オーシャンズ・カジノ 公演情報 北京蝶々「オーシャンズ・カジノ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    カジノ最高っっ
    濃いキャラクターと、どファンタジーなエンタメ感満載の物語の中に、こっそり見える世の中への怒りを感じたり何かして。充実の観劇でした。

    ネタバレBOX

    1%と99%。富は世界中の人口の1%に集中していて、残りの99%は辛酸を舐めてるんだ!2011年ウォールストリート占領運動で出された、格差是正のメッセージはシンプルだが明瞭だ。一方でコンビニでバイトしながら廃棄弁当で日々食いつないでる人がいて、一方で九州の中州ごと買えちゃう人がいるとしたらおかしくねーか、的な思いは観客として見ていて当然ある。

    劇中に出てくるのは、賭博を巡る駆け引き≪持たざる者が持つための競争・騙し合い≫と、長崎の地域振興≪共存・皆で生きていく公共性≫が同時に描かれる。一方は個人主義で、一方は全体主義で相反するように見えるけれど、「1%と99%の是正」富の再分配って形で考えればつながるのかもと思う。劇中でも答えが出ないように、僕自身もこの不景気感というか、閉塞感というかの打開に、明確な答えは出ないんだけれど。でも、そこには今を生きる我々の普遍的な怒りのようなものがあるんじゃないだろうか。

    公演のチラシに、「日本の未来にいくら賭ける」とあるが、個人の掛け金なんてたかが知れてる。でも、積もり積もれば大きな金額になる。物語の終盤に「自分は人に迷惑をかけてばかりいる」と負け組感満載の男トビオが、船上を支配してる中国人企業家のヤンに「カジノゲームで勝負しろ」と迫る姿が描かれる。そして、無謀だとわかっていながら周囲の人間はトビオに投資する。それを見てトビオ勝ってくれないかなぁと期待してしまうのは、現実と重ねて見ているからだと思う。彼らがトビオに賭けるのは、より多くの富でもあるし、人生の充実感でもあるけど、転じて最終目標は日本の未来に賭けてるんじゃないかなと、1%と99%に強引に引き寄せて考えてしまう。そして、勝負で負けるけど、最終的には計略でヤンを負かすクライマックスに胸をなで下ろすのだ。

    でも、パチンコ業界の鉄砲玉とされたトビオを筆頭に、長崎県議のマダラメも、長崎にカジノを作って一攫千金を目指したカラサワも、地権者テラシマも、警察官キリハラも、パチンコ業界の大元ノビルも、お互いに騙して競争しているけれど99%側なんだろうなぁ。本当の1%は、表舞台に出てこないで本作の船上の一幕のように99%を駒にして動かしてるんだろうなぁと思う。トビオとトビオの彼女アンコの人生も劇的な変化は無いんだろうなとも思う。

    人間の依存心は愚かしく。でも、カジノは楽しい。だから人間って愛しい。日本と世界のギャンブル事情を挟みつつも、全体は何でもありなライトでポップなティストで(そしてコンパンニオンの皆さんのセクシーな衣装とダンスに目がクラクラで)見ていて本当に楽しい時間だった。そして僕自身、終演後のカジノタイムで幸運にも8チップ獲得!!DVDと山梨県産ワインを御馳走になって、カジノ最高っっ!って思っちゃいました。

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    2012/04/26 13:08

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