「くすり・ゆび・きり 公演情報 エビス駅前バープロデュース「「くすり・ゆび・きり」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    気の利いた小品
    バーという会場がうまく使われていて、とてもいい感じ。
    ドラマの見せ方がうまいし、役者もいい。
    こうなると60分というのが、逆にもの足りなく感じてしまう。

    ネタバレBOX

    恵比寿のバーが会場だ。
    エビス駅前バーは3階にあるのだが、実はそこに上がる階段ですでに公演が始まっていたと言っていいだろう。
    階段の途中には「離婚式は4階へ」の貼り紙があったのだ。
    それを横目で見つつ会場へ。

    不慮の事故で夫に先立たれたシングルマザーが切り盛りする、夫が残したバーが舞台。
    そこでプロポーズした男女が、数年後、バーの階上にあるスペースで離婚式を執り行う。
    そこに集まった別れる夫婦の大学時代の友人たちや、その関係者たちの男女関係(?)に関する悲喜交々が、さらりと進行する。
    60分だからか、きれいにまとまりすぎな感じもしなくもないのだが。

    会場自体が、バーということなので、カウンターなどを使ったお芝居だろうということは想像の範囲内だったのだが、時間の変化(年や季節も)、階上の様子の匂わせ方、さらにトイレの使い方を含めて、とても効果的だった。バーなのにシンプルながらライティングもよかったし。
    限られたスペースなのに、人の入り出など芝居に細かく動きがあり、ドラマの見せ方(演出)のうまさはさすが。
    こういう小さなスペースの近距離で観るのに適した脚本と演出、さらに演技だったと思う。
    こうなると60分はあっという間すぎて、逆にもの足りないぐらい。
    もっともっと観たい、と思ってしまう。

    そして、役者たちがうまい。
    特に、伊丹孝利さんのトボけた感じ、山﨑雅志さんの、ちょっと嫌みな感じから、ある人への愛情を露わにするあたりや、だてあずみさんの、若い強さと脆さ、中村貴子さんの渋さが印象に残った。

    0

    2011/08/23 07:14

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大