エスカルゴ 公演情報 こゆび侍「エスカルゴ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 奥行きを感じた戯曲
    初日ということもあってか、鮮烈なフライヤーほどのエスカルゴ感というか、粘度の高さみたいなものが不足していた感じだった、かも。ただ、ネタバレBOXに書いたように、本としての骨格は非常に魅力的で好みなので、二日目以降はもっと良くなっていくんだろうなあ、もう1回観られなくて残念。

    ネタバレBOX

    「妻」という漢字が「毒」にみえるのは、文字の下の部分が象徴するように、女が母になったからで、それゆえ、おそらく夫はいまだに妻を愛しつつも、どこか性的な部分の欠落もあってか、新しい“うつくしい女”に惹かれてしまうのだろう。しかもそこには、「毒」を抜くことで自らの枯渇したかに思える才能を甦らせられる可能性、なんて自分を納得させやすい理由があるので、不倫不貞の罪悪感を乗り越えることは容易い。たとえその相手が、息子の彼女であろうが、娘の親友であろうとも。

    そして、子供たちが家をでていったことで、バスルームで狂っていた「毒」(母)が「妻」(女)へと戻るラストも、綺麗に収束していると思うのだけど(乾燥に弱い生物ゆえ愛の乾きに耐えられず? 水分の多い場所に籠もるとか、すごくカタツムリっぽかったし)、でも、じつはそれは台本的な世界でのことで、現実の舞台ではそれほど上手くはエスカルゴの殻が剥けてはいなかったかもしれない。

    たぶん、もっと観客を混乱させる作りのほうが、戯曲の持つ奥行きがより生きてくると思うのだけど、それだとマニア向きかも?(悩)

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    2009/03/26 03:04

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