クリスマス・キャロル  公演情報 劇団昴「クリスマス・キャロル 」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    去年観て随分考えさせられたので今年も観た。
    主演の宮本充氏は三國連太郎、夏八木勲、堀田眞三ライク。
    死を前にした現実主義者の『パウロの回心』が描かれる。
    ①何故、自分はこんな人間になったのか?
    ②今、まだ自分にやれることはあるのだろうか?
    ③もう時間はない。

    使いっ走りの少年や妹役等の上林未菜美さんが良かった。何か中野亜美っぽさがある。
    市川奈央子さんは善良なモブをこなしつつ、スラム街の魔窟での盗品売買では邪悪な掃除婦を怪演。人間の邪悪さ醜悪さをこれでもかと見せ付ける。更にカーテン・コールでの『きよしこの夜』の合唱では美声が唸った。
    小道具の七面鳥が良い出来。

    第二の聖霊が自分の上着の下に隠れている二人の汚れた子供を紹介する。「男の子が“無知”で、女の子は“貧困”。男の子の額には“破滅”と記されてある。さあこれを否定してみろ!」

    スクルージの悲痛な叫び。
    「未来は変えられないのか?せめてティムだけでも!」
    来年もきっと観に行くだろう。

    ネタバレBOX

    勘違いかも知れないが何か描き込みが薄くなって第一幕が軽くなった気がした。スクルージの少年時代、父親から寄宿舎に捨てられた孤独な生活。読書好きでイマジナリーフレンド達と一人遊びに耽る少年。優しい妹、ファンだけがいつでも唯一の味方だった。だが病弱な妹は若くして死んでしまう。彼女の残した息子がフレッド、その甥っ子にさえ冷たくあたることに。丁稚奉公先の優しい経営者、フェジウィッグ。優しさ故か経営に失敗して店は潰れてしまった。金を稼ぐことに冷徹になっていくスクルージ、恋人のベルは幻滅して別れを告げる。ただ与えられた人生に懸命に立ち向かっただけなのに、誰からも忌み嫌われる守銭奴爺扱い。別にそれでも良かった。だが逆に言うとそうでなくても良かった。

    第一幕での描き込みが重要。ここを流すとよくある安っぽいドラマにされてしまう。

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    2023/12/10 18:11

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