『(諸事情により)よろず相談始めました。人間科学隙間研究所』~お陰さまで全日程終了致しました。次回作も御期待下さい。 公演情報 劇団夢現舎「『(諸事情により)よろず相談始めました。人間科学隙間研究所』~お陰さまで全日程終了致しました。次回作も御期待下さい。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    老舗の蕎麦屋
    劇団史上もっとも長い名前だという今回の公演は、
    人生や世の中の隙間を研究して来たこの研究所が経済的についに立ちゆかなくなり、
    本来の研究ではない裏ビジネスを始めるというものである。
    ダメダメ教授の「言葉」へのこだわりにひき込まれていつしか「隙間」へと入り込んでいく。

    ネタバレBOX

    よろず相談と言っても、相談員も怪しげなら相談に来る方も怪しいことこの上ない。
    ピンクのシーツ(?)をマントみたいに首に結んで「空を飛びたい」という男とか、
    相談されてもなーと思うような面々がやってくる。
    ところが実は彼らには密かな目的があったのだった。
    そして所長の謎に包まれた過去が明らかになる・・・。

    劇団夢現舎は、その案内に始まって「二度観チケット」システムや
    家でゆっくり書いて返信用の封筒で送るアンケートの方法など
    手作り感あふれる対応が楽しい劇団である。
    大勢お客さんを呼びたいというよりは
    顧客満足度を上げることに重きを置いているような所があって
    老舗の蕎麦屋のごとく1日限定20食を丁寧に作って出す感じに似ている。
    コストパフォーマンスとしては大丈夫なのかと余計な心配をしたくなるが
    いずれその辺りも聞いてみたい気がする。

    今回も客に「二度観」を勧める以上、
    少しずつマイナーチェンジをするはずで
    「な~んだ、何にも変わってないじゃん」と言われないようにするのは
    相当なプレッシャーだろう。

    夢現舎の芝居の面白さは、「言葉の追求」だと思う。
    日常の中で聞き流す言葉を拾い上げて、分解したり磨いたり削ってみたり…。
    「ま、いいか」と言わず徹底的に「言葉」にこだわりこねくり回すところから
    シニカルな面白みが「隙間」からにじみ出て来るのだ。

    今回も研究所職員同様、観ている私たちも
    教授(益田嘉春)に翻弄されたのであった。
    しかも懲りずに二度も翻弄されに行く予定。
    二度目は何がどうなるのか、ぜひ比較して観たい。
    変化に気づかなかったらどうしよう…。

    「ま、いいか」

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    2012/07/03 01:20

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