空 -SORA- 公演情報 劇団ZAPPA「空 -SORA-」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    面白い!
    「天」チーム観劇。典型的な娯楽時代劇…幕末における勝海舟とその父(小吉)の物語だが、父と子の話を交錯させ、さらに時代背景を絡め物語を紡いでいく。
    父子の話が別々に進展するが、終盤それが結びつき見事な結末へ…。また、公演全体がポップな感じであるが、“勝海舟”のエピソードとして有名な場面は、時刻期限を設けた約束事を織り込み緊迫感を持たせた。緩急ある演出は実に見事であった。
    最後は、公演タイトル「SORA」という言葉が生きてくる粋な仕上げ。

    ネタバレBOX

    [SORA」の直接的な音は、長屋の娘の名が「そら」という。その娘は段々と記憶が無くなる病だという。その娘に何か強烈な印象を残そうと”空”に飛ぶことを試みること。そして、弱者としての庶民が下ばかり向いて、の対語として空を見上げろとの激励語。
    空を飛ぶ場面は、西郷隆盛との会談時刻に間に合わせるシーンと、娘「そら」が彼女に想いを寄せる青年と一緒に飛ぶシーンの2回である。この時、舞台上には多数の障子が並び、さながら羽ばたくイメージになり印象深い。
    さて、海舟は幼いころの記憶から父に嫌悪感を抱いていた。しかし、父の友人から真相を聞きわだかまりが氷解していく。
    ラストは、海舟が誕生したシーン。舞台中央で小吉が赤ん坊を高く抱き上げて、周りを多くの人が手を上げて祝福したところで終幕。そこに色々な思いを込めた”SORA”が観える。
    自分の勝手な思いであるが、子・海舟を通して政(まつりごと)を、父・小吉は市井の人々の生活を…立場・視点を変えることで、当時の状況・世相を上手く描いたところに好感を持った。

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    2014/08/27 20:00

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