平日の天使、その他の短編 公演情報 キコ qui-co.「平日の天使、その他の短編」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2016/09/23 (金)

    代々木上原の駅から根性試しみたいな急な上り坂を、土砂降りのなか、傘をさして昇り切り、日頃から運動不足のオッサンの体力、約50%を消耗した状態で観てきました。

    ネタバレBOX

    レストランのコックとウエイトレスの不倫話が、同僚のコックの登場で、輪廻転生の壮大な?ドラマへとなだれ込む…最初の短編『ミートソース・グラヴィティ』は、主人公の、ごく平凡なコックの若者とウエイトレス、同僚のコックとの掛け合いの妙、奇想天外な人物設定共々、愉しませてもらいました。

    お次の『赤猫の舌』は、安穏な暮らしと引き換えに、コトバ(詩)も・愛も・性さえも管理下に置かれた、近未来の東京に生きる「恋を知らない」若い男女が主人公。でぇ、「男女」なのにも関わらず、なんですけど、この主人公2人、どういう具合か、観ているうちに、『銀河鉄道の夜』のジョバンニとカムパネルラにイメージが重なってしまいました。もし今の時代に宮沢賢治が生きていたら、こんな話を書くんじゃないかな?
    『赤猫の舌』を観終わっての感想でした。

    10分間の休憩を経て始まったのが、表題の『平日の天使』、80分?程の中編です。
    愛娘が感染したのは、原因も対抗策も全く不明の病気。しかも、最初に診断を下した病院の他は、どこの医院も診察さえ拒み、ネットで見つけた情報も何者かに即座に消されてしまう…事実婚とはいえ親子三人、それまで幸せな家庭を築いてきたクリーニング屋の夫婦は進退窮まり、協力者たちと共に、近くのスーパーに人質を取って立てこもり事件を引き起こす。世間の耳目が集まったところで娘の病を公表し、病気を治す新たな情報を手に入れようと…。
    最初はコメディ調だったのが、段々とサスペンス&バイオレンスな展開に! 映画館で洋画でも観ているような気分に陥りました。

    家庭で作ったカレーライスに入っている、せいぜい面取りした程度のゴツゴツしたジャガイモの食感…そんな肌に伝わる温かみみたいなモンが、セリフの端々に込められた、そんな素敵な3つの作品でした、とさ♪

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    2017/05/03 04:57

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