無料公演「ギンノキヲク」&介護福祉フェス! 公演情報 ラビット番長「無料公演「ギンノキヲク」&介護福祉フェス!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    第28回池袋演劇祭「優秀賞」受賞記念…無料公演(介護福祉フェス同時開催)。
    クラウドファンディング支援者を含め、多くのサポーターの支えもあって実現したという。千穐楽に観劇したが、ほぼ満席状態という盛況ぶりであった。

    物語は特別養護老人ホームを利用する人々、ホームで働く職員、さらに行政・企業の関わり方など多面的な観点から描く。それも制度・施策的な観点というよりは、感情があらわになる人の目を通して描いているため心が揺さぶられる。
    (上演時間2時間)

    ネタバレBOX

    舞台は特別養護老人ホーム「紀陽の里」。ヘルパーの視点を通して観た介護の問題を笑いと涙で描いたシリーズ作。
    舞台セットは、段差ある前面をカーテンで仕切り、それを開けると上手・下手側に部屋が現れる。上手側が「紀陽の里」の事務室。下手側が訪問介護するお宅イメージ。特に事務室内は小物も含めそれらしい雰囲気を出している。

    物語は、特別養護老人ホームでの介護活動を事例的に取り上げ、介護と言っても一様ではないことを描く。公演ではショートスティ、訪問介護(寝たきり、認知症)等を挙げ、それぞれに応じた介護支援を行っている。そのシーンを通して24時間体制の介護、日常生活支援サービス、リハビリ(紙ヒコーキ作り)を織り込んでくる巧みさ。
    一方、介護に携わる職員の厳しい労働実態も観えてくる。安い給料(あと5万円欲しいという嘆き)、交代制勤務(シフトの難しさ)が、単に遣り甲斐、使命感だけでは解決出来ないという現実を付き付ける。

    さらに物語は、ホームで働いている職員の肉親の介護という、それこそ「介護とは」という根本を問うような場面を用意する。仕事としての介護と肉親を介護する、そこには心情という大きな壁があるようだ。肉親をホームに入居させるには、やるせ無いという思いの一方、介護の厳しい現実の狭間に揺れる心。この公演の”人の視点”からというのが伝わるシーンである。

    さて、ギンノキオクシリーズは全作品観ているが、時を意識して少しずつ展開を変えている。例えば、過去公演では介護の一環としてリクリエーション場面が描かれていたが、本作では介護用コミュニケーションロボット「テレノイド」を登場させ時代に即応させている。
    高齢社会に伴い、介護問題は普遍的なテーマになってきている。そのテーマが色褪せることなく観る人の心を揺さぶり続けるためには、時代を意識した内容に進化させることが大切だろう。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2017/10/02 15:54

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  • 雪島さら紗 さま

    返信が遅くなりすみません。
    両親の介護経験もあり、とても身近に感じる事が出来ました。
    クラウドファンディングを利用して、多くの方に観劇(感激)していただいたのではないでしょうか。お疲れ様でした。
    次回の公演も期待し、そして楽しみにしております。

    2017/10/15 09:22

    タッキー様
    ご来場いただき誠にありがとうございます!
    シリーズを観ていただいているからこそのご感想、嬉しい限りでございます。
    今回のテレノイドバージョンもお楽しみ頂けて何よりです!

    次回も頑張りますので、これからもラビット番長をよろしくお願い致します!!

    2017/10/12 13:49

    タッキー様
    「ギンノキヲク」ご来場いただきありがとうございます!
    事細かな部分まで観ていただきとても嬉しいです。
    ギンノキヲクシリーズはもちろん他のテーマでも楽しんでいただけるよう今後とも精進していきますのでラビット番長をよろしくお願いいたします(^ ^)

    2017/10/03 21:12

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