【東京公演】三の糸 公演情報 ゴツプロ!「【東京公演】三の糸」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    最初のコメディタッチはイマイチすんなり入ってこなかったが
    その後怒涛の展開で一気に惹き込む力はさすが。
    連綿と受け継がれる芸道の厳しさと、翻弄される個人の葛藤が描かれる。
    後半の浜谷さん、塚原さんのキャラの切り替えが鮮やかで目を見張った。

    ネタバレBOX

    舞台中央に1本の古木が天井までそびえている。
    山深いこの場所は、津軽三味線の万沢流初代が幼くして捨てられていた場所。
    二人の兄弟は盗みをして生きていたが、三味線と出会って新しい道を歩み始めた。
    以来、家元を継いだ者はみな、この場所へ報告に来る習わしとなっている。
    だが今の七代目だけは、ずいぶんと遅れて今日ようやくここへやって来たのだった。
    やがて奇妙な男たちが現れる・・・。

    言わばコメディとシリアスを合わせ持つ骨太ファンタジーと言えようか。
    若干冒頭のコメディ部分が長く感じられるのは、人間関係が見えていないせいか。
    やがて七代目との関係が明らかになり、それぞれの家元継承事情が語られると
    物語は一気に緊張感を増して面白くなる。

    それにしても後半、塚原大助さんのキャラの切り替えの見事さ。
    また浜谷康幸さんの驚愕の事実を受け止める台詞の切なさ。
    こういう人がいるからゴツプロ!はただの“男劇団”ではないのだ。

    ラストの三味線は大変な努力の跡がうかがえる素晴らしい演奏だったが
    やはりここはプロの小山会にも「三の糸」の音色を響かせて欲しかった気がする。
    流派と家元の重みを印象付けるためにも。

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    2018/01/15 00:04

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