満足度★★★
深刻な問題を扱ったコミカル劇
出生前に胎児の状態が分かる「出生前診断」及び「異常を発見した場合、産むか産まざるべきか」への考察、われわれ現代人がぶちあたっているテーマを演劇で扱う志の高さを感じました。それがお説教くさかったり、説明的だったりせず、観客の興味を惹き付ける物語に織り込んでいく個性もありました。胎児が話すだけではなく、胎児同士が会話をするというアイデアも楽しかった。ただ、終始葛藤するのが主人公の女性だけなので、父親である男性も、周囲の人間も、ただ彼女の周りを通り過ぎるだけという展開に、テーマが個人の話から広がっていかず、観客(社会)の中に議論が高まっていかない不満も残りました。
観劇した日、開演時間付近に電車の事故で遠回りしたのですが、劇団twitterなどを利用して、観客に他駅からのルート案内をしてもよかったと思います。