雨と猫といくつかの嘘 公演情報 青☆組「雨と猫といくつかの嘘」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    A「雨と猫と・・」いぶし銀の味、雨組。
    アトリエ春風舎では、あの『海の五線譜』を思い出す。

    ネタバレBOX

    残念ながら・・どういうタイプの「感動」が用意されているかが読めること、物語が個人史の中にとどまり同時代や集合的な広がりが見えないこと、それと恐らくは役者の佇まいや芝居のタッチにみられる「この劇団らしさ」が、ある枠内にとどまるように見えることが、「謎を解く」観客の能動性を喚起せず、怠惰のままに置くのだろう。その結果、眠気になった(今の体力ではすぐ睡魔に見舞われてしまう)。

    「五線譜」も、思えば個人史の中にとどまる物語ではあったが、舞台の進行とともに「暴かれる」事件に、普遍的な何かを感じさせるものがあった。
    説明しがたい人間の性、研ぎ澄まされた時間への憧憬がもたらす背徳の美、また、一つ事を思い続けることが一人の女性の中で可能であった事実の希少さ(宝石のように大切に記憶にしまいたいような思い)、これらは「そうではない無味乾燥さ」に囲まれた現代を、その反対面に照らしていると言えた訳である。

    さて今回再演された旧作は、青☆組としては何らかの画期となった作品であったのだろうが、作品に含まれる要素要素に既視感を催された。老人が少年の「時」に帰って子供のように足掻く様は、本来は見せ所であったはずであるが、読めてしまい、その結果どうなるのか、何がどう解釈できるキーなのか、という、つまりはその「様子」が何を解き明かす材料なのかを知りたいところ、「様子」そのものが持つ感動を目的におかれては、物足らないのである。
    いや、この芝居世界の中にピースとして位置づけられてはいたのだろうけれど、その、本筋じたいが弱いのだろうと思う。
    難癖を付けた割りには、睡魔に負けており、それが己の体調が原因あれば、全てを見ずしての批評ということに・・。
    という事で、Bも観劇予定である。(スタンプラリーが密かに楽しみ)

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    2017/05/31 01:36

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