新~とんびと鷹の捕物帖~『酔いどれムスメとお転婆オヤジ』 公演情報 劇団岸野組「新~とんびと鷹の捕物帖~『酔いどれムスメとお転婆オヤジ』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ある現象によってタイトル「新~とんびと鷹の捕物帖~『酔いどれムスメとお転婆オヤジ』」にあるようなことが起きるという面白さ。そうなることによって解る、それぞれの立場と思いが緩い笑いの中にしっかり描かれ、ラストはホロリとさせる典型的な大衆演劇…楽しめた。
    (上演時間1時間45分)

    ネタバレBOX

    舞台セットは、合板・張りぼてのようなもので、呑処・銭湯などを作った簡素なもの。それだけでも十分に状況設定は分かる。「大江戸小町番付」なる帖も面白い。

    物語は、酔いどれオヤジとお転婆ムスメの十手持ちの父娘が、江戸を揺るがす小町娘連続拐かし事件に立ち向かう。何故か昔のように勤めに精を出さないオヤジ、娘はそれが不思議であり歯がゆくもある。そんな気持を抱きながら怪事件に挑む2人の身にとんでもない事が…。ある日犯人を追い詰めたが、落雷によって2人の体が入れ替わってしまう。

    時代設定は幕末、黒船が来航した頃。その時代背景に江戸小町拐かし事件を結びつける発想の豊かさ。おみつ(福原香織サン)を巡る恋の話など、社会(異国からの武器調達と人身売買)と個人という違う世界観を絡ませる。
    面白さは、おみつとオヤジ伝六(岸野幸正サン)の体が入れ替わることによって、父・娘の気持、思い遣りが解ってくる。体が入れ替わったことによる違和感を持ちつつ、同時に相手の気持が解ってくるという心の変化、その具現化した表現が見事であった。

    さて、呑み処にいる多喜(宮本レイミサン)は、大奥総取締まりという設定。その人物の台詞「体が元に戻るのは西国・尾道」は、もちろん映画「転校生」(大林宣彦監督)を意識させるもの。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2017/11/01 17:51

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