慣れの果て 公演情報 演劇チーム 渋谷ハチ公前「慣れの果て」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    切ない!
    生き生きと、そしてとても自然な演技で、切ない青春を描いた素晴らしい群像劇でした!

    ネタバレBOX

    同じ養護施設出身者が大半を占める町工場が舞台、一つの事故によって運命が変わってしまった男女を中心にそこで働く若者たちの群像劇。

    高校生のとき、なんであのとき自分が最初に棒なんか持ってしまったんだろう。あれが無ければナオと順風満帆に行っていただろうに、悔やんでも悔やみ切れない思い。

    友人とじゃれた際に友人の持った棒でナオが片方を失明してしまい、友人は償いの気持ちが次第に愛に変わり、二人は結婚することになり工場を辞めておじさんを頼って去っていく。本当は彼は今でもナオを愛しているのに追いかけることができない。

    ふくこはナオの友だちで、元々はナオと結婚する男が好きだったのかな、ここはちょっと確信まではないけれど、ナオの事故によって結局男を盗られてしまったような形になったのかな。

    送別会の後、ふくこはうじうじしている彼に水をぶっかけどろんこになりながらナオに告白する最後のチャンスだと言ってそそのかしますが彼は動かず、逆にお前も同じだろうと痛いところを突かれます。

    二人がいなくなっても工場は稼働する。朝のラジオ体操、彼は吹っ切れずに泣いている、それでも日常は動き出すということです。

    先日観た宝塚のトルストイ作『復活』では、償いの愛は負けました。このお芝居の彼にも真実の告白ができていれば別の展開になっていたでしょうが、それだけに切ないです。

    役者さんの動きがとても自然体で素晴らしかったのと、廃墟マニアじゃないですが、工場のトタンの錆具合がなんとも美しかったです。そして、ふくこは細くて美人さんでした。

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    2012/02/23 11:09

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  • おっしゃる通り、観た人の想像にまかせるという意図があるのでしょうね。

    自戒の念も込めて、こういうサイトではイエス・バット法と言いますか、そのような方式でコメントするのが大切だなと思いました。

    2012/02/26 22:26

    私も確信はありません。

    ふくこが「闘いなよ」と必死に男に訴えるのに対し、男が「お前だって闘ってないだろ」と返し、ふくこは黙り込んでしまいます。

    男は、自分の痛いところを突かれ、苦し紛れに、外部に対し心を閉ざしたまま開こうとしないふくこの日頃の態度全般に対し「お前だって闘ってないだろ」と叫んだのではないでしょうか。

    ふくこは自分の気持ちを男にぶつけたこともなく(だから男はふくこが自分を好きだとは知らない)、何もせずに男を諦めようとしていた(それどころか男をナオのもとに走らせようとしている)自分に気づき、「お前も闘ってないだろ」という男の言葉が心に突き刺さったのではないでしょうか。
    男のことだけではなく、ふくこという名前と正面から向き合わず避けてばかり来た、施設外の人と壁を作りそれを越えようとしない、等々、「闘ってない」に思い当たることが多々あったのではないでしょうか。

    多分、正解はないと思います。
    少なくとも明確に示されてはおらず、作者にも、観た人の想像にまかせるという意図があるのではないでしょうか。
    いろいろ想像してみるのも楽しみのひとつではないでしょうか。

    2012/02/26 13:10

    ふくこの視線や仕草を把握しきれていないので確信は持てていません。

    俺はこいつと結婚するというシーンがあり、ふくこがさらっと受け流していました。そのときはふくこは本当は嬉しいのに気持ちを隠していたのだろうと思っていました。

    ラスト近くで、「お前も同じだろ」という台詞が飛び出し、あのときそれを基に再構築しました。

    お前も同じだろが、理由はともあれ結婚を決めた二人だ、俺はナオが好きだけど俺がナオを奪い取ったら親友を傷付けることになるのでそんなことはできない、お前も彼を奪うと親友のナオを傷付けることになるのでそれはできないんだろう、告白と略奪の二面に関して俺と同じじゃないかと考えてみました。

    お前も同じだろが、お前は俺のことが好きだけど俺はナオが好きなので、ナオと親友のお前は俺とナオが一緒になることを一番に考えているだろうから俺に対して求愛を告白することはできないだろうと考えると、告白できないことだけが同じだということになります。確かにそうかもしれません。ただそうなると、お前も同じだろが少し偉そうな台詞にも思えてきます。

    兄弟の兄はふくこを呼び捨てにしていました。そしてふくこは兄弟の兄になついていたような記憶もあります。相談できる人かもしれませんし、憧れていた人かもしれません。過去何かあったのかもしれません。

    みんなと一定の距離を保っているふくこの本心は計り知れないところがあります。

    2012/02/26 12:41

    ふくこがナオと結婚する男を好きだったというのは違うと思います。むしろ水をぶっかけて取っ組み合った彼を本当は好きだったのでは?

    2012/02/26 08:47

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