よしの観てきた!クチコミ一覧

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BUS DRIVER【終了致しました。ご来場誠にありがとうございました!】

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机上風景

タイニイアリス(東京都)

2012/04/27 (金) ~ 2012/04/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

モノローグが織りなす原初的・根源的な世界
前回「このまちのかたち」では、「台詞が聴こえなかった」ということで、
あえて辛い評価(☆2)をしました。
でも、黒くて、ほとんど小道具がなくて、そして照明が印象的な舞台美術は、
今でも鮮明に覚えています。
そして、なにやら原初的・根源的なものへの回帰・回想とでもいうか、
そういう他劇団では味わえない世界を紡いでいるように思います。
(無論、象徴的手法と括ってしまうことも可能でしょうが。)
前回、辛い評価にしてしまったのは、
「台詞がぎりぎり聴こえていれば、素晴らし過ぎたのに」という、
ある種の大変残念な思いが、私の潜在意識にあったからかもしれません。

今回は、バスの運転手が主人公で、
バス車内を模したように椅子が配置され、
つまりは決して奇をてらうものはなく、一見平凡とも言える装置。

しかし、公演が始まると、やはり、前回同様独特の世界がステージ上に
存していることに気が付きます。
(以下、軽いネタバレ)

ネタバレBOX

この芝居、「会話」は無いわけでもありませんが、
基本的に「長い独白(モノローグ)」仕立てなんです。
話す相手はいるけれども、一方的に話す・・・。
実質的には独白。
最初は運転手、次におばさん、幼馴染のその娘、
やはり幼馴染のベトナム人娘、ぎくしゃくしている実母、そして亡兄・・・。

そして、これらモノローグは運転手の想像?幻想?
特に、亡兄まで出てくるのだから、現実でない設定と
理屈では一応言えましょうか。

でもね、何が非現実で何が現実か、
そんなに簡単には判別できないのではないのか・・・?
そう思わせる何かがこの芝居にはあります。

かといって、決して堅い作りではなく、今回は笑いの要素もふんだんに
取り入れられています。

前作について冒頭に書いたことの繰り返しになりますが、
もっとも根源的で、もっとも真なる存在って、
もしかしたら、この劇団が毎回追求し、表現しているものなのではないか?
そんなことを強く思わせる、特異な、そして得難い劇団です。
人間嫌い

人間嫌い

たすいち

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2011/06/18 (土) ~ 2011/06/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

古典物でも高水準の出来上がりに
実は、かくいう私も、生でモリエールを見るのは初めてだし、
モリエールについて造詣があるわけでもない。
ただ、今回拝見して、やはり何より面白かったし、
時代のふるいに耐え、現代まで残ってるだけの出来のよい台本であると感じた。
それを前回、短編で好演を見せた+1が、今回、長編かつ古典もので、
どのような芝居を見せるか、興味深かった。

私的には、やはり高水準で、出来のよい芝居であったと思った。

ネタバレBOX

社交界に生きる人達の追従、欺瞞、不正が日常茶飯事になっている中、
男主人公アルセストは、極端なほど世辞・追従が全くできず、
ある意味正義感が強いともいえるが、周囲とは当然激しい摩擦を起こしていく・・・傍から見ればやはり滑稽な人物であることには変わりがない。
そして、そういう性格の彼がなぜか恋する女主人公セリメールは、
逆に「典型的な社交界的人物」。
そして、この二人の周囲には、多様な個性の強い人物が数多くいて、
そしてこれら登場人物が大小様々の事件を引き起こしていく。

このモリエール作品に、ある場合には必要と思われる、
強い自己主張的表現や、長い台詞を言葉のリズムを有しながら話していくこと、
それに間の取り方、などが、脇役陣を含めてしっかりしていて、
それらを前提に、人間の弱さや可笑しさ、
そして素晴らしさがしっかり織り出されていった舞台であった。
私自身、やや疲れ気味だったので、1時間半はつらいかも、と思っていたが、
実際はあっという間に観終ってしまった感がある。

さて、素晴らしい舞台であったが、さらなる向上のためにということで、
あえて私が気になったこととして、以下3点を指摘しておく。
1 この物語では、男主人公は極めて非妥協的人物であるが、
「結末部」の台詞などでは、若いのに諦めゆえの隠遁を決意してしまうし、
また恋人への台詞なども含めて、
極端な個性がやや緩くなってきたように考えることができるであろう。
一方、女主人公は、「この時代の社交界としては極めて常識的」な生き方を
していて、上手く立ち回っているのだが、やはり「結末部」では、
やり口がばれてしまう・・・。
そして、それまで気持ちを秘めていた脇役の位置にあった2人が
結ばれることに。
こういう、下向き、あるいは上向きの「ベクトル」が、
もうちょっとくっきり出る演出ができれば、
さらに印象強い舞台となったのではないだろうか?
2 上述のとおり、脇役も含めて好演していたのだが、
実は、「舞台に出てきて台詞が始まるまで」の間に、
ちょっと存在感に欠ける人が何人かいた。
台詞が始まってからは良かったのだが。
つまりは、名俳優や名バレエダンサーなど、
ある意味、突っ立っているだけでも、
強い存在感とオーラのようなものが伝わってくるのであり、
それは内面の思いとか、微妙な表情・所作から滲み出してくるものであるが、
その辺もこれから考えて頂ければと思う。
3 音楽というか効果音で、心臓の鼓動のような音を数か所使っていたが、
その場面が内面の不安をことさら強調する場面とも思えず、
私は少々違和感を感じた。

ただし、これらの課題はあっったとしても、ポイント4.6~4.8位なので、
四捨五入で5Pを献上しました・・・。
十字路と絵本(終演いたしました!ご来場誠にありがとうございました。祝!!2011年上半期シアターシャイン演劇奨励賞を受賞しました!)

十字路と絵本(終演いたしました!ご来場誠にありがとうございました。祝!!2011年上半期シアターシャイン演劇奨励賞を受賞しました!)

tYphoon一家 (たいふーんいっか)

シアターシャイン(東京都)

2011/06/30 (木) ~ 2011/07/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

小劇場ならではの濃い空間と内容を堪能
(すでに他の方が書かれているように)3話のオムニバス的構成である。
そしてその3話は、魔女(?)が、そこに願いを叶えにやってきた少女に、
絵本を読み聴かせる、という設定となっている。
私は開演ギリギリに会場に着いたので、
ほとんど予備知識もないまま観劇したが、
この3話がそれぞれ作者が違うとも気が付かなかった。

言われてみれば、たしかに作風は若干違うものの、
「願いを叶える代わりに、大切なものを失う」というコンセプトで一致しており、
どの話も、人間なら誰しも持っている「悪魔性」と共に、
「人生とは?」「生きる上で最も重要なものは?」
という問いを観る者にも考えさせる作品である。

ということで、「挿話」としてはそれぞれ結構長いものの、
統一性も取れていて、演劇全体も1つの作品と感じさせる内容となっている。

「絵本」という設定がまず良く、私が期せずして「観たい」に書いたことだが、
ある意味、人生の残酷さをも含んだものである。

ネタバレBOX

1話目では、女性同士の友情が、
男性の出現によって微妙に破壊されていくさま、
2話目では、残酷さの中にも潜んでいる「喜劇性」が、
ピエロの登場によりダブらせて表現される秀逸な手法、
3話目では、亭主に逃げられた女の疲れた人生と、
愛情をうまく表現できなかった子育て、
そして、母と子、そして子供達同士の感情的葛藤と融和・・・
・・・が、それぞれ見事に表現されていたと思う。

そして、この芝居が成功した理由としては、小劇場ならではの濃密な空間作りと、
童話的なややシュールな雰囲気を、
決して豪華なものではないが、よく考えられている
衣装や大道具・小道具、そしてメイクなどで
上手く描き出していたことも一因だろう。

課題を挙げるとすれば、こういう芝居ではしっかり暗転した方が良いと思うが、
多少光を残していたこと・・・
そして、その光は、擬人的な顔のある太陽と三日月の目の部分が
緑色に光ることによってもたらされているのだが、
「暗転時」にはその顔は暗くて見ることができず、
ただ緑色の灯りが3つ、としか見えないため、
おそらく意図したであろう独特の気味悪さを
感じることができなかったことである。

しかし、「人生の毒」に対しての観る側の好みはあるかもしれないが、
私的には、小劇場ならではの濃い空間と内容を十分堪能でき、大変満足であった。
楽屋

楽屋

π

ザムザ阿佐谷(東京都)

2011/09/02 (金) ~ 2011/09/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

迫真! かつ質のとても高い演技
場内は満席で、それに節電のためか少々蒸し暑かったが、
90分の公演時間中、舞台を注視し続けてしまった。
笑いあり、迫力あり、人生への省察あり、そして体当たりの演技ありで、
台本も、そして役者の質も高く、素晴らしい内容であった。
私の「今年ベスト5」に入るかも・・・。

また、観終わった後で感じたことは、単なる引用ではなく、
「チェーホフ」的な雰囲気のある演劇であると感じた。
つまり、色々の出来事の後、余韻の中に「何か」を観る者に
考えさせる…というような点で。

なお、以下ネタバレだが、これから観劇予定の方は、ネタバレを読まず、
内容を知らずに観劇されることを強くお勧めする。
ですので、以上に結論的なことを先に申して置いた次第である。

ネタバレBOX

楽屋内では、年かさながらヒロイン役を続けているベテラン女優と、
もう2人、念入りに化粧し続けている黒地の服装で地味な女優
(演じているのは男優)がいる…こちらも決して若くない。
ベテラン女優は、「かもめ」の台詞を口にして練習したり、
「いつもここで間違えるのよね」などと言っている。

この辺でもう、ヒロイン役の気迫で、舞台上はピーンとした雰囲気、
そして、観客も皆、舞台上を注視…。

やがて、ベテラン女優は、2人のいる辺りについて
「淀んでいる…」などと雰囲気を貶しながら、
しかし、彼女が劇中劇のステージに上がるため楽屋を去っていく…。
すると、残った2人は昔話にふけり出す…。
彼女らも、主役の座を射止めることを夢見ながらも、
ついに願いはかなわず、万年端役、万年プロンプターに甘んじていたのだ。

そして、「マクベス」、博徒物、「かもめ」の一場面を演じて見せたりする。
(初日と言うことで、少々噛んでいたところもあったが)
この場面も結構長くて、そしてこちらも中々気迫のある名演であった。

さて、そこにもう1人、若い娘が楽屋に登場。
そして、ベテラン女優が楽屋に戻ってくると、親しげに話しかけるので、
若い娘は知り合いであることが分かる。

そして娘は(しばらく病気入院していたのだが)
「私健康になりました」というので、
ベテラン女優は「じゃあ私のプロンプター、明日からやって!」と言う。
しかし、娘は「私は健康になった。だから私の役を返して」(?)と言う。
「かもめ」のヒロインは、元々自分の役だった、だからそれが当然!
と言うように。しかも、冷静かつにこやかに…。

さらには、「お疲れだろうから、あなたの入院の予約までしてある」
とまで言う。
さらに加えて、ベテラン女優が経験の大切さや
女優の苦労を説き、「私だって、いずれはババアになる…」
など説いたところ、その言葉に対し、「あなたは、今、もうババアよ」
とまで言ってしまう。もちろんこれも、冷静かつにこやか、当然のように。

さて、ここまでは、ある意味頓珍漢なやり取りであり、
笑いも多くコミカルな雰囲気であったのだが、
この言葉に激怒したベテラン女優は、近くにあったビール瓶で、
娘の頭部を殴りつける……瓶の破片が飛び散る……娘は倒れる。
我に返ったベテランは娘を介抱する…
(黒い2人が破片を掃除している。)
やがて娘は起き上がって楽屋から去っていく…。
ベテランも悔しい思いを胸にしながら去っていく。

さて、例の2人だけになって、今の出来事に一しきり話していると、
また娘が戻ってくる。そして2人に話掛ける。
2人は驚き「私達が見えるのか?」と訊く。「ええ」という娘。
そう、この人はすでに死んでいて、しかし女優の夢を捨てきれないため、
楽屋に毎日現れて、出番がもらえないかとメイクに励むのである。
そして、この2人が見えた、と言うことは、
娘もすでにこの世の者ではない…。

そして仲間となった3人は、人生論(死者の人生論と言うのも変だが)や
演劇論についてまた話をし始める。
あの世の住人になっても演劇への意欲は失わない。
それは死霊の執着のようなものではなく、さらに向上して行こう、という
もので、何となく平和な気分となった中、幕となる。

まあ2つだけ注文を付ければ、まず1点は、
生きている者は、黒服の2人は見えないのだが、
しかし2人からは生きているものが見えるし、
生きている人間の言動に対して、批判めいたことなどを言うのである。
ただ、そうすると、生きているものからは見えていないという設定が、
観客には分かりにくい。

しかも、初めはこの2人がすでに死んでいることさえ分からないのだから。
この辺をうまく処理できれば、より良いものになると思われる。

もう1点は、お笑いの時事ネタで、「原発事故」をも扱っていたが、
これはさすがに笑えなかった…。
さすがに、これは、お笑いには不適切なのではないか?

ただ、冒頭に記した通りで、この芝居、
大変素晴らしい内容であったことは間違いない。
一見の価値あり!と私は思う。
魚のいない水槽

魚のいない水槽

スポンジ

サンモールスタジオ(東京都)

2012/03/23 (金) ~ 2012/03/27 (火)公演終了

満足度★★★★★

緻密な構成が素晴らしい
前回の裏窓も素晴らしかったので、今回も期待して行ったが、
期待を裏切らない素晴らしい内容と思った。

ただし、最初は具体的な内容が良く分からず、
不気味な雰囲気を漂わせるようなつくりのため、
好みは分かれるかもしれない。
(初心者「お薦め」にもしましたが、
もしかしたら感性が合わない方もいらっしゃるかも)

お店への嫌がらせ、ストーカー、過去の犯罪、
そして匿名性の強いチラシやネットでの誹謗中傷・・・と、
現代の社会病理とも言える素材を用い、
サスペンス的に、初めはモヤモヤしていた内容が、
次第に具体的になり、それは主人公の過去にも及ぶ。

こうした、観る者を惹きつけてやまない筋の運びも見事。

ネタバレBOX

「ネタばれ」でも、筋の詳細は書きません。
ぜひ生の舞台を見て下さい・・・ということにします。

ただ、最初は陰気な灰色(これも話を象徴しているとも言える)の壁面が、
紗幕により、奥の華やかな店内が見える作りも凝ったものです。
「ベルナルダ・アルバの家」

「ベルナルダ・アルバの家」

ウンプテンプ・カンパニー

シアターX(東京都)

2011/09/01 (木) ~ 2011/09/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

重い・・・しかし素晴らしい作品
正直、まだ感想が頭の中で完全にまとまっていないほど、
インパクトの強い作品。

実は私は5年前、北千住1010で、同じ演目を見ている
(こちらの劇団ではないが)。
その時も、帰りの足が重たく感じるほどのショックを受けたが、
違う劇団・演出・役者で観ると、
「一度観た作品」という気がしないのが不思議なほど。

しかし、休憩込みで3時間近い公演だが、
前半も悪くは決してないものの
後述するように娘たちの性格付けについて、
もう一工夫あればより不気味かつ不安感が
強くなったのではとも思ったが、
後半は見事に破局へ突き進み、
全体としても充実感を感じた・・・
観終ってみれば素晴らしい作品!

さて、演劇本論はネタバレなので後回しにして、
先に、まず音楽のことを書いておきたい。
ピアノと打楽器(ヴィブラフォン?…鉄琴の一種…が主体)の
2人の奏者のライブ演奏。
ピアニスト(神田)が作曲も担当したそうで、
この音楽、基本的には「現代音楽」で、不協和音が主体・・・
しかし、高音域で柔らかく奏されるため、
これから起こる「事件」を予知させるとも言えるが、
決して不快な響きはしない。
ヴィブラフォンも、普通に叩くだけでなく、
ヴァイオリンの弓で擦るなどの奏法も取入れられ、
独特の雰囲気を醸し出すことに成功している。

(最も私は、2列目の向かってもっとも左の席だったので、
演奏者に近過ぎて、最初はそれが少々気になったのだが、
次第に演奏者の息遣いが感じられることが面白く思われた。
ただ、舞台も広いし、できればもう少し後ろの席の方が
一般的には良いだろう。)

それから、パンフレットについても付言しておきたい。
カラー写真付き8ページで、有料パンフではないし、
決してかさばるものではないが、
当時のスペインの社会事情・背景なども分かりやすく解説され、
過不足無い出来の良い作りである。

ネタバレBOX

さて、ここから、劇そのものについてだが・・・
あまりにワンマンで、自分に逆らうことは一切許さない
タイトルロールの女主人。
口答えなどすると、ステッキで殴りつける(今なら虐待とかDVだろう)。
夫が亡くなったばかりで家族一同喪に服している。

この謹厳な母に育てられた5人の娘は、
いわば母の顔色を伺って育ってきた娘達。
しかし、それだからこそ、内面に鬱積しているものがあるし、
それは穴が開けば噴出する。
しかも、「無菌培養」されているだけに、一旦菌に侵されると弱い・・・。

そして、役としては登場しないペペは、金目当てで長女と婚約するが、
夜中に逢瀬を重ねるうちに、妹たちも彼に惹かれ始める。
そして、末娘はついに、彼に身体を許すまでに至る・・・。

まあ、要約してしまうとそれだけなのだが、
いわばこれを舞台上にリアルに表現されていくわけである

また、最後に起こる悲劇の伏線として、
この村で未婚の母となって(当時は大変なタブー)、
発覚を恐れた母は子を亡き者にしようとする・・・
しかし他の村人の知るところとなり、
破戒女として村人になぶり殺しとなる。
(キリスト教の聖書本来の教えと違う気もするが、
しかしこれが現実のキリスト教社会だろう。)
これは実際に演じられるのではなく、
伝聞として扱われるのだが、この話もきわめて効果的である。

演技としては、何よりタイトルロールの新井純の存在感が大きい。
役柄としてそれは当然でもあるのだが、
この重い役を見事にこなしていたと思う。

一方、欲を言えば、5人の娘たちについては、
1 過酷な母親に育てられ、今も一緒に生活している
・・・しかし母のいないところでは別の側面を見せる部分
2 5人それぞれの個性の違い・・・年齢のみならず性格も違う
の2点についてもう少し明確に表現されれば、と思った。

それから、女主人に対して女中頭は同年代とはいえ結構タメ口だったり、
それに中年の女中まで、意外とぞんざいな口の利き方を
怖い女主人にしてみたり。

これが、この女主人の威厳を割いているような気もした。
もちろん、女中頭は、この家のことも思って、
あえて女主人に強く忠告をする場面もあるのだが・・・。
しかし、それが受け入れられず、
「後は野となれ・・・」的な態度に変わってしまうのだが、
その部分のコントラストも弱くなってしまうように思えた。

これはもしかしたら全く的外れかもしれないが、
原語では日本語のような敬語はないし、
二人称に親称、敬称の区別があっても、
これも日本語と一致しているものではない。
この辺の翻訳(日本語表現)の仕方で、もう一工夫できるのでは、
という気もした。

ただし、以上の指摘は、すでに演劇として高水準のものに到達している
ゆえに、あえて、それ以上のものを望んだものであることは、
あらためて付言しておきたい。
『flying stage!』

『flying stage!』

風凛華斬

シアター風姿花伝(東京都)

2011/06/17 (金) ~ 2011/06/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

後半の数度の盛り上がりに感動!
いわゆる「ベタ」な話ですが、素直に感動できました。

子供世界を中心に描いた作品で、そこには子供社会ならではの純真さ、
不正への疑問、大いなる将来への夢、それを実現しようとする情熱、
そして、もちろん良いことばかりではなく、いじめ、心無い言葉も含んでいる。
さらに、そこに大人社会の決め事が加わり、
階級・身分・権力・貧富・教育・教養(いい意味ばかりでなく)の差が絡み合ってくる。

ネタバレBOX

女性冒険飛行家アメリア(”めん”が当たり役で好演♪)は師匠夫妻と共に、
未来の飛行の夢を語り合う。
しかし、舞台は一転、子供社会へ。

孤児院に住む主人公ミラは、ふとしたきっかけで上流階級の子供たちと付き合うようになる。
そこで、前述したようないじめや差別も体験するのだが、
あるとき、隠れ家の倉庫に飛行機があるのを見つけ、
何と子供たちだけで、それを飛ばすことを計画する。

いじめられっ子だが機械に強いナイルが整備し、もちろん、パイロットはミラ。
まあこの辺、ミラの「兄」が大学へ、という話があるので、
最大限年長としても高校生の物語であり、
いくら機械好きでもいきなり飛行機の整備はできないだろ、とか、
孤児院暮らしで、勉強好きでもないミラが、いきなり飛行機の操縦など無理だろ、とか、
まあ理屈で考えればおかしいことだらけなのだが(笑)、
ある意味、そんな屁理屈(?)を吹き飛ばすだけの推進力と感動がこの芝居にはあった。

実はアメリアは、事故死した師匠夫妻の子を探していて、
ミラこそがその子であることを知る。

途中で飛行機の整備がいじめっ子に見つかり、
しかも燃料のガソリンも「拝借」してくるので、
はたしてこの計画が実現するか?ではらはらさせ、
何度も臆病ゆえに、友人を置いて逃げ出していたナイルが、
最後の土壇場で、ついに逆切れ(?)し、いじめっ子の暴力に対峙し、勝利する。
また、ミラの友人であるアルやティコも、強圧的な兄の呪縛からついに逃れる。
そして、これらの困難をすべて克服し、ついに飛行へ。

さらには、子供たちが夢を叶えていくのと、アメリアと亡き師匠夫妻との想い出と夢が交錯していく。
ラストは、離陸後、ミラと、その父とが一緒に教え、教わりながら飛行する・・・。

このように、いくつもヤマを作り、そしてそれを乗り越えさせ、夢と希望を実現させていくことで、
観る者に感動を与えていく手法はさすがである。

また、以上のように、上流階級の子供たちも、
素直な子供や、バカ娘、そしていじめっ子などさまざまで、
そして、その家族も、差別意識の強いもの、過去の飛行機事故のトラウマがあるもの、
ミーハーなものなどこちらもさまざま。
こういう役ごとの個性の違いもしっかり表現できていたと思う。

ベタであっても演劇的にしっかり作られている秀作は好きだ。
「イキザマ」

「イキザマ」

RISU PRODUCE

シアター711(東京都)

2011/07/22 (金) ~ 2011/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

多少の欠点を吹き飛ばすような「カタルシス」に浸る
詳しい筋は既に書かれているので書きませんが、
大変読後感ならぬ観劇後の印象が強い
素晴らしい作品でした。

正直、前半はテンポがイマイチで、モタモタ感もあった。
笑いもあまり取れなかったり……。
新人採用試験~練習開始のあたりまで。

また、これは仕方がないかもしれないが、
舞台に立派なリングが用意されていて、
臨場感は抜群ながら、
しかしこれは簡単に撤去できるものではないため、
常にこれが舞台上にあるわけで、
結果、舞台装置の転換ができない点が、
もしかすると変化の無さの原因になりうるかもしれない。

それから、登場人物は、病気以外にも、
何らかの悩み・屈折感・挫折感を持ち合わせていて、
劇の進行に従って、各人はそれと向き合っていくことになる。
これも、頭の理屈で考えれば、結構クサい台詞
(「感謝」「人にやさしく」など)もあったし、
冷静に考えれば、これはベタな人情話なのかも。
(こういうことを書いてしまう私はつまらん人間?)

ただ、そうは感じさせなかった理由として、
1つには、プロレスを題材として、
身体のぶつかり合いという要素が
しっかり表現されている点があると思われた。
それは、リング装置のみならず、
役者もこの公演のため相当鍛え上げた様子であり、
その効果が計算されたものかどうかは分からないが、
リアルな格闘技的な演劇表現が、
ただエンターテイメント的な面白さのみならず、
全体的印象についても良い効果を出していたと思う。

そして、観終ったあと、(極めて個人的な体験でしかないかもしれないが、)
私は「カタルシス」的な「浄化」感に自然と包まれていた。
(ご存知の方には釈迦に説法ですが、
アリストテレスは(ギリシャ古典)悲劇について
カタルシス(浄化)という見地から論じているわけです。)
もちろん、この話は、この話は悲劇ではないのですけど……。
演劇にしろ、音楽にしろ、「感動」することもしないこともあるけど、
「感動」しても「カタルシス」に浸ることは、
実はあまりないのです……。

終演後の挨拶も、何かそういう雰囲気を引きずったもので、
それだけ役者陣が「役」に没入できていたのだろうと思う。

ということで、多少の欠点はあるにしても
それらを十分吹き飛ばしてしまうような
素晴らしい出来であった。

余談ですが、私の隣にはお嬢様が座られていたのですが、
大変感受性の強い方で、私以上によく笑い、そして泣いていました。
終演後アンケートを記入しながらちょっと話をしたら、
他の劇団の方で、この日の出演者のお一人とお知り合いとのことでしたが。
(あまりしつこく聞くのもどうかと思ったので、劇団名などは聞きませんでした。)
現代でも(こういう言い方が失礼なのは承知ですが)若い方で、
こんなにピュアな方がいらっしゃるのですね。

喜劇 俺たちの心中は世界を泣かせる

喜劇 俺たちの心中は世界を泣かせる

劇団ズーズーC

秋葉原ズーズーC劇場(東京都)

2012/02/11 (土) ~ 2012/04/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白かった!!
無料チラシに惹かれて、最終公演に行きました。
期待して良いんだか悪いんだかわからないようなHPでしたが。

一番乗りしましたが、その他に誰も現れず、
開場直前に3人増えて4名…かなり少ないのかなあ、と思っていたら、
開演前には11人になっていました。

受付をやっていた男女2人が、何と役者2名でもあり
(はっぴに名前が出ていたので、もしかして、とも思っていましたが)、
遅刻しないで良かったと思う次第。

さて、内容は、あるいは再演もあるのかもしれないので、
詳しくは書きませんが、前半(日光に行く前)で40~50分あり、
ここもそれなりにやり取りは面白くは思いました。
ある意味、振りの多い、かつ長い漫才のようにも見え、
しかし、長く続くと同じようなネタも出てきたり、ちょっと飽きてきました。
心の中で☆3つくらいかな、と思ったり。

ところが、後半、日光行きの話からは、抜群に面白くなりました。
1人3~4役の場面が特によく、大笑いしてしまいました。

お二人の息も合っているので、終演後「本当のご夫婦ですか?」
と聞いてみましたら「違うんです。それぞれ家庭を別に持ってます」
とのことでした?!
(余計なお世話でしょうが、これだけの台詞を覚え稽古するだけでなく、
経済的にも大変な(?)御活動をされるのは、
ご家族の理解と協力も欠かせないでしょう。)

まあ、そんなわけで、後半は時間を忘れましたし、盛り返したので、
多少のオマケ込みで☆5つ!

なんか、無料では申し訳ないので、台本1冊買いました。

さて、ネタバレは別として、演劇以外の突込みを少し…。
当初は秋葉原から歩くつもりだったのでしたが、
前の用事の関係で、急遽浅草橋から歩くことに。
ところが、未だに慣れないスマホ地図でも劇場名ではヒットしないし、
住所で検索しようと思ったが、サイトを見ても住所が出ていないのですよね。住所くらい、チラシのどこか隅にでも入れてもらえると、
こういう時ありがたいのですが。

それと、配布されたチラシの中のカンフェティ、3月号でした。
たしかに、2月から公演が始まっているし、
役者さん自ら受付もされる位の人手不足(?)ですから、
最初にチラシを組んだままで、仕方ないとも思いつつ、
ちょっと悲哀を感じちゃったりして。

もしかしたらHPも自虐的過ぎて(ギャグなんだと見終わった後は
分かりますが)「行ってもつまらないかも?」と思われているかも。
ある意味、自分たちの良さを信じて、
もっと長所は積極的に訴えても良いのではないか?
そんなことも思いました。

過去演目を見ても、喜劇なのに悲劇的な題材を用いているところも
興味深いし、「悲劇より喜劇の方が難しい」というとおりで、
苦労も多いとは思いますが、今後の活躍に期待致します。

ネタバレBOX

そんなに気にする話ではないかもしれませんが、
「逆に警察から感謝状もらった」というのはちょっと引っかかりました。
だって、そうは言っても「銃刀法違反」は残るんじゃないかなあ、
なんて屁理屈を考えちゃったもので。
GHOST IN THE BOX!!

GHOST IN THE BOX!!

PEACE

上野ストアハウス(東京都)

2011/08/18 (木) ~ 2011/08/22 (月)公演終了

満足度★★★★★

1ネタで2度おいしい! 秀逸な構成に脱帽
後半のネタバレで紹介しますが、
構成がとても秀逸な作品。

ネタバレBOX

薄気味悪い建物の2階の部屋という設定で、
ここでまさに若い女性が男に刺殺されようというシーンから
始まる。女性の悲鳴が室内に響き渡る…。
ところがこれは、大学の映画サークルの撮影であった…(でもこれも伏線)
そして、他の者の乱入により撮影は中断
…ここに入ってきたのは生物学研究員の男女2名と、
廃墟好きな写真家(?)、それと、あまり売れない小説家。

そして、研究員から、この建物は戦時中、
人体実験が行われていたという噂があることが話される。
「ロケのため」「研究のため」「廃墟の撮影のため(?)」
「小説のネタ探しのため」と、ここに集まった目的は様々だが、
百物語を真似て、「怖い話」を語ろうということになる。
この辺まではホラー作品の様相…。

ところが、時々聞こえるのは、死霊の不気味な声なのか…?
そして、停電が起きて真っ暗になったり、人が姿を消し、
さらには不可解な方法で、次々に殺されていく……。
しかし、殺人犯は誰だか分からない。
犯人は外部の人間なのか、それとも集まったメンバーの誰かなのか?
この辺から、ホラー作品というよりは推理ドラマの様相となる。
最後まで残ったのは、最初の殺人シーンの女性と、
一度は死んだと思われた同じサークルの男性…。
そして、男がナイフを振り上げた所で暗転。ドラマは終わる…。

…と思ったら、どうも終わっていないようで、きちんと暗転もしないまま、
これまでの登場人物プラス別の人物(スタッフかと思った)が
舞台上を片付けている。
あれっ?1時間40分ほどの芝居と聞いていたが、
まだ1時間も経ってないし、2本立てのオムニバスだったかな?
なんて思ったり・・・。

そのうちに、次の芝居(?)が再開。
奥の部屋が無くなっていたり、掃除用具入れも無くなっていたり、若干は変わっているのだが、似たような部屋である。
先程の登場人物も時々出入りするが、しかし違う人物も多い。
この話は何なのだろうと思っていると、次第に分かってきたことは、
先程のホラー兼推理演劇は、「すべて映画の撮影」で、その撮影シーン中に、
大学の映画サークルが出てくるという入れ子作り…だったのである。
そして、今行われている芝居は、前半の出来事を、
今度は3階でのシ-ンとして繰り返しているのだ。
3階はこの映画撮影のスタッフが詰めている部屋で、脚本家、監督、助手、その他助手の友人等訳のわからない人々までなぜかいる。
そして2階で出番でない役者も、ここにやってくるのだ。
そして、前半ではホラー的雰囲気を醸し出していた
唸り声の正体が分かったり、
実は撮影の裏側ではとんでもないアクシデントが頻発していて、
それのフォローにスタッフやキャストが懸命に対処したり…。
つまり、後半は全く喜劇仕立てで、
前半の不可解な出来事のネタが分かったり、
ハプニングに必死に対応する様子に、
お客は大笑いしてしまうという趣向。
(詳しく書くと再演があった場合につまらなくなるので、
これ以上は書きません。)

このように、同じ話を、2階と3階の2つの出来事として示し、
前半はホラー、後半はお笑いと、全く正反対の性格で見せるという趣向で、
こういうやり方は観たことがなく、
とにかく、大変秀逸な構成である、と思った次第。

なお、全く余談ながら、初めての人には会場がやや分かりにくいので、
曲がり角のところでスタッフが立っていて案内してもらうと、
とてもありがたいのだが
(この日の前に観た劇団はしっかりやられていたので余計気になって)。
シャイロック

シャイロック

東京演劇アンサンブル

ブレヒトの芝居小屋(東京都)

2011/09/09 (金) ~ 2011/09/19 (月)公演終了

満足度★★★★★

見ごたえ十分の舞台
横浜からは結構遠い武蔵関まではるばる伺いましたが、
遠くまで観に行って本当に良かったと思った。

主役人から脇役まで演技面でも、
そして舞台装置など演出面でも素晴らしく、
この日はかなり疲れていましたが、
むしろ、元気を与えられたような気さえしました。

ネタバレBOX

シェイクスピアの「ヴェニスの商人」を素材にしながらも、
一部は変更され、また、そもそもこちらは
「ユダヤ人社会の側」から、この劇は作られている。

シャイロックとアントニオウは、お互いに尊敬しあう親友という設定。
アントニオウを名付け親として頼ってきたバサーニオウに、
お金の工面を懇願され、彼のためにシャイロックから借金するはめに。

シャイロックは親友の頼みゆえ、「証文も期限も不要」というが、
アントニオウは、「ヴェニスの法律が、ユダヤ人との取引の場合、
証文作成と担保設定を義務付けている。
だから、法律を守らないわけにはいかない」と言う。
そのため、2人は「馬鹿な法律を揶揄する」ため、
例の「肉1ポンド」の契約をする。

さて、キリスト教徒で、シャイロックやユダヤ人達に敬意を持って
付き合う男はアントニオウだけで、
バサーニオウはじめ、アントニオウの周囲は、
ユダヤ人を人種差別し、軽蔑している。

そして、アントニオウの船が遭難(?)という情報が入り、
期日までに借金の返済ができないことに…。
しかし、法と契約を守らないと、法律違反の前例を作ることとなり、
それは法によって差別もされながらも一定の活動を許容されている
ユダヤ人の平穏な生活を奪うこととなる。
シャイロックもアントニオウも、
「契約」の履行をせざるを得ないことを覚悟する……。

さて、これまでの筋の流れと並行して、
例のポーシャの婿選びの話も紹介される。
しかし、こちらの扱いは軽く、劇中の婿候補は
バサーニオウだけで、しかも彼は逡巡しながらも、
ついに見事に「鉛」の箱を選択し、彼女を射止める。

そして彼女は、シャイロックとアントニオウの
不幸な出来事を知り、ヴェニスに向かう。
そして、「肉だけ」「1ポンドだけ」の有名な台詞で、
「契約無効」を宣言するが、これは利発さからというより
「思い付き」というような扱い。

また、フィアンセにも分からないような変装もしないし、
フィアンセの指環を強引にもらって、それを使って
後でフィアンセを困らせる話も出てこない。
したがって、最後のバサーニオウの台詞では、
むしろポーシャを下に見るような台詞も口にし、
ポーシャの利発さはあまり強くは感じられない。

また、話は前後するが、さらにもう1つの話として、シャイロックの娘
ジェシカが、父への不満(しかし、彼は変人かもしれないが悪人ではない)から反発が次第に強くなってきたことと、
ロレンゾウに魅かれ、ついに家出を敢行。
しかし、ロレンゾウも、結局はユダヤ人差別者。
父にまつわる裁判を通して、ロレンゾウや彼の取り巻き達の、
ユダヤ人への差別意識を知り、彼への気持ちは冷めていく。

結局、この芝居を通じて、キリスト教徒の方が、
むしろ小人物に描かれている。
シェイクスピアの戯曲と、どちらが史実に近いのか?
は不勉強で知る由もないが、少なくとも、
こういう観方は当然できるものと思われるし、
むしろ、こういう観点からの問題提起はなされて当然とも思われる。

まあ、A.ウェスカーの台本にもし注文を付けるとすれば、
ポーシャが最後の裁判の場面など、さらに知恵を出して
シャイロックをもっと助けて欲しかったところ。
前述のとおり、ポーシャについて、この扱いでは、
シェイクスピアの下敷きが無ければ、ポーシャの話は無くても良いくらい。
まあ、「ヴェニスの商人」はあまりに人口に膾炙しているので、
ポーシャの話を入れても良いし、
あるいは入れないと益々落ち着きが悪くなるのかもしれないが。
OKICHI

OKICHI

アブラクサス

劇場MOMO(東京都)

2011/09/15 (木) ~ 2011/09/19 (月)公演終了

満足度★★★★★

見せ場が多く、感動的な芝居
明治開国前後の、唐人お吉の物語。

一応、5つの部分から構成されていると思う。
ネタバレ部分で各部分について触れて行くが、
ただ、これは私が勝手に分けたもので、
上演時に「第○部」と表示されたり、
台本に書かれたりしているものではないことは、
あらかじめお断りしておく。

ネタバレBOX

第1部は、下田が舞台。
ハリスは、以前他の者が異人を恐れて逃げる中、
親切に案内をしてくれたお吉のことを覚えていて、
彼女を看護役・賄いに所望するが、お吉には許嫁鶴松がおり、
首を縦に振らない。
それは結局、ハリスの妾になることだと彼女も考えており、
また、下田奉行の役人達も彼女を妾にして、
油断させて情報を得ようと考えていたのである。

役人の1人が、許嫁の首をはねれば、お吉もあきらめるだろう、などと、
手荒な事を言うが、殿様である伊佐は人格者であり、その意見を排斥する。
お吉に「下田を守るため、国を守るため」と切々と訴え、
最後はお吉に土下座までして、ハリスの妾となることを承諾させる。
(このような素晴らしい見せ場が、劇の初めから用意されている!)

そして、お吉はハリスの滞在する寺に出仕するのだが、
初めは打ち解けなかった2人も、いつしか理解し合い、
愛情が育まれて行く。

しかし、ハリスは帰国することとなる。
「いつか迎えに来る」という言葉を残して……。

第1部からのつなぎの場面があって、
第2部の「異人向け」の遊閣の場面となる。
ここで遊女となっているお吉の元に、
珍しく日本人男性が客として訪ねてくる……。
帽子をかぶり、後ろ向きで、ただ話ばかりしているが、
その男は元許嫁の鶴松であった。
お吉は、ハリスの妾となったこと、そして、今は、
遊女となっていることを恥じ、鶴松を避けるが、
しかし、彼に熱く説得され、一緒に下田に戻って生活することを承諾する。

第3部は再び下田。
お吉は下田の人達には、「金を積まれて唐人の妾になった」「下田を売った」「下田の恥」「国の恥」と思われており、
それは鶴松の家族からも同様であった。
一方、子供を産めないお富を馬鹿にした元夫のこんにゃく屋と、
お吉は喧嘩してしまう、などのトラブルも起きる。
自分の店を持つことを夢としていたお吉を応援していた鶴松であったが、
しかし、周囲の偏見と無理解の中、ついには彼自身、
船大工の親方から暇を出されてしまう。

第4部は、初めは三島が舞台。
お吉は三島で再び遊女に。鶴松は亡くなってしまった。
そこにお富が訪ねてくる。2人は再び下田で店を持つことを決意する。

第5部は再び下田。
一時は繁盛したお吉の店であり、
また、お富を横浜に菓子職人として修業にも出させたりもしたのだが、
周囲の偏見により悪いうわさを流され、閉店することに
……そしてお吉は浮浪の身となり、酒におぼれている。
そこへ元殿様の伊佐がお吉を探しにやってくる。
無理解な人々の前で、伊佐は、お吉にハリスの妾となり、情報収集させ、
また、そのことは国の機密である故、決して口外しないことをも
命じたのは自分であることを告白する。
東京で店を持つまで成功したお富もやってくる。
そして、お吉を探すのであるが、すでに彼女は浮浪の身で酒にも溺れ、
精神も病んでしまっていたのであった……。

このように、各部分部分に見せ場やほろりとする台詞が用意され、
また、基本的にはある意味不要な部分が上手に省かれ、
無駄なく話が進行していっていると思う。

まあ、欲を言えば、第1部と第2部との間のつなぎ部分は、
多少冗長であった気もする。
大政奉還の奏上文らしき漢語調のナレーションが流れるが、
これは耳で聞いているだけでは少々分かりにくい。
またここで、明治維新に向けての戦いを象徴する殺陣シーンもあるが、
ここで、髪の色の違う人(ハリス役か、後で出る回船問屋商亀吉役か、
役の役者かははっきりしなかったが…)が登場するのも、
一瞬ハリスが登場したように見えてしまった。
この部分だけ再考してもらえれば、という気がした。

なお、舞台は、奥のほうが一段高くなっていて、いわば「二段構造」で、
奥の部分を別の場面に使ったり、回想場面としたり、
と巧みな使い方をされており、これも良い効果を挙げていた一因と思う。

私自身、不勉強で、この話のどこまでが史実に基づいていて、
どこからが創作なのか、正確に知る者ではない。
例えば、「描かれているほど、ハリスが日本やお吉のことを、
真剣に考えていたのだろうか?」とか、
「いじめられるのは分かっているのに、どうして下田に固執したのか?」等々……できればこの辺の説得性も、もっとあればなあ……。
ただ、「そうあってほしいな」と思わせる部分も多く、
そう思わせる部分は、説得性のある舞台であったのだ……そんな気がする。

ということで、多少の欠点はあったかもしれないが、
端数切上げで5Pとします。
僕らの心象風景における、いくつかの考察【公演終了いたしました。ご感想お待ちしております。】

僕らの心象風景における、いくつかの考察【公演終了いたしました。ご感想お待ちしております。】

Minami Produce

新宿眼科画廊(東京都)

2012/02/11 (土) ~ 2012/02/21 (火)公演終了

満足度★★★★★

理屈っぽいが充実した作品
好みは分かれるかもしれないが、私は大変満足しました。
「あのときああしていれば」は人間誰しも思うこと。

やや理屈っぽく、哲学を感じさせる趣向で、
なおかつテンポよく、面白く進行していく。

転換シーンで犬役(実はかなり重要な役)が、
若手の講談師か落語家を思わせるように早口でまくしたて、
その時はロック調の騒々しい音楽が流れるのだが、
ここはもう少し台詞を聞き取りやすくする工夫をされても良いかも。

ネタバレBOX

「ぼくとおおかみ」同様、妹役が存在感あり、可愛い。
それでいて、特に結婚してからの「育てる」など、深い台詞も言う。
役者と言うより脚本の問題かもしれないが、主人公の(2人目の)妻に
もう少し存在感が出れば。
特徴があまりなくてちょっと存在感が薄い感じ。

むしろ「はじめの妻」である「先輩」の方が、
その人の「人間性」や「存在感」が伝わってきた。
ジレンマジレンマ

ジレンマジレンマ

ワンツーワークス

ザ・ポケット(東京都)

2012/03/03 (土) ~ 2012/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

構成が見事!
最初は何の話か分からない3つの話が、
関連性も不明瞭のまま展開していく。

しかし、次第にこれらが大震災の話であることや、
単なる震災の被害を訴えるというものでは無く、
誰でもが持っているであろう「人間の弱さ」を摘示したもので、
終わってみると、ずっしりと「見応えがあった」と感じられる好演であった。

機械仕掛けの方舟/GIRLS

機械仕掛けの方舟/GIRLS

明治大学実験劇場

明治大学和泉キャンパス・第一校舎005教室(東京都)

2012/06/28 (木) ~ 2012/06/30 (土)公演終了

満足度★★★★★

「機械仕掛けの方舟」まさに実験劇場!
最終日のマチネ鑑賞。

初見ながら「実験劇場」と名付けているので、まあそれなりに覚悟して(笑)
でも、この作品は見応えがありました。

まあ、筋を紹介することも困難だし、その必要も無いとは思います。
でも、感性で観て行けば、印象に残るシーンも多く、
この種のお芝居としては、台本・演出・役者とも
かなり高水準の出来ではないでしょうか?

作・演出の林田さんも学生のようで、今後も楽しみ!

裏窓

裏窓

スポンジ

OFF OFFシアター(東京都)

2011/05/25 (水) ~ 2011/05/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

超能力者の悲哀
サイトもチラシも、あえてストーリーなど隠しているし、今回はいつも以上にネタバレで書いているので、これから観る方は以下を読まない方が良いかも?

ネタバレBOX

主人公の超能力者は、兄の経営する小さなバイク屋に勤める。
しかし、超能力の故にテレビ出演なども舞い込み、バイク店の仕事はイマイチやる気薄。なので従業員からは苦情も・・・でも優柔不断の兄である社長は弟に言えず仕舞い。
そして、主人公には看護師の優しい妻がいる。

ところが、とあるテレビ出演の際、興味本位でしか取り上げないテレビ局により、超能力懐疑派の学者も出演する中、生放送で超能力に失敗し、無神経なカメラワークに怒った主人公は、カメラに手を出したところ、カメラは破損・・・
(ここまでは語りにより観客に伝えられる)。

その賠償として、(挑発したはずの)テレビ局は500万円を請求、家族まで保証人にさせられる・・・というエピソードが前半。

そして、話は3年後に飛び、その後もテレビや映像に出演する主人公。
そこに、旧知のフリーカメラマンより、ドキュメンタリー撮影の話が舞い込む。
超能力を持ったことから、それを伝えねば、と使命感を持つ主人公。
しかし、超能力を世間に知らしめることに主人公が熱心になればなるほど、周囲はぎくしゃくしていく。
優しい妻は、夫が超能力を捨て、平凡に生きていくことを願い、
そして夫を思うがゆえに、フリーカメラマンに「超能力はインチキ」と告げ、撮影の話を無くそうとする・・・しかし主人公は当然怒り、妻を打つ。
妻の「私と、超能力とどっちを選ぶの?」の問に、静かに超能力を選ぶ主人公・・・。

それから、さらに時間は経過・・・従業員も「彼が超能力をやめないなら、私がこの店を辞める」とまで、社長に談判。
そこに、郷里から荷物を取りに来る妻・・・そう、妻も彼から去っていく。
そして、最後に、優柔不断であった兄からも「超能力はインチキ(だよね・・・だからやめろ)」と告げられる。一緒に育ち、誰よりもその超能力がインチキでないことを知っている兄からさえ・・・。

と、長々あらすじを書いてしまったが、私は、特異な能力(それは必ずしも超能力でなくても良い)を持つ者と、その周囲の普通の人々との間にある、平凡な生活が崩壊していくドラマと捉えた。その限りにおいて本公演は成功していたと思う。
もちろん、それは役者の能力も寄与してのもので、
言いにくいことを言わねばならないシーンでの間の取り方、
あるいは他の人が入ってきてしまい、言いにくいことを言おうとしたが、
しかし飲み込んでしまわざるを得ない状況の変化の表現など、
難しい演技が求められる内容だが、好演していたのではないか。

超能力者ゆえの繊細かつ理想化肌の主人公、兄で社長だが優柔不断の兄、心優しいが平凡な生活を願う妻、仕事熱心の故に超能力に浮かれている主人公に反発する従業員、悪徳商法業者に勤めたり、簡単に仕事を辞めて、姉に無心をする妻の弟、超能力者をおもちゃにするだけのテレビ局、そこと主人公との間の板挟みのマネジメント会社の女性社員・・・などなど、性格分けも(台本上も演技上も)しっかりできていたと思う。

また、主人公が周囲の無理解で怒る際、稲妻のような電光が光ったり、
テレビや映像出演の部分は、公演上も映像を使用したり、の手法も効果的であった。
(映像の質はよくないが、結果的にそれが演出効果を落とすことになっていないのは、こういう台本のせいか?・・・これは僥倖かも?)

ただ、兄にも見放されたラストシーンで、主人公が怒りにつつまれ、例の電光が走る中で演劇は終わり、演者の挨拶等もないので、ここは唐突な感を受けた。
もちろんこれも計算ずくなのだろうし、悪くはないが、
ここまでやったのなら、もっといいラストもあったのでは?という気にも。

しかし、ともあれ、私(の独断偏見)としては、内容も演技も充実しており、気に入った芝居を観ることができ、満足できるものであった。
新宿コントレックス Vol.0

新宿コントレックス Vol.0

新宿コントレックス実行委員

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2011/07/14 (木) ~ 2011/07/14 (木)公演終了

満足度★★★★★

【黒薔薇少女地獄】アングラ風ナンセンス鉄ちゃん劇
ここは「鉄道少年の、恋」の1作品のみ。
「アングラ鉄道」が舞台で、そこに鉄道マニアの男女と変な車掌が登場して、
アングラ風ナンセンス劇を繰り広げる。

話の筋は、ここに紹介するほどのしっかりしたものではないが、
これも中々面白く、笑いも結構取っていた。

まあ、ここも本当は4Pかなあ?という気もするが、
私的には、3劇団中一番面白く思えたことと、
1作品で30分通したこと、
それに、私も今はそれほどでもないが、結構鉄道が好きで、
鉄道マニアの習性などもよく観察されるようされている気がして、
若干サービスで5Pとしました。

獣従承知(じゅうじゅうしょうち)

獣従承知(じゅうじゅうしょうち)

角角ストロガのフ

王子小劇場(東京都)

2010/12/16 (木) ~ 2010/12/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

加速度的なエネルギーが魅力
最初は、幕で舞台奥と仕切られていて、いかにも狭い範囲で、いかにも現代人に多そうで神経質そうな男が登場し、その妻とのやり取りからスタートする……ちょっと窮屈すぎるかな、と思ったり、その幕に映像が(開演前からですが)映っているのですが、映し方がよくなく、この先大丈夫なのかと少々不安になりました。

 しかし、その幕が、パッと落とされて、奥行き&高さのある舞台全体が現れる演出法は非常に印象的でした。

 そして、舞台は、いくつかのブロックに厳格ではなく、何となく区切られていて、それぞれで、独立性のある話が進行していきます。

 ただ、台詞自体にも「ぬるい話だ」(うろ覚えですが)とあるように、いまいち面白くない小話がしばらく続き、これまた「このまま行っちゃうのか」と思いました。

 しかし、それから、それまでの個別の話が急速に統合されていき、ストーリーが非常なエネルギーを持って推進していき、後半は大満足!

 やや不条理な要素を残しながらも、生きていくと出会うであろう世の中の様々なこと(良いことも悪いことも)の交錯が、人生の奥深さを感じさせます。

 それから「音楽」も、一見(一聴か?)、異質な音楽が付けられているようでいながら、少し聴くと非常に効果的に思えてくる……そういう使われ方でした。

 実は、この日はアフタートークがあり、主宰の角田ルミさんも登場されました。私はこの劇団を見るのは初めてですが、ふだんはもっとドロドロした内容なのだが、今回は、特に前半は「分かりやすさ」に配慮したとのこと。
もっとも後半は「普段のウチが出てしまいましたが」とおっしゃっていましたが。

 でも、別に私はことさらドロドロを好むわけではありませんが、しかし、少なくとも今回については、分かりやすさを意識した前半より、「普段」の後半の方が、格段に面白かったし、出来もよかったと思います。

 前半が分かりやすいと言っても、各個別の話がそうであるだけで、その関連性も見えませんでしたし、だから結局総合的には分かりやすくもなかったんじゃないかなあ。

 この劇団には、やっぱり加速度的なエネルギーが魅力なのでは、と感じた次第。

 なお、角田ルミさんは、台本の話は、「普段はもっとドロドロしていて」と、ある意味「オジサン的」でもありましたが(笑)、トークに登場した際は、お若くて、かわいいミニスカート姿でもあり、「えっ?この人が書いたの」と思ってしまいました。彼氏募集中とも言っていましたが、ドロドロ作品を作る人は意外と日常は真面目、なんていう話を聞いたこともありますから、あるいは角田さんもそうかもしれませんね……

星より昴く

星より昴く

東京ストーリーテラー

シアターKASSAI(東京都)

2011/06/04 (土) ~ 2011/06/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

ベタかもしれないが、構成・演技は上出来
はじめは、台詞が多い割にあまり受けない漫才からスタートしたので、
漫才家として苦労しながら大成していく話なのかと思ったり、
次には、(台詞中でも言われていたが)現代風でない昔ながらの女の子の純愛物語・・・
ということになってきたので、なんか、ここ数日観てきた「コント」や「分かりやすい芝居」と同種なのかな、
と勝手に観ながら憶測していた。

でも、劇の進行については、中々考えられた構成が取られていたと思う。
上述のとおり、筋がどのように展開しているのか簡単には読めないようになっていることもその1つである。

以下ネタバレへ・・・

ネタバレBOX

さらには、前半でも主人公女性の純愛的台詞でほろりとさせる山場は用意されているが(ここで終わってもそれなりのベタないい芝居にはなる)、
その後、話は急転し、悪役も登場し、一波乱ある。
必ずしも、世の中、心のきれいな人だけでは成り立っていないことも考えられている。
また、このような展開をしていくことにより、求心力も増し、観る者が惹きつけられ続けるように作られているのもさすが。
よく考えると、女装がばれないことや、
悪役が刺される場面で「急所をはずれている」あたりなど、
本当は筋にかなりの無理もあるのだが、
観ているとそれほどの違和感も感じさせないのもそのせいかもしれない。

そして、恋のライバルである美貌の女優南条小百合が龍治と結ばれるという悲劇的結末も十分成立する中、
もし、ハッピーエンドに持っていくならどういう展開になるのかな(あっさりハッピーエンド結末を迎えるのもさびしいな)、などと思っていたら、
大きな山場を用意してくれていて、「泣かせどころ」と分かってはいながらも、やはり目頭が熱くなってしまう・・・この辺はさすがである。

また、悪役は悪役らしく、弱い人間は弱い人間として、
そして、大女優南条の、したたかさと押しの強さ、それに若い女性としての可憐な一面を併せ持つ性格など、
それぞれの役がしっかり作られていて、役者も好演していた。
(ただ、台詞を噛むのが比較的多かった方がいました
・・・これから猛練習して千秋楽までの残りの公演はしっかりやって下さい。)

話は変わるが、オペラでも、「アラベラ」(R.シュトラウス)では、男装する女性役が登場し、非常に切ない思いをすることとなるし、
「フィデリオ」(ベートーヴェン)では、一途に命がけで夫を救う妻が描かれている。
(なお、女性歌手が男性役を演じ、かつ女装するというややこしい作り・・・)
男性役が女装する場合(「フィガロの結婚」「ばらの騎士」など)がコミカルになることが多いのに対し、
女性が男装する場合、どうしてこれほどシリアスで切なくなるのか?などと、劇中や終演後もちょっと考えさせられてしまった・・・。
幹事長 出番です!

幹事長 出番です!

劇団 東京フェスティバル

小劇場 楽園(東京都)

2011/07/05 (火) ~ 2011/07/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白い舞台でした。
面白い舞台でした。
選挙ポスターのようなチラシからもご想像の通り、
政治家を取り上げた選挙もの、です。

前半は、人気の無い政権与党の総理大臣や幹事長が、
選挙に向けた奇策をあれこれ考えるシーン。
これはまあ、もし今、本当の選挙が実施されていたら、
公演中止になるのではないか、と思われるほど、
なぜか(?)現政権への皮肉たっぷりの内容(笑)

ただ、こんな感じで、この芝居、
ずっと行ってしまうのかな、などと思っていましたら、
後半はもう1つ別のネタがありました。
不人気首相の苦肉の選挙運動が、思わぬ結果に!
あまりに下らないし、ネタばれにしても
もし読まれてしまうとがっかりされると思うので、
書かないでおきます(笑)

ポイントは、4.5Pくらいで、
4と5のどっちにしようかと思いましたが、
「大盤振る舞い」で端数切り上げで5Pにしました。

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