白魔来る-ハクマキタル- 公演情報 ラビット番長「白魔来る-ハクマキタル-」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    【Bキャスト】観劇
    最後まで観終えて本当の素晴らしさに気付きました。

    ネタバレBOX

    2.7mにも及ぶ巨大人食いヒグマによって多くの人が殺傷された実話に着想を得て作られた物語。

    当日パンフレットには三毛別羆事件(さんけべつひぐまじけん)の簡単な概略が書かれていました。雪の中で迷い小屋に避難してきた学生たちに、題名でもある白魔が所謂ホワイトアウトなどの雪の恐ろしさのことと説明し始めた老人が、過去を思い出すように話し出す展開に、冬場に実際に起こった獣害事件の恐ろしさが描かれるのだろうと思いました。

    そして、人食いヒグマ事件が実話通りらしく描かれ、そこに北海道に開拓者として入らざるを得なかった人たちの苦悩、当時はアイヌとロシア人の混血児が多かったことや彼らの疎外感、威張り散らす軍人の習性、そして、ヒグマに襲われたと騒いでいるが、そもそもアイヌやヒグマの土地を入植した和人が侵略したというのが真相ではないかなど背景となる状況も織り込まれていました。深みのある素晴らしい出来に仕上がってはいましたが、結局のところは実話の範囲を超えるものでもないという感じがずっとつきまとっていました。

    しかし、学生の中に潔癖症の女子がいた理由が明らかになるラストの展開に、子グマは殺さないというアイヌの掟や、ヒグマに食われた母体から生き残った赤子が生かされた結果が今日になって本当に悲惨な悲劇に繋がっていたことに驚き、歴史に忠実と思わせておいて単なる史実ではないフィクションだったことが分かり、作者の技量に大いに感心しました。

    綿入れ防寒具がいかにも新品で光沢があったり、役者たちが稚拙だったり、舞台の狭さなど不満な点もありました。いい役者といい舞台で演じたらもっと素晴らしいスタンダードな作品になると思いました。

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    2015/03/10 14:34

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  • 厳しくも暖かいお言葉ありがとうございます。
    これからもスタンダードと呼ばれる舞台を目指して頑張っていきます。
    ありがとうございました。

    2015/03/10 16:49

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