実演鑑賞
かなり昔に見たのだけど、改めて。
いじめられ役の人の芝居が凄過ぎて、チケット代の7割はこの人が背負った。
いじめのシーンはどうしても「やってる感」が出るものだと思った。
悪いやつの喋り方をしてる悪くない人に見えている。
台本は、誠実。
ただ、もう一回推敲したら、こうなってないだろうなというセリフがいくつかあって、そういうところは役じゃなくて作家が喋ってるように感じた。そもそも言語化する習慣がある人で、それがそのまま台本になってるシーンが少しあった。
誠実さを守ろうとする分、そうなるのかもしれない。現実にあることをドラマ化する上で、馬鹿にしているようにならないようにという思いを感じる。不快感はなかった。
笑いが少なかった。時々、絶妙に笑える感じになりそうな時もあって、そういうのもっとみたいと思った。
後半、全員立ってるシーンがあって、あれはちょっと。反省会みたいにアーチ状に立っていて、一人一人喋り出してはそれなりの尺をもらっていく。そうはならないような気がした。
その辺りのシーンは、言葉先行すぎるなと感じた。台本上で耳でセリフが鳴っていて、その時点ではいいけど、それをそのままやると、ただ言ってる、ただ聞いてるみたいになるのかもしれないと感じた。
でも、色々書いたけど、ちゃんとした本を書こうという気持ちが伝わる作品で、誠実さを受け止めた。