蝉の穴 公演情報 13号地「蝉の穴」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    やはり凄い!
    13号地は昨年の「此処より先へ」に引き続き、2回目の観劇。
    前作に負けず劣らず、人間の深淵を見事に表現。
    今回も引き込まれた。

    ネタバレBOX

    登場人物は4人。
    それぞれ、時代は異なるものの、同じ場所で亡くなり、魂が成仏できずにさまよっている様子。

    一人は先の大戦において焼夷弾を被弾し亡くなった50代と思しき男性、次に最近になってから高層マンションのベランダから不慮の事故によって落ちて亡くなった40代と思しきサラリーマンの男性、ベランダから落ちた男性の数年後に、散歩中に息絶えたタバコ屋の60代と思しきおばちゃん、そして、今はまだ命があるものの、そう遠くないうちに、前者3人の仲間入りをすることになりそうな20代と思しき女性(この女性はサラリーマンの成長した娘と思われる)。

    交差するはずのない人生が、同じ場所での死亡(死亡予定)、救済されえぬことによって、出会う。

    しかし、彼らは出会うことによって、自らの人生を悟り、それぞれ居るべき場所へと戻っていく。

    そんなかれら霊魂(蝉の抜け殻)の会する場所を、蝉の穴と評した着想にも脱帽。

    13号地の今後の活動にますます期待を持たせる内容の出来であった。

    それにしても、これほどの秀作を生み出しながらも、観客動員がついてこないことが残念である。

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    2010/08/04 20:42

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