会議は踊る、されど進まず 公演情報 リンクス「会議は踊る、されど進まず」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    【本篇】と【特別篇】2公演観劇
    本篇は会議劇、特別篇は会議の一週間後の後日談〈討論ゲーム〉を描く。

    【本篇】
    特定の空間〈教室〉に、特別な設定、個性豊かな生徒、絶妙な構成の中で展開する王道的な会議劇。

    文化部が一丸となって行う催し物〈パフォーマンス〉を話し合う。会議(話し合うこと)の大切さは理解しつつも、その議論が必要なのか否か といった そもそも論議から始まる。やる気のない文化部副部長という設定が妙である。そんなメンバーを引っ張っていくのが生徒会副会長である。皆「副」が付く次期部長候補と帰宅部代表者のメンバーであり、今はサブリーダー的な存在である。クラブ内をまとめるのは部長であり、副部長という「責任」や「役割」等も中途半端な位置付けとして描く。しかし、この会議では いつの間にかクラブ代表者の顔になっている。漂流する会議を通して、生徒の成長譚をも観せる上手さ。

    一方、同じように「副」が付く生徒会副会長は、自分の信念の下、強いリーダーシップを発揮し何とか会議を進めようとする。独善に陥りそうな場面では、中学時代からの友人で、今は生徒会書記(補佐役のような)の協力を得て何とかやり遂げようと奮闘するが…。“立場が人を作る”の典型的な観せ方である。

    会議の結論は、全員一致を以ってなす。何となく有名な会議(法廷)劇「12人の怒れる男」や「ナイゲン」を連想させる。全員一致は副会長の意向であるが、そこには深い理由がある。物語(会議)が面白いのは、個性豊かな登場人物の存在、すんなり進行しない出来事、そして集まったクラブの構成が…。

    【特別篇】
    本篇のラストシーンから始まる。本篇の続き、後日談を思わせる演出である。こちらは、物語の登場人物としてではなく、出演者 個人として参加した討論ゲームといった趣向である。
    意見(結論)の多数・少数または同数によって与えられる点が違う。生徒ならではの 頑張りどころである。

    【本 編】上演時間1時間40分
    【特別編】上演時間1時間15分
         (どちらも途中休憩なし) 追記予定

    ネタバレBOX

    舞台美術はハの字型に長机を配した会議光景。シンプルは会議劇の特徴で、そこで交わされる議論の応酬が見どころとなる。

    副会長は中学時代に苛めを告発したが、クラスの他の生徒は苛めがなかったと知らん顔、教師も多数の生徒の言い分を信じ、副会長の言葉を信じなかった。書記は多数意見に従った自分を恥じ、なぜ副会長を支えているのかを明かす。それによってまとまりのなかった会議が一定の方向へ進み出すが…。しかし準備した道具が何者かに壊され使用出来なくなる事態が起きる。犯人は誰か、互いに疑い協力・信頼関係が崩壊し始める。いくつもの課題や困難を直面させ、それを乗り越えさせることで深める会議劇の醍醐味。

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    2022/11/13 16:57

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