金色の翼に乗りて 公演情報 ピープルシアター「金色の翼に乗りて」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    骨太な内容
    極めて主張・テーマ性が強い公演である。また、演出は序盤の個人レベルの恋愛観から、複数のフィリピン女性とヤクザが登場するに至り、国家レベルの骨太な作品へ変容させており、その手腕は素晴らしかった。
    しかし、少し気になったことも…。

    ネタバレBOX

    序盤は日本人男性とフィリピン女性(アンナ)の恋愛会話劇。その後、アンナのフィリピン女性友達とそれを追いかけてきたヤクザが登場したところから、在留、在日外国人の意識・問題を扱ったメッセージ性の強い芝居へと変化していく。暗転もなく、登場人物の入れ替わりで舞台雰囲気を一変させる演出手腕…見事だった。
    違法滞在しているフィリピン女性の売春行為とそれを仲介、仕切っているヤクザ…ダークな世界を描いており、公演としては興味深かった。たしかに、この芝居の時代背景(マルコス政権崩壊後の数年間)の時は、日本への違法入国・滞在があったようだ。今も完全否定できるかは分からない。しかし、未だに発展途上(格下の国)に見立てているような不快感もあった。
    公演の本質は別…国家政策に翻弄される人々の苦悩や苦渋の選択、人間(個人)として、その運命にどう向き合い、折り合いをつけながら生きていくかという重く大きな問題が横たわっている。しかし、現実は存在するだろうことは認識しつつもやはり第三者的な観方(傍観者)になっており、感情移入できない。
    演出は前半の男女情愛の会話劇という”静”から、中盤以降の国籍問題を絡めたダーク・アクションという”動”の芝居へ転換させるなど、魅せてくれた。
    個々のキャストの演技も素晴らしく、バランスがとれており観応え十分であった。
    今後の公演にも期待しております。

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    2015/02/21 23:49

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