満足度★★★
パンドラの匣に残っていたものは、希望ではない
希望のない場所で、希望は持ちえるのかを描いた作品。文字通り「公園生活」であり、さまざまな境遇の人物たちが織りなす群像劇。
パンドラの匣を「開けてしまう」存在である女性が無意識的に述べる予言、は果してそこに希望はあるのか。あるいは惰性から脱して「普通に」暮らすことに希望は持ちえるのか。世界を笑えなくなった者は自殺し、実りのない慈海外援助をする者は現実を知らされた管理者に殺されてしまう。多くがホームレス化した未来の社会で、さらにゴミ溜めの様な公園で、人々はやはり希望を持ちえず惰性で暮らす。
テーマとしては現代性を持ちえていて面白いが、焦点が絞り切れていない感もしてしまうのが残念。