満足度★★★★★
”コラボ”から”融合”へ
東京イボンヌは2度目だが、改めてこの表現形式に衝撃を受けた。
オーケストラと声楽家、それにバレエダンサーのレベルが非常に高い。
下手すると芝居を食ってしまいそうなクラシックの迫力だが、
やはり芝居がなければ成立しない作品であるところが素晴らしい。
世に認められた天才ヨハネス・ブラームスと、才能のない弟フリッツ・ブラームス。
それぞれ孤独な葛藤を抱えつつも、互いを思い合う兄弟のストーリーがあり、
そこから生まれた音楽やウィットに富んだ挿入歌が背景を得て生き生きと立ち上がる。
以前観た時はクラシックと演劇との単なる“コラボレーション”だと思ったが、
今回は“融合”という印象を受けた。
若干脚本の無理が感じられるところはあるが、全体の流れがそれを上回って自然だった。