再生ミセスフィクションズ 公演情報 Mrs.fictions「再生ミセスフィクションズ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    暖かい短編集
    再演となる4編の短編集からなる公演。どの作品も暖かく、味わい深い作品ばかりで大変面白かった。
    以下、公演中なのでネタバレで。

    ネタバレBOX

    『ねじ式(未来篇)』 ~ 近未来の話で、スクラップ工場を営む兄弟と女性型ロボットの会話劇。ロボットを軸に、物への愛情と再生を語りかける話。最後のロボットの言葉とそれを受けて無言でトランプを手にする兄弟が良い。

    『お父さんは若年性健忘症』 ~ 昨年観劇した「御ゑん祭」でも再演された作品で、この作品を観たので、本公演を観劇しようと思った作品。タイトル通り、父親が健忘症になり、昔のバブル時代の思い出と現在が分からなくなったり、家族の事も一部忘れてしまったりする。奥さんと娘の3人家族の居間での会話劇だが、会話が洒落ており、あまり悲壮感も感じさせない。それでいて、家族のつながりや愛情を感じさせる作品。2度目の観劇なので、内容は知っていたがそれでも尚、魅せられる。名作ですね。

    『東京へつれてって』 ~ 若いホームレスの男性とそのホームレスを慕う女性の物語。その想いは、男性がホームレスになる前から何年も続いており、以前に告白の手紙も出している。男性も好意は持っているが、現在の状況からとても受け入れられないと考えているが・・・。女性の一途な想いとそれの翻弄される男性の心理描写が面白い。ラストの暗転明けにも味わいがある。

    『まだ僕を寝かさない』 ~ 主人公の男性と男友達との他愛のない話が中心であるが、年を取るにつれ、永遠には続かない関係性も織り込んだ作品。
    他愛のない話をしている時はいつまでもこのままの関係だと思っているが、いつかは変わり始める。この現実の非情さも兼ね備えた、少し切なくもなる作品であった。

    4作品通じて思うのは、どの作品も人との関係性を暖かく優しく描いており、
    それでいて安易でハッピーなだけの作品で無かった。
    個人的には、とても好きな作品集でした。

    役者さんもそれぞれ当て書したような方達ばかりで、より作品に魅せられました。



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    2015/03/28 20:31

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