平日の天使、その他の短編 公演情報 平日の天使、その他の短編」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★★★

    初のqui-co.さん作品でしたがその世界観をタップリ堪能出来ました。

    表題演目の『平日の天使』も良かったのですが、個人的には『サンダルウッド』の世界観が最高に好きでした。

    生々しい男女のやり取り。
    どうしようもなく流れる時間。

    そこにあるお酒と、溢れる様な音楽と踊り…
    そして百花亜希さんの消えてしまいそうな危うい存在が抜群でした。
    照明が徐々にフェードアウトして、消えてしまう、終わってしまう儚い至福の時間…
    掌から砂がこぼれ落ちていく様な脆さと、でもそこに確かにあった存在の残骸と感触…
    全てが絶妙で素晴らしかったです。

    たぶん今でも某観劇アプリで観られる筈なので、多くの方に観て貰いたい作品です。

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2016/09/23 (金)

    代々木上原の駅から根性試しみたいな急な上り坂を、土砂降りのなか、傘をさして昇り切り、日頃から運動不足のオッサンの体力、約50%を消耗した状態で観てきました。

    ネタバレBOX

    レストランのコックとウエイトレスの不倫話が、同僚のコックの登場で、輪廻転生の壮大な?ドラマへとなだれ込む…最初の短編『ミートソース・グラヴィティ』は、主人公の、ごく平凡なコックの若者とウエイトレス、同僚のコックとの掛け合いの妙、奇想天外な人物設定共々、愉しませてもらいました。

    お次の『赤猫の舌』は、安穏な暮らしと引き換えに、コトバ(詩)も・愛も・性さえも管理下に置かれた、近未来の東京に生きる「恋を知らない」若い男女が主人公。でぇ、「男女」なのにも関わらず、なんですけど、この主人公2人、どういう具合か、観ているうちに、『銀河鉄道の夜』のジョバンニとカムパネルラにイメージが重なってしまいました。もし今の時代に宮沢賢治が生きていたら、こんな話を書くんじゃないかな?
    『赤猫の舌』を観終わっての感想でした。

    10分間の休憩を経て始まったのが、表題の『平日の天使』、80分?程の中編です。
    愛娘が感染したのは、原因も対抗策も全く不明の病気。しかも、最初に診断を下した病院の他は、どこの医院も診察さえ拒み、ネットで見つけた情報も何者かに即座に消されてしまう…事実婚とはいえ親子三人、それまで幸せな家庭を築いてきたクリーニング屋の夫婦は進退窮まり、協力者たちと共に、近くのスーパーに人質を取って立てこもり事件を引き起こす。世間の耳目が集まったところで娘の病を公表し、病気を治す新たな情報を手に入れようと…。
    最初はコメディ調だったのが、段々とサスペンス&バイオレンスな展開に! 映画館で洋画でも観ているような気分に陥りました。

    家庭で作ったカレーライスに入っている、せいぜい面取りした程度のゴツゴツしたジャガイモの食感…そんな肌に伝わる温かみみたいなモンが、セリフの端々に込められた、そんな素敵な3つの作品でした、とさ♪
  • 満足度★★★★★

    1番印象に残ったのは、カレー(^-^!
    ラット13からキコさんのファンになりました!
    怖いお話が多いですが、なぜか話に引き込まれ、いつのまにか、心動かされ、
    最後には涙をこらえきれず流していました。
    短編というより、全てつながれた物語。そこがまた面白い。
    前世の記憶を持ったまま生まれてくることは、果たして幸せなのか。
    時に苦しんだり、時に喜んだり、時に悲しんだり、時に怒りを覚えたり、
    記憶に振り回されるのか、記憶をたどるのか。他人は、がやがや言えるけど、
    当人からしたら、辛いことが多いのかもしれない。でも来世で会おう!
    そう誓えるのは、何なのだろう。果たせないかもしれない約束。
    全ての舞台、目を離すことができない。何度観ても先が気になる舞台。
    飽きるどころか、観れば観るほど心が吸い込まれていく。
    その中で、かわいく光っていた、春名風花さん。かわいさもあったけど、
    輝いていてとても綺麗だった。前の舞台で、足を痛めていたはずなのに、
    笑顔がとても素敵だった。演技も迫力があって、「赤猫の舌」ではしっかり重要な役を、大人の魅力でつとめあげ、あかりさんとしては、ほんと天使のように、等身大の明るく元気な、高校生としてかわいくしっかりした演技でした。
    素直にすごいと思いました。これからもずっと応援していきたい。
    キコさんの舞台、今後も楽しみです。小栗さんと、佐藤さんがすごくうらやましい。
    みなさんの活躍楽しみにしています。サンダルウッドでの歌も最高でした。

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2016/09/25 (日)

    Bステージ。3本で180分はもはや短編ではない。表題作より2本目の『サンダルウッド』が良かった。3人芝居でバランスよく尺に収まっている中で終盤の展開に泣かされた。百花亜希にああいう役柄振ったら完璧だよ。アレ観たら泣くに決まってるわ。

    『赤猫の舌』目の前で起こっておる事に追いつけはするのだが処理に追われてシンクロしない印象。『平日の天使』設定が巧妙で単体で観ればより刺さったかもなのだが、いかんせん直前の『サンダルウッド』が良過ぎたのと3連投の疲れで霞んだ。

  • 笑いあり、涙あり
    14時のA回を観ました。

    直前に予約を入れようとしたら、予約は終了。
    当日キャンセル待ちと言われ、ハラハラしてしまいましたが、
    なんとか入れてくださいました。

    感謝、感謝。。。

    観劇素人であるため、今公演は刺激的でした。
    生演奏、生カレー、生早着替え…。
    みるものすべてが新鮮でした。

    こちらの劇団さんは初めてでしたが、
    劇中で役者さんと笑いつつ、役者さんと一緒の課題で悩むことができる、
    一体感がうまくできているなと感じました。

    この短編集あってこその、『平日の天使』なんですね。
    飽きることなく観ることができました。

  • 満足度★★★★

    Aを鑑賞/約150分(休憩込み)
    この公演の柱を成す『平日の天使』は、もっとじっくり、味わうように観たい作品でした。
    なのに、短編2本が他にあって充分な尺が取れなかったのか、全体にせかせかしていたのが残念。
    コミカルで騒がしいくだりやドタドタしたシーンはハイテンポで良いにせよ、見せ場はもっと腰を落ち着け、ゆっくり、重々しく演じてほしかったところ。
    上演時間を延ばし、単独で上演するのもありかもしれない。

    ネタバレBOX

    『ミートソース・グラヴィティ』は火浦功が昔書いてたユーモア・ショートSFを彷彿させる短編。面白かったが、観ているうちにあかりの立ち位置がよく分からなくなってきた(爆)。
    『赤猫の舌』は、 新自由主義という名の功利主義によって、“金にはならないけれど尊いもの”“経済には資さないけれど大事なもの”が踏みにじられつつある世相を皮肉たっぷりに描き出して吸引力大。
    文系学部廃止をさえチラつかせてプラグマティズムに突き進むアホ国家ニッポンが「この道」を行き続ければ、本作のように詩もセックスも、果ては演劇も駆逐されるぞ。
  • 満足度★★★★★

    Aプログラム観劇。
    受け付け、開場は開演30分前。

    会場は坂を上ったあとに路地を右折するのですが、
    入るべき路地に看板が置いてあるのも親切でした。

    Aプログラムは休憩込で150分。
    (『ミートソース・グラヴィティ』『赤猫の舌』+休憩10分+『平日の天使』)

    Bプログラムは後日観に行きます。

    この上演順、にくい。
    すごく面白かったです。
    役者さんも作品ごとに様々な姿(表情・性質など)を使い分けていて、
    終演後「同じ役者だったのか!」ってびっくりするような人もいました。


    特に『赤猫の舌』は観劇後「2回観たいなぁ」と思ったので、
    Bプログラムでも上演されるの嬉しいです。

    彼らが内に秘めた、「狂おしいほどの愛」を
    自分だけひっそりと透かして見ていたら、
    そのまま自分の中に通じていた、というような体験でした。

    ネタバレBOX


    >『ミートソース・グラヴィティ』
    阿佐ヶ谷の商店街にある「ミー○屋」に行きたくなりました。
    コントのようだなぁと思っていたら、後半の展開が切なくて泣けました。
    小栗さんの笑顔からとてつもない時間を感じました。

    >『赤猫の舌』
    「イバラキ」の存在感の笑いと重み、衝撃的でした。
    赤い服の女性とギターを弾く小栗さんという初っ端の絵面で
    小栗さんが作・演出した別団体の『おつきさまがついてくる』のことを
    ふっと思い出したのですが、似て異なる…でも
    底にある感覚的なところで同じものを感じる世界観だなぁと思いました。
    作中の世界観はとても冷たい設定なのに、
    人間の温かみや肉感的な表現で役者さんが世界を構成してるのが
    面白かったです。

    >『平日の天使』
    相手に触れなければ基本的に発症が分からない、という病を
    役者さんが具現化させる様に
    「演劇って、なんて面白いんだろう!」と思いました。
    (客席は演者に触れられないから、彼らの説得力が命)
    『ミートソース~』で見せた笑顔と同じ顔で、まったく違う性質で、
    一番遠いけど一番身近にある恐ろしさかもしれないな、などと思いました。



    ↓以下は自ツイートの転載↓

    人の目に見えないものを、役者の芝居でそのように見せる感じ、
    感覚を言葉にするセンス、表情。ドキドキする。
    愛と欲、本能と理性の境界線を刺激された。
    作品ごとに違う人間になる役者さん達スゴすぎ。

    Aプログラムは3作で150分。全然、そんな長さを感じなかった。
    パイプ椅子のクッションも厚かったし。
    あることばが、劇場を出たときにタイミングよくその通りだったので、
    この時に観に来た自分を誉めたい。
    (追記:雨が止んだ)
    利己的な愛情を否定しない所が好き。
    『平日の~』の彼女(追記:マリ「感染しててほしい」)の台詞、至言。

    人を好きになった時の、
    情緒不安で幸せで破滅的なあの感じを味わえるのがキコ/qui-co。
    『ドリームランド』『ラット13』と観てきて今日やっと確信した。
    あと『赤猫~』あの声どこから出てるの!? って感じだった。
    女優さん達、ピュアなのも、夜を想像させる色気も、
    どっちも持っててスゴイ。
    (追記:『ドリームランド』は別団体での上演で
    厳密にはキコ名義じゃないけど…)


    小栗さん、ほんと超いっぱい出てた。
    そしていろいろな感情が取り揃ってた。
    3編のうちどの小栗さんが好きかなんて…言えない…
    (強烈に好きな役があるけど、はげしくネタバレに抵触する)
    (追記:『 ミートソース~』の誠一さん、すごく好きです。)


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