『楽屋~流れ去るものはやがてなつかしき~』 公演情報 あやめ十八番「『楽屋~流れ去るものはやがてなつかしき~』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    澤田写真館、青い三角屋根の黄色い古風な洋館。歴史ある写真館を今は多目的スペースに。天才ピアノ職人・大橋幡岩(はたいわ)の作ったDIAPASON(ディアパソン)の1947年製アップライトピアノが置かれている。それを吉田能氏が生演奏、贅沢な空間。コンガを膝に挟んでの演奏も。飾られているアートは現代美術家・高遠まきさんの鏡をモチーフにした作品群。銀幕をイメージした幻想的な銀の鏡、『六英花 朽葉』から触発されたものだと。

    ネタバレBOX

    女優A(金子侑加さん)
    戦前の女優。空襲で亡くなった為、顔の左半分に火傷。
    女優B(内田靖子さん)
    戦後の女優。男に捨てられて頸動脈を切って自殺した為、首に包帯を巻いている。

    女優C(大森茉利子さん)
    今上演しているチェーホフ『かもめ』のニーナ役。
    女優D(蓮見のりこさん)
    Cのプロンプター(小声で台詞を役者に伝える黒子)をしていたが精神を病んで入院。

    狙ったのだろうがちょっと配役がしっくり来ない。役者として日の目を浴びれず、死後も楽屋に通い続ける程未練がましい亡霊二人。女優A、金子侑加さんは華があり過ぎ。女優Cには売れている女優特有のオーラや傲慢さ、それを納得させるだけの圧倒的な才能が必須。大森茉利子さんの造形はユーモラス過ぎる。演出の狙いでコミカルにしたのだろうが何か違和感。死んでもチェーホフの役を取り合う狂気こそがこのホンの面白さの筈。大役を舞台で存分に演じ切ってみたかった、という痛切な思い。

    このシチュエーションでも居眠り客が数人いて驚いた。話を知っているだけに退屈だったのかも。
    金子侑加さんのお岩さんメイクが秀逸。凄いレヴェルまで来てるんだな。

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    2024/12/13 16:38

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