GIRLS(大好評終演御礼!次回MUは11月コメフェス、2018年2月下北沢駅前劇場・下北沢演劇祭へ参加!) 公演情報 MU「GIRLS(大好評終演御礼!次回MUは11月コメフェス、2018年2月下北沢駅前劇場・下北沢演劇祭へ参加!)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    Aプログラム:『めんどくさい人』+『スーパーアニマル』

    短編というと、やはり「オチ」ではないか、と思われがちではないか。
    しかし、MUというか、脚・演のハセガワアユムさんが目指していめのは、ストーリーのオチではない。
    一見、「面白」な構図に見えていてもその根底にあるテーマは、ハセガワアユムさんの「世界のとらえ方」が表れている。

    センスある、というか極々個人的なセンス“のみ”(笑)に散りばめられた台詞は、あまりにも言葉の選択が鋭い。
    そこがコメディ的でもあるのだが、その「笑い」と「歪んだ(笑)キャラクター」たちの背後には、彼から見える「世界」がある。

    (以下ネタバレbox)

    ネタバレBOX

    MUを初めて観たのは、8年ぐらい前。ギャラリーLE DECO。
    徐々にその世界(観)にハマっていったのだが、感じてきたのは、虚無感。
    「愛」を語っても、なんだか背後に「虚無感」がチラチラ見え隠れしている。
    そして、「徒党を組む」ことへの嫌悪感。

    実はこれも「表面的なこと」ではなかったのかと思い始めていた。
    今回の作品の1つ『めんどくさい人』にそれらが集約されているのではないかと思い当たったのだった。

    人と人の付き合いは、基本「めんどくさい」。
    その「めんどうくさい」のファクターを通して、恋愛も仲間も家族も見ていたのが、MUなのではないだろうか。

    だから、「無表情」になるような、あるいは「未来を感じない」ような「虚無感」が、その表情にまとわりついている。


    しかし、初演とは、相当印象が異なっている。
    どの程度手が入ったのかはわからないが、「めんどうくさい」の意味合いが違って見えてきている。

    今回再演の『めんどくさい人』を観ていて感じたのは、「“めんどうくさい”のファクターを通して見ていた」のではなく、それを突き抜けていたのではないかということだ。

    わかりにくい話で申し訳ないのだが、「見ていた」と「突き抜けていた」の違いは、主体がどこにあるか、なのだ。
    「突き抜けていた」ということで、そこに自らを置いたということ。

    つまり、「めんどくさいけど、やってみた」な人が描かれているのではないか、と感じたのだ。

    「めんどくさい」と言いながらも、「人」との関係は「アリだ」という感覚。
    肯定感がヒシヒシとやってくる。

    ハセガワアユムさんが変わったのか、あるいは無自覚のうちに、内面を吐露してしまったのかはわからないが(あるいは、今までの私の見方が間違っていて最初からそういう感覚だったのかも)。

    ホワイトバンド(笑)は、初演のときにはタイムリーさがあったが、今この時点でもホワイトバンドは実はさらに面白くなっていた。
    ニヤつきなながらも、その面白さが観客全員には伝わらないのかもしれないなーと、少し残念だったり、あるいはマニア的な喜びでもあったりと。

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    2018/01/05 18:13

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