温太郎さん)は、幸子と恵子2人に話があると。会社で課長に昇進し、中国の営業所への転勤を勧められているが、幸子と行きたいので、旅館を母に、頼めないかと相談。
    父の亡き後、男と蒸発したまま、音信不通の母など、あてになるわけもない。そんなことを、家族でありながら他人である姉の夫に、言われること自体が納得いかないものの、封印してきた母の記憶が蘇る。
    そんな問題をかかえながらも、旅館は平常営業。
    岸本は人見知りすることなく、カメラを向け交流を深めようとする。葉子は拒否するが、「蛇奥様」の民話を話してくれる客もいる。葉子にとっては、その民話に母を重ねる時もあったようだ。

    三姉妹の母に対する想いや、恋愛、今後の人生が浮き彫りになっていく中、昔からの常連客の藤沢(舘野完)と母が年賀状のやりとりが発覚。
    嵐の夜なのに、この旅館に向かうタクシーから電話も入り、三姉妹の心情は穏やかでは、いられない。

    そして、母からのハガキの意外な事実!!

    から、三姉妹は喧嘩になるものの、新たな人生を始める事が、できる、素敵な物語でした。

    三姉妹の個性が鮮やかに演じられていて、良かった。特に、桑原さんの自由奔放でありながら、ちょっと乙女なところが、良かったです。
    雨音の強弱が、効果音として、生きてました。
    赤の他人だから言えること、赤の他人には言われたくないことと、人間関係の距離の取り方の難しさもあるが、それゆえの優しさや温もりも、感じました。
    人との距離は、まさに千差万別だが、明るい未来に向かっていける感が、良かったです。

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    2010/12/02 09:31

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