慣れの果て 公演情報 演劇チーム 渋谷ハチ公前「慣れの果て」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    とある、町工場
    切ないけど、温もりと優しさに溢れる作品でした。同じ痛みをもっている仲間ならではの、真の優しさやいたわりが、心にしみました。拘りの美術とハイレベルの役者陣に、魅せられました。配役表は、欲しかったです。

    ネタバレBOX

    寂れた町工場の従業員達の群像劇。
    同じ環境で育った者達だから言える事、痛みを知っているから、気付かないふりや言わない事、・・・だから言えない事が・・・どこか空虚になってしまった人間関係の様で、その理由も、優しさからなのだが。。。
    仕事、状況、生活、環境、自分自身が持つ想い、全てが満たされる訳でもなく、切ないけど、優しい気持ちになれる作品でした。

    群像劇でありがちな、極端過ぎる人物像もなく、ごくごく自然で実在しそうな人々でした。繊細で丁寧なキャラ立てを壊すことのない役者陣が、誰も出過ぎず埋もれる事もなく、とても良かった。

    全員が親友ではなく、仕事仲間と言う距離感は、ほどほどの親密感であったり、やっぱりほっとけなかったりする情の見え隠れが、繊細で良かったです。
    ヒロちゃんが、他の職場から、帰ってきたときや、、、
    フクコが自分の名前が、好きでないことを、カップラーメンのシーフード味食べながら、諌めたり、、、
    ラストのフクコとナオの元彼の取っ組み合いのけんかも、、、
    弟が浮浪者の様な格好で住み込みであろうか?が、なぜそうなのか、ちとモヤモヤが残ったが、フクコ達の取っ組み合いを止めるわけでもなく、理由を聞きもしないが、ただタバコを吸いにでるだけ、、、、それも、フクコたちの想いを労わっているかのようで、優しさを感じました。
    ナオ夫婦が居なくなっても、変わらず工場は稼働する、毎朝のラジオ体操では、割り切れない彼が泣けた事で、新たな一歩を踏み出せそうな感がしました。
    体操や仕事に対する姿勢を変えていこうとする人や、それぞれの人生が動き出した感が、感慨深かったです。

    回想シーンと現実シーンへの切り替え時の効果音、イメージ通りで、解りやすく良かった。

    寂れた町工場の中庭の造りが、とても雰囲気があり、良かった。ドラム缶やトタンの錆、つたのからみ加減に、埃っぽさ、地面には本当の土がひいてある。
    いかにも間に合わせらしい、板を置いただけの机やイス逹。庭と呼べる程、手入れは行き届いてはいないが、従業員にとっては、一時のオアシス場としている感が、とても良かった。

    0

    2012/02/25 03:09

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大