―ハムレット― 愛、解れて絡まり殺しあう 公演情報 剣舞プロジェクト「―ハムレット― 愛、解れて絡まり殺しあう」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    悲劇か?
    ハムレットの有名な「To be,or not to be, the question」という台詞はあまりに有名。もっとも邦訳について、どう訳すべきか、それが問題だ...というように翻訳家で違う。例えば「生か、死か、それが疑問だ。」「このままでいいのか、いけないのか、それが問題だ。」「生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ。」などがある。

    この公演は男性バージョン、女性バージョンがあり、自分では「男を観るか女を観るか、それが問題であった。」が、結局、女性バージョンを観た。そもそもこの世に男性・女性(マイノリティーも尊重するが)という性が存在するのに、あえて分かれて演じるという。そのチラシは男女一緒であるが、主役ハムレットの男装(川上茜サン)は宝塚歌劇団のように感じられた。そのイメージで観たのであるが...。

    冒頭は、この芝居の全体(ハイライトシーンをイメージ)させるストップモーション・ダンスで俯瞰させているようだ。

    ネタバレBOX

    舞台セットは、神殿をイメージする建屋。人が主役になるのは人生において3回、生まれた時、結婚する時、そして死んだ時である。どれが一番望みか、という問いに、それは観客が決めること。自由があるのは観客なのだ。その自由な心持で観た時、今まで観たハムレットとは違う雰囲気で、多少違和感があったが、嫌いではない。

    ハムレットの有名な台詞は先に記したが、これは父の亡霊に復讐を命じられたハムレットが「本当に父の亡霊か、神に代わって叔父を制裁するほどの正義が自分にあるのか?」と躊躇して復讐できない苦悩がある。そのハムレットが何か一つの目標を目指す。その余裕のない限定された世界観が二者択一の「あれか、これか」の悲劇を表す。

    もっとも、本公演は悲劇なのか?喜劇のように「あれもあり、これもあり」という何でもありの矛盾した世界にも見えた。ハムレットは、男装して男になっている。そもそもの前提は女性だけの世界...国政に男は参画しない。また子孫を残すだけの交わりという説明であった。
    芝居では男装したハムレットがオフィーリアを愛するという禁断の世界ではないか。観ているうちに、本当にハムレットが王子に変じていた。矛盾が矛盾のまま混在する雑多な世界。その意味で先の台詞を借りれば、この公演は「悲劇か、喜劇か、それが疑問だ」ということ。

    本来の劇「ハムレット」としては難点と思われるシーン(父の亡霊との邂逅に感慨も苦悩もない)があるが、苦悩に満ちた悲劇とは違うが、心に感じることが重要...ハムレットも「父が心の目に見える」という。その意味や価値は主観的に定められる。自分には、宝塚歌劇とはいかないまでも十分楽しめた。なにしろ”華”があった。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2016/04/18 05:56

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