すごいモヤモヤしてる
色々と設定が無茶な部分はあるが、当日パンフレットにあった「“カジュアル”で“ポップな”作品」ではある。
自分が観劇した回が満員だったそう。
DVD製作のため、カメラ&マイクが入り、前説でそれらの説明と注意事項が入る。
前説で「僕(脚本演出)が捌けたらすぐ始まりますから」と話していたが、捌けた後、本編とは関係ない映像作品(しかも結構長い)が始まり、しかも見ていてもよく分からない内容で、「よし始まるぞ」と意気込んでいるのを削がれてしまった。
本編は、突然社長になってしまったドラ息子を、社員たちが育てていく、といった内容。前半は会社員としてのマナーや電車の乗り方の教育。後半は元ドラ息子の社長としての成長。
私もOL経験がないので、名刺の渡し方などとても勉強になった。
電車通勤の場面では、作者が常日頃感じていることを面白おかしく見せてくれた。
曲に合わせて動くのも、机を電車の扉や改札機に見立てるのも、工夫されていた。曲に合わせるというのは本当に良かった。あぁ作者は上京した当時こう感じたんだな、というのがよく伝わってくる。
後半の、会社のピンチに社長自らがテキパキと的確な指示を飛ばす場面では、その成長に「よぅ大きくなったなぁ」と子供を見るような不思議な感覚に包まれた。
舞台装置は空間を余すことなく有効利用している印象。オフィスとその他、という上部スペースと下部スペースを場転に用いるのが暗転なくスムーズに見られた。
本社とライフエス(物語の舞台)との関係は物語中盤で予想がついてしまうのが残念なところ。
さて、観劇し終わって思うのが、このモヤモヤ感。
観客も笑っていたし、カジュアルでポップな作品だった。工夫も見られた。
しかし…自分の中の盛り上がりに欠ける。退屈はしないのだが大して高揚もしないというか。何故そう感じるのかが自分で分からないからモヤモヤしている。
何故だろう?と考え出した頃、ふと隣を見ると、おじさま入眠中(-_-)zzzこの人も同じなんだなー…と思ってしまった。