きみは死んでいる/その他短編 公演情報 MU「きみは死んでいる/その他短編」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    挑戦的かつ挑発的で、野蛮
    このサイトで話題になっているので、あまり好きではない街、
    下北沢の小劇場まで見に行きました。
    Aバージョンでした。
    見終わって、ただ思うのは「俺も年取ったんだなぁ」。
    正直、話についていくのが、しんどい。
    なんていうか、瞬発力が必要なんですよ。
    話についていくのに。
    場面の状況を掴む努力を上演時間中しなければいけないのです。
    頭の切り替えを終始しながらや、台詞の一つ一つの意味を捉えて
    作品に向き合わなければいけません。
    チラシに書かれた作者のコメントで、
    「ボっとしている観客は、三谷幸喜でも見てればよく
    自分の作品は観客の脳内を刺激する・・・云々、
    判断は観客に委ねる・・・云々・・・」
    と記されているよう、作家の確信犯的構成なのでしょう。
    そういう意味では成功しています。
    僕が取り残されていた、だけなんです。
    2時間の上演時間の間、
    全てにおいて意味があるかのような挑発をしかけ、
    タブーに近いような暴力や関係に挑戦しているように思えましたが
    野心的とか、思想的とか、そういう言葉が
    ファンには当てはまるのかもしれませんが
    正直、僕には品性のない野蛮な作品に見えました。
    「為替ディーラー35歳定年説」があるよう、
    瞬時の状況判断、場面予想をする能力が求められ、
    自分自身は若い頃に比べ、随分落ちたなぁと感じさせられるような作品、
    観劇体験でした。
    襲いくる睡魔と闘いながら、
    場面を理解するのに必死でした。
    いわば、話の「起承転結」の内、「承転」しか描かれていないので
    いわゆる人物設定、そして結末を想像しなければいけません。

    まぁ映画でも芝居でも、
    劇場名のよう「OFFOFF」で上演している作品は、
    万人を相手にしている公演ではなく
    作家性とか芸術性を前面に出し
    「その作品と、その作風が好きな人の為、また作家の
    個性を披露する為」の空間であり公演なので
    若い人の集まりに、間違えて、いや背伸び?して
    入っちゃったって感じです。
    やっぱり僕には、帝劇やコクーンで上演されるような
    親切な作品のほうが楽しめるかなぁ。
    まだ明治座や新橋演舞場には退屈するけど。

    ネタバレBOX

    表題作でのキーワード?であった
    「コミューン」って言われても???意味わからなかったり、
    しょっちゅう「イタい」って形容をされても、hurtでもacheじゃないよなぁと、
    言葉使いから年代のギャップを痛切に感じる。
    最近の若者が使う言葉を30半ばのサラリーマンが使っても
    パンツ半分出してジーパン履いているだけで
    みっともないよなぁ。
    3つの作品のオムニバスなのですが、作品と作品の間に
    休憩はなく、またタイトルを出すとか、セットや背景が変わる、といった
    変化もなく、いつの間にか次の作品になっています。
    誰かの部屋が川辺の小屋になり、高級?マンションに変わる。
    ・・・で合ってましたっけ???
    無機質ではなく、微妙な生活感のある舞台装置が共通で利用され、
    継続して出演する役者が役柄によっても大して演技に差がない為
    先も話したよう、
    前の話が終わったんだか終わっていないんだか、わからないうちに
    次の作品に入っていくので、
    ひとつの大きな筋で繋がっている話かと思ってしまいます。
    でも全くの別作品で、最後まで、よくわからなかった。
    また、舞台の床にねっころがったり、舞台の低い位置での芝居、
    (立ち芝居ではない)が多く、
    段差のない小劇場では、全く何をやっているのかが見えず
    余計にわからない。
    最前列、2列目くらいまでに座らなければ、わからないでしょう。
    まぁこれも何か意味の有る挑発なのかもしれません。
    でも、それが新鮮な印象としては残らなければ
    余韻にもならないのは、役者の魅力が薄いせい???
    切り口は、面白いと思います。
    これから成長されていく作家と思います、僕の経験からも
    それは自信があります。
    老婆心ながら
    間違って、大劇場に進出、もしくは参加して
    コマの「すけだち」のような
    悲劇にならない事だけを祈ってます。


    0

    2007/08/20 11:34

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大