旅人と門【全公演終了いたしました!ご来場ありがとうございました!」 公演情報 くちびるの会「旅人と門【全公演終了いたしました!ご来場ありがとうございました!」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    船出
    声を出すと気持ちいいの会の山本タカさんが新たに立ち上げたくちびるの会は
    “社会に対しての強いメッセージを幻想的な台詞回しと虚構性の高い物語に乗せて
    描き出す”寓話のような作品が特徴という単独プロデュースユニットだ。
    なるほどタイムリーな時代性を感じさせる内容だが、ちょっと解りにくさも感じた。

    ネタバレBOX

    ルデコ5Fの柱のある空間には何のセットも無い。
    5歳の哲は父と母から聞いた壮大な昔話に夢中になるが
    ある日その夢を河童に盗まれてしまう。
    するといきなり25歳になって親のローンを背負わされ現実に放り出される哲。
    そして人間界にやって来た河童プラトンと一緒に便所から河童の世界へと旅立つ。
    哲は夢を取り戻すことが出来るのか、哲がのぞいた河童の世界とは…。

    ファンタジーかと思うと不条理みたいな、不思議な手触りの作品。
    言葉遊びが面白い。
    河童は盗んだ夢から理屈を取り出してレンガを作り、それを積み重ねて壁を作る。
    理屈に合わない屁理屈の“屁”の部分はエネルギーとして蓄えられる。
    つまり河童にとって大切なのは“屁”であり、
    これが“屁の河童”の所以かと思えば可笑しくなる。
    河童の動作や、柱をうまく使った動きなどキレとスピードがあって面白かった。

    言われた通り何の疑問も抱かずに理屈のレンガを積み続ける河童に対し
    「二の足を踏め!」と叫ぶ哲とプラトン。
    大衆から夢を奪って理屈の壁を作るのは政治家か?Aさんか?
    二の足も踏まず、後ろから押し出されるように前進するのは愚かな国民か?

    もはや進化しているのか退化しているのか判らなくなっているのは河童ばかりではない。
    人間だって近頃劣化しているようにしか見えないじゃないか。

    壁は崩れて門が出来、旅人は新たな旅に出る。
    硬直した価値観に新しい思想が流れ込み、人は外へと目を向ける。
    桜井哲は「自分がソクラテスであること」を思い出して船に乗る。
    人は夢を失えば一気に5歳から25歳に老けこむのだ。
    新たな拠点からひとりこぎ出した山本タカさん、
    何とも明るい、若い船出である。

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    2014/07/25 05:58

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