第二回 演劇早慶戦 公演情報 演劇早慶戦実行委員会「第二回 演劇早慶戦」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    パワーアップ!
    昨年誘われて第1回を観た。正直双方つまらなかった。早稲田には劇団がたくさんあり、面白いのもたくさん観たのに、なんでよりによって・・・と思ったくらい。結果、最後おちゃらけたような早稲田に愚直につまらなかった慶応が勝った。
    今回は全然違った。どちらも本気で勝ちに来た。二回目にして「早慶戦」の名に値する歴史が始まったという感じ。嬉しかったし面白かった。

    あのダイナミックな木組み四段の舞台装置にびっくり。早慶どちらも基本その装置を使ったのだけれど、どちらも十分高低差を生かし、早稲田は怪我するんじゃないかとハラハラするくらい転げたり滑ったりしてくれたし、慶応は装置を縦横無尽に使い、物語の大きさを表現してくれてた。

    お題が「平成のシェイクスピア」という以外の予備知識はなかった。
    しかし慶応の配役を見て山崎一平、神林美智子、桂木という役名を見つけ、「おお!これはロミジュリ飛龍伝か!!」とテンションが上がった。70年代、慶応大学在籍中のつかこうへいが早稲田に通って平田満や風間杜夫と劇団を立ち上げた経緯を思うと、演劇早慶戦で慶応がつかを演る、ということにたまらないロマンを感じてしまった(今の学生がそれを意識しているかは知らないが)
    (以下勝敗の結果等に触れます)

    ネタバレBOX

    結果は第1回と同じく慶應の圧勝。
    やはり冒頭にロミジュリコントを入れ、本線はまさに飛龍伝。熱のこもった演技、弛みのない脚本構成、見栄えのする激しいダンスなど、観ていて断然引き込まれた。
    しかし結果がわかってから思い返すと、慶應のロミジュリはお飾りで飛龍伝との内容的なつながりは感じられなかったし(もっと重ねて欲しかった)、涙するほど感動させられたのはつかそのまんまの部分。
    また慶應代表と言っても、事実上すでに名の知られた劇団「あんかけフラミンゴ」が中心だった。

    そこへいくと早稲田の「青の楽園」はまさにオリジナルで、下品だけどパワフルでちょっと切なくて良かった。犬のパーツをマイクにしたり、「曲がりくねった道の先に~」とワンコーラス歌ったり、ああいうところも楽しい。早稲田の数多くの劇団からキャストをこのために集めてきた、というのも早慶戦の趣旨に合っている。しかしストーリーがややだれたのと、豊富なギャグに不発が多かったのは残念。お題のシェイクスピアに見える形で触れなかったのはポイント的に不利を招いたと思う。

    二連敗した早稲田は来年背水の陣。もっと熱い早慶戦が期待される!!
    個人的希望としては、お題を「つかこうへい」にしてさらなる「骨肉の争い」を観たいなあ。

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    2012/12/11 03:37

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