もはやしずか 公演情報 アミューズ「もはやしずか」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    自分にしては珍しく早々とチケットを取っていた公演。が、そういう時に限って職場で足止め、芝居の半分近くを見逃し、チケット代を厭わずリベンジの当日券に並ぶも果たせずであった。
    リピートしても良いと思えるだけの緊迫した後半の芝居であり、大略この夫婦と家族の問題が見えては来たのだが、た組のKAAT公演が初であった作演出の作風と実力をジャッジするには穴が大きい。
    舞台のあれは黒木華か、そうだっけ、うむナチュラリズムな芝居は秀逸だな、お、平原テツやっぱいい。あの声は上田遙。朝ドラで見たばかりの安達祐実は泣いてるんだかコメディ色出してるし(朝ドラで最初見せた大根女優を再現?)、芝居の全容を想像するも参照が先般のKAAT舞台のみでは類推は及ばずである。
    細密リアリズム芝居と見た自分には、心が離れている相手から理詰めで復縁を迫られるラストの演出は、そこへ至る緻密に構築した芝居を想像させ、やはり是非とも最初から観たかったな、とそこへ戻ってくる。

    ネタバレBOX

    後半だけ見ると身勝手でどうしようもない男と、男の態度に傷つきながらも現実的な道を果敢に(子も授ったし)行く女、と見えるのだが、男が過去を語る言葉、これが真情の吐露であるのか(冒頭その問題のシーンがあったというから作者的には男の真実味を見せようとしたとも理解できる)、それとも口にすると如何にも軽薄で自分が惨めになり、説得されるのも必然、だったのか。
    出産前検査で障害を持って産まれる可能性に打ちのめされた後、困難だが産む、と結論を出した女に対し、逡巡する男。二人は別れるが、健康な子を授かった女は、男の実の両親を連れ、復縁を迫る。何故なら、別れる原因となった障害の疑いは晴れたから。。劣等意識から解放された女の前で、しかも男は出張マッサージの悪くない相手と抜いた直後、一度解放されたはずの束縛の道へと連れ戻されて行く。と、やはり見えるのだ。男と女の間の「言質を取り合う」関係から窺える不毛な未来への予感に、作者は同意を求めているのか、否を共有したいのか。。

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    2022/04/16 15:46

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